歴史のある水の都 水戸偕楽園公園巡り
水戸偕楽園公園調査隊(中学3年生・園部柚玲彩、中学1年生・園部優穂)
茨城県
茨城大学教育学部附属中学校
中学校3年生
全体説明
茨城県水戸市にある偕楽園公園は、ニューヨークセントラルパークに次ぐ世界第2位の広さを誇る都市公園です。面積は約300haにも及び、その広さはなんと東京ドーム64個分です。偕楽園公園は、江戸幕府最後の将軍である徳川慶喜の父、斉昭公によって造営され、日本三大名園の一つとして有名で、各地から多くの観光客の方が訪れます。と、ここまで聞くと、観光客向けの公園のように思われるでしょう。しかし、都市の中にあっても自然が豊かで、広い公園の中には多くの生き物が生息しており、様々な年代の方が思い思いにくつろぐ、市民の憩いの場にもなっています。今回紹介するのは、広い偕楽園公園の中の、千波湖という湖の周辺です。千波湖には水鳥が多く生息し、その愛くるしい姿は、訪れる人々を癒してくれます。一周が約3kmなので、今回は千波湖の半周と、その周りの広場の様子を観察しました。それでは、偕楽園公園巡りへと参りましょう。
観察ポイントごとの説明
<1サルスベリ>
散策の始まりは、水戸光圀公の像の前。像の脇に、サルスベリの木の花が満開に咲いていました。フリルのついた花弁の小さなドレスのような濃いピンク色の花が、公園内をぱっと明るく華やかに着飾っています。サルスベリは、漢字で書くと「百日紅」。100日の間長く咲き続けるために名付けられたという説もあるそうですが、夏から秋にかけて長く楽しめる花であることから、名は体を表すのだと思いました。
<2黒鳥>
光圀公像の目線の先に進んでいくと、千波湖の湖畔に黒鳥の家族が4羽泳いでいました。黒鳥は、白鳥にそっくりな体つきですが渡り鳥ではありません。羽の色が真っ黒で、くちばしが赤いのが特徴です。このうちの2羽は、まだ羽が灰色で、大きさも親より一回り小さい子どもの黒鳥です。この2羽は、今年の3月の終わりに卵だった頃から、ずっと見守っていた黒鳥たちです。4月の産まれたての頃は、20cm程で、毛が薄い灰色でモコモコのヒヨコのようでした。それが、みるみる大きくなって、夏には首も伸びて羽もしっかりし、大人と同じような体つきになってきました。この日観察していると、水面から出てきて、羽をバタバタと羽ばたかせ、一生懸命飛ぶ練習をしているところが見られました。黒鳥のいる公園は全国的にも珍しいと知ったので、これからも大切にしたいと思います。
<3オオバン>
黒鳥の近くにいるのは、体は真っ黒、顔の正面からくちばしにかけて真っ白な、オオバンという水鳥です。体長40cm程の小さな水鳥ですが、白い仮面をつけたような顔でインパクトがあります。目の周りは黒色なので遠くからだとよく見えませんが、近くを泳いでいる時にじっと観察すると、目が赤黒く、驚きました。飛んでいる姿を見たことがないので調べてみると、飛ぶのが苦手なようです。
<4ハト>
千波湖を一望できるデッキの手すりには、いつでもハトがいて公園に来る人々をお出迎え。この日は17羽ものハトがとまっていました。公園内のハトは人慣れしていて、散歩をしていると近寄ってきます。体長は35cm程で、体全体は濃い灰色です。よく観察すると、首の所が緑色に光っており、首の付け根と足の指はピンク色をしていました。さらに目は朱色に近い赤色で、真ん中だけは黒くなっているのが特徴です。
<5コイ>
デッキの先の千波湖のほとりを進むと、たくさんのコイ達に出会います。30匹は優にこえたコイ達が、大きな口を開けてガボガボと音を立て、重なり合って泳いでいます。体長は50cm程で、丸々と大きなコイ達が一斉に口を開ける姿は迫力があります。フナとよく似ていますが、ひげがあるのがコイ、ひげがないのがフナだということが、公園内にある看板を見て、知ることができました。
<6ビオトープ>
さらに進むと、ビオトープがあります。富栄養化が進んだ千波湖はアオコの発生する率が高く、一度発生すると水面が青緑色になり、景観や水質悪化が問題になります。そうした問題を解決するために市が取り組んでいるのが、ビオトープ作りです。ガマやセキショウなどの水生植物を植えることで、アオコの発生を防ぐ働きがあるそうです。千波湖に多くの生き物が生息しているのは、こういった努力のお陰なのだと改めて感じました。
<7桜>
公園内には、30種750本もの桜の木が植えてあり、お花見の季節は、公園中が桜に包まれ、多くの人で賑わいます。そのうち、さくら広場には5種の桜があります。ソメイヨシノは日本の代表的な桜で、薄いピンク色の可愛らしい花びらが特徴。ヤエベニザクラとカンザンは似ていますが、カンザンの方が花びらが大きく大輪。フユザクラは秋冬から春まで咲き、カワヅザクラも冬から咲き始めます。
<9カモ>
公園内の千波湖沿いの道では、よく、カモの親子が連れ立って歩く姿が見られます。春、小さな赤ちゃんのカモ達が、お母さんのカモに連れられて、ヨチヨチと歩いている姿はとても微笑ましく、散歩をしている人々も足を止めて写真を撮ったり見入ったりしています。大人のカモが約60cmなのに対し、赤ちゃんカモは6分の1の約10cm。草原にいると、あまりに小さく見えなくなってしまうことにも、愛らしさを感じます。
<10シオカラトンボ>
観察をしていると体長5cm程のシオカラトンボが。スーっと目の前を通り過ぎていきます。千波湖周辺地区は環境省による「日本の重要湿地」に選定されており、湿地帯に生息するシオカラトンボが多く見られます。体は青く澄んだ色をして、夏の暑さの中とても涼しげに飛んでいる姿が印象的でしたが、調べてみると、実は青い姿をしたシオカラトンボは成熟したオスのみで、メスや未成熟のオスは黄色の姿をしているようです。
<11オオハクチョウ>
冬になると、千波湖にオオハクチョウが飛来します。オオハクチョウは北の方から飛んでくる渡り鳥で、公園内では12月から3月くらいに見られます。体長は約1.4mと大きく、体は白色で、「コー、コー」と鳴きながら冬の澄んだ空に向かって水面からスーッと優雅に飛び立つ姿はとても美しいです。春が近づき、少し肌寒い空を5~6羽程の群れで連なって北の空に帰っていく様子は、何度見ても白鳥の気品を感じます。
チーム名:水戸偕楽園公園調査隊
代表者の氏名と学年:園部柚玲彩 中学3年生
その他のメンバーの氏名と学年:園部優穂 中学1年生
役割分担:
地図構成 園部柚玲彩
地図作成 園部柚玲彩、園部優穂
文章作成 園部柚玲彩、園部優穂