自然いっぱい高取散歩道
井出雅也
奈良県
智辯学園奈良カレッジ中学部
中学校1年生
全体説明
僕の住んでいる高取町は、江戸時代に高取藩の城下町として栄えていました。高取城は、高取山頂に築かれており、日本一の山城と言われていました。旧土佐街道には、長屋門のある武家屋敷や連子格子の町屋など城下町の景観が今も残っています。
街道の近くには、キトラ古墳や高松塚古墳など日本でも非常に有名な古墳があり、まわりは、たくさんの自然に囲まれています。僕は小さい頃、昆虫採集が好きで、よく家族で散歩道を歩いていました。普段の生活の中ではあまり感じないことなのですが、改めて自然について観察してみると、都会では体験することのできないたくさんの自然とのふれあいに感謝せずにはいられません。今回の自然観察において、自然を守ることの大切さを改めて気付かせてくれました。
観察ポイントごとの説明
(1)僕の家
ここは僕の家です。僕の家にはおばあちゃんに株分けしてもらった月下美人があります。この花は、夏の夜十時から夜中の十二時ぐらいに開花し、翌朝にはしぼんでしまいます。真っ白な花が咲き、とても良い香りがします。多いときには一度に三十個位の花を咲かせたことがあります。一夜かぎりなのでたくさんのひとに見てもらうことができないのが、とても残念です。
(2)旧土佐街道
ここは今でも長屋門のある武家屋敷や連子格子の町屋など城下町の景観が残っている旧土佐街道です。旧土佐街道に沿って流れる水路にはたくさんの沢ガニがいます。この水路は高取山を水源としており、沢ガニもそこからやってくるのだと思います。沢ガニはきれいな川や水路にいるということなので、僕の家の前を流れる水路がきれいだとわかり、とてもうれしいです。
(3)畑
ここは祖父母の畑です。毎年、胡瓜やゴーヤなどの沢山の野菜がとれます。その野菜につられて紋白蝶やミツバチなどの昆虫がやってきます。祖父母が丹精込めて育てた野菜は我が家の食卓に上るのですが、採ったばかりの野菜はとても新鮮でいつもおいしく食べています。また、春になると、畑の土手には土筆が生えます。それを採って来て、炒めると少し苦みはありますが、とてもおいしいです。
(4)竹藪
ここは我が家の竹藪です。毎年、春になると、筍や蕨、ゼンマイなどが生えます。僕は、今までに何度か筍を掘りに竹藪へ行きましたが、筍を掘った経験が余りないので、筍を一つ掘るのに三十分ぐらいかかります。しかし、上手に掘れたときはとてもうれしいです。筍を食べることができるのは、大地の恵みがあるからだと思うと、自然に感謝しなければいけないと思います。
(5)神社
ここはお宮さん(神社)です。ここでは、五穀豊穣を願う「さなぶり」や新穀感謝祭などの神事を行う場所であるということを父から教えてもらいました。ここには玉虫というとてもカラフルできれいな昆虫がいます。玉虫は余り見ることができないので、見つけたときは何か良いことがあるんじゃないかと思います。また、油蝉もたくさんいて、鳴き声を聞くと夏が来たなあと思います。
(6)飛鳥川
ここは飛鳥川です。この飛鳥川では最近、他では余り見かけなくなったメダカを見ることができます。また、昔よりも数は少なくなりましたが、蛍も見ることができます。蛍やメダカを見かけたときは、「まだこの川はきれいなんやなあ」と思い、高取の自然を誇らしく思います。また、この自然をいつまでも守り続けていかなければならないと思います。
(7)農免道路
ここは農免道路です。道路沿いには、クヌギの木が生えており、ここには、カブトムシやクワガタ、その他色々な昆虫がいます。僕は毎年、ここにカブトムシやクワガタを捕りに行きます。今年の夏は異常気象で毎日猛暑が続いたせいか、いつもの夏と比べると、昆虫が少なく、カブト虫を一匹つかまえただけでした。年を追う毎に昆虫の数が少なくなっているようで、とても残念です。
(8)キトラ古墳
ここはキトラ古墳です。キトラ古墳は全国的にものすごく有名な古墳で、近くには、こちらも有名は高松塚古墳もあり、観光をしている人たちがたくさんいます。この辺りには、沢山の遺跡や古墳があることから、昔ながらの自然が残されています。昔は家族でよく塩辛蜻蛉や赤とんぼをとりに行きました。
(9)子嶋寺
ここは子嶋寺という真言宗のお寺です。小島まんだらがあることで有名です。大和七福八宝神の一つになっています。すぐ横にはザリガニがいる池があります。昔はよくこの池にザリガニを捕りに行っていました。また、この周辺では、春、夏、秋、冬と鳥の鳴き声が絶えません。鳥の鳴き声を聞いていると風情を感じ、とても心がいやされます。
(10)高取川
ここは家の近くにある幅五メートルくらいの高取川です。ここには羽黒トンボの他、たくさんの虫がいます。その中でも僕が一番誇りに思うのは、他では余り見かけなくなった蛍がいることです。普段は、穏やかな川ですが、大風の時には、氾濫するおそれもあり、自然の驚異を思い知らされることもあります。