リンとロアの散歩道
栗本ひかり
京都府
立命館宇治中学校
中学校3年生
全体説明
ここは、私が生まれた町です。私は、ここに中学二年生まで住んでいました。私はよくリンとロアという二匹の犬と一緒に出かけました。引越しした今も、月に何度かは散歩に行きます。
ここは、自然が沢山残っています。最寄り駅は葛駅と言い、私の通った小学校は葛小学校と言います。ガードレールには葛が巻きつき、川の堤防やほんの少しの土地からも葛は自生して育ちます。祖父宅の近くには葛工場があり、葛が人々の暮らしと深く関わっています。葛だけでなく、ここには四季を感じながら自然と共に生きる人々の生活があります。
暮らしていると当然だったのに、引越しすると、この町が自然に恵まれ本当に素晴らしい町だと実感しました。私は、日常のストレスを感じた時には、リンとロアに会い、自然の中をゆったりと散歩して、この町からパワーをもらっています。
観察ポイントごとの説明
ポイント1
春には、家の窓をあけていると、裏山からホーホケキョとうぐいすの鳴き声が聞こえ、梅雨時期にはかえるの合唱が聞こえ、夏にはみんみんぜみがうるさく鳴き、秋にはこおろぎや鈴虫たちの声が聞こえてきます。
屋根の軒下には、つばめの巣が二つあり毎年必ずやってきてひなから成長して巣立つ姿が見られます。
ポイント2
川幅の広いところには家もなく、夏にはさぎの姿をみかけることがあります。川の中には、ぎんぶなやこいが住んでいて、さぎのえさになっています。川を上からのぞくとゴミが捨ててあったりしますが、クリーンキャンペーンの日には近所の方や御所市の職員さん達がお掃除をしています。
ポイント3
曽我川の水が流れ込んでいる幅一m強の水路です。ここは、道路の路線からはずれていて高さもあまりなく水路に入ることもできるので、家族でザリガニ釣りにきている姿をよくみかけます。私も保育所に通っている頃は、よく散歩にきてアメリカザリガニを釣りました。
ポイント4
山肌一面葛が巻きついて緑がまぶしいくらいです。なにげなく歩いていると気付かなかったことですがその山肌をよくみると緑の中に小さな葛の花がいくつか咲いていました。葛の葉はどこにでも自生していますが花はここでしか見ることができません。
ポイント5
木のトンネルができていて、この中に入ると空気が変わり温度は二、三度低くなったように感じます。小さい頃は、「ここが山の入り口なのだなぁー」と思っていました。この山では、とびが飛んでいる姿をよくみかけます。このトンネルの中で一休みしてからまた出発します。
ポイント6
春に田んぼを覗くと、おたまじゃくしやカブトエビがいます。カブトエビの足の動きが面白く、みつめていると犬に「進もうよー」と、催促されます。夏にはかえるがいます。秋には、金色の稲穂がきれいに並びます。その中にいなごやばったを見付けることができます。
ポイント7
ここも田んぼですが、春は一面のれんげ畑になります。この辺には田んぼが沢山あるのですが、一面のれんげ畑はここでしかみられません。れんげの蜜を吸いにみつばちがやってきますので気をつけながられんげをつみ、私もれんげの花びらをとって密を吸った記憶があります。あぜにはしろつめくさがたくさんはえています。
ポイント8
ここは空き地になっています。春はホトケのザ、ヨモギなどがはえ、夏はやぶからし、ぶたくさ、ひめじおんなどいろんな雑草がはえ、それらに葛がからみつき日の光をうけようとして成長しています。
ポイント9
ここは、浄水場がある山で祖父宅の裏山とつながっています。時々たぬきやいたち、のうさぎが国道309号線にでてきて車にはねられることがあるので胸が痛いです。祖父宅にも時々いたちが走っていたりします。
ポイント10
この山にはクヌギがはえていて木の汁を吸うために、くわがたやかなぶんが集まっています。早朝にクヌギの木を蹴ると虫達が足元に落ちてくるほどです。夏の散歩では、合唱をしているせみ達の真ん中を歩いている感じがします。秋は、クヌギからどんぐりが落ちています。