わき水流れる小川の散歩道
金原尚志
富山県
砺波市立般若中学校
中学校1年生
全体説明
ここは、富山県の中西部、左川扇状地に位置し、わき水が流れる、清水川(射水市広上付近)という小川に沿って歩く散歩道です。
清水川は、川底から、水がわいている場所があり、とても冷たく、澄んでいます。水草も多く、流れに合わせてゆらゆらゆれているのを見ると、とても気持ちがいいです。
僕は、川を眺めたり、そこに生息する魚を採集・観察したりするのが大好きです。この川は、護岸工事などがほとんどされていないため、生き物も住みやすく、川のすぐそばを歩けるから、散歩や川遊びに最適です。水位が低いときには、川に入って歩いてみるのもいいでしょう。わき水が流れているような水温の低い川にしか生息しない、トミヨやバイカモ(梅花藻)という水草をはじめ、とてもたくさんの生き物が生息しています。
川や、のどかな田園風景を見て、心おだやかな気分になってみませんか。
観察ポイントごとの説明
ポイント1
ここは、この散歩道の一番始めです。となりの養魚場に水をひかれているため、川幅が細く水も少ないのですが、ちゃんと生き物はいます。たくさんの水草の間にヌマエビ、ヨコエビ、ドジョウ、そして、水が少なくて数が少ないのですが、トミヨもいます。
このポイントは、川ぞいにイチジクの木が植えられていて、まるで、林の中をわき水が流れているようでした。
ポイント2
このポイントは、養魚場の水のとり入れ口に近い場所で、流れる水量も多くゆったりと流れています。養魚場から逃げ出したニジマスもたくさんいて、驚きました。時には、アユやヤマメも見られます。渓流魚が飼育できるということは、それだけ水が冷たくきれいだということなんだなぁと思いました。ここは、田んぼのあぜ道なので道幅はせまかったけど、魚がたくさん見れて楽しいです。
ポイント3
ここは、水草が川一面に広がり、種類も豊富な場所です。特に、わき水などの水温が低い場所に生息する、バイカモ(梅花藻)という水草が見られます。水面に白い梅のような花を咲かせることから梅花藻と呼ばれるそうです。流れの速いところでは、水中で花を咲かせています。川岸近くの花は、流れがゆるいので、水面に顔を出すように穏やかに咲いています。
ポイント4
ここは、川庭が砂地になっていて、スナヤツメという、ヤツメウナギの仲間がいます。ウナギとは別種で、わき水でよく見られます。富山県のレッドデータリストでは、希少種とされているので、この川には、これからも残ってほしいです。他に、川ぞいの草むらでは、キアゲハ、モンシロチョウ、シオカラトンボ、ショウリョウバッタなどの昆虫がたくさん見られました。
ポイント5
ここは、川のそばに立つ大きなネムノキを中心に、タブノキ、チシャノキ、ヌルデ、アカメガシワなどの木が木かげをつくり、風が涼しく、休けいにちょうどよい場所です。周りをよく見ると、ネムノキの赤ちゃんがたくさん見つかります。また、カルガモの群れもここでよく羽根を休めています。そっと近づくと様子が分かりますが、あまり近づくと逃げられてしまいます。
ポイント6
ここは、川の向こう岸に竹林が見えます。川岸近くには、せりがたくさんはえています。夏は、かわいい白い花を咲かせます。この付近の人たちは、冬に、このせりを採って食べているそうです。春の七草にも数えられています。七草がゆが有名で、とてもおいしいです。
そして、ここには、石垣の間から、わき水が出ています。
ポイント7、ポイント8は省略しました。
ポイント9
ここは、コンクリートで護岸されていますが、大きな土管の中からこの川で最もたくさんの水がわいています。そのため水の透明度が高く、色とりどりの水草が生き生きとはえています。トミヨもたくさんいます。そして、びっくりしたのは、観察中に、土管の中をのぞくと、三匹の巨大なニジマスがゆらゆら泳いでいました。きっと養魚場からここまで、川をさか上ってきたのでしょう。
ポイント10
ここは、川幅がせまく、やや流れが早いので、瀬の音を楽しみましょう。流れが速いのでトミヨはいませんが、ハゼ科のヨシノボリなどが、よく見られます。(腹に吸盤があって石などにくっつくことができるんです。)
ここは、時々、カワセミが川の中央を、飛んでいくのが見られます。彩やかな青色がとてもきれいです。運が良ければ見られるかもしれません。