池を周る散歩道
戸田百香
兵庫県
兵庫県立大学附属中学校
中学校1年生
全体説明
私の住む明石市大久保町は、マンションや住宅が集まっています。近くに駅、スーパーマーケットがあり、生活するにはとても便利な町です。でも、線路沿いには田んぼが広がっているし、大きな池もあります。マンションや住宅が多いわりに、自然もとても多いのです。
通学中、私は電車の中から大久保を見ます。駅に止まっている電車の中からは、マンションやスーパーしか見えません。でも、電車が発車してすぐぱっと景色が変わります。青々とした田んぼが一面に広がり、まるでじゅうたんのようです。それはとてもきれいし、何よりいやされます。梅雨の時期になると、その田んぼからたくさんのカエルが一斉に鳴き出します。
田んぼは、季節ごとに表情が変わります。黄金色に色を変えるのはもちろん、カエルの声やコオロギの声も聞こえます。季節の移り変わりを感じられる、良いところです。
観察ポイントごとの説明
ポイント1
春になると、ホウネンエビがたくさんいます。小学校の登校中に田んぼの横を通っていましたが、最近なぜかマムシが出没して近よらなくなりました。少し遠目から見ると、稲がすくすくと育っているのが分かります。ホウネンエビは、小石を放り込むとクモの子を散らしたように逃げ回ります。
ポイント2
この辺りは、庭の広い家が多くてそこにある柑橘類の木に、アゲハチョウが卵を産みに来ます。少し経って見てみると、たくさんの幼虫が容赦なく新芽を食べ尽くしています。けど、きれいなアゲハチョウになるのを楽しみにしています。その周りの草花には、カマキリなどが小さい虫を食べようと集まっているのを見ることができます。
ポイント3
この辺に来ると、家庭菜園をしています。ミニトマトやトウモロコシなど、きれいに並んで植えてあります。雑草はないのですが、
「キリキリ。」
という音の方へ行ってみると、畑の中にトノサマバッタやオンブバッタを見つけました。畑の中で、自由に暮らしているのでしょう。
ポイント4
右手に田んぼが広がっています。青々とした稲のじゅうたんの上を、シオカラトンボやアキアカネが何匹も飛びまわっています。池から池をひいているので、水の中にはオタマジャクシやヤゴがいます。あぜ道を歩くと、足もとからイナゴが勢いよく飛んでいきます。風が吹くと、稲のじゅうたんが波打ってとてもきれいです。
ポイント5
ここは住宅街で、各家はきれいにガーデニングをしています。何もないように思いましたが、プランターの隙間のかげにアマガエルがじっと身を低くしています。アマガエルは、鮮やかなエメラルドグリーンできっと、雨が降るのを待っているのでしょう。街灯に寄ってくる虫などを食べているのだと思います。カエルにとっては住み良い場所なのでしょうか。
ポイント6
池の端に立ってみると、浅瀬を何匹かのフナが泳いでいるのが見えました。水は、そんなに透き通っていなくて水草がところどころあって、この水草の影にフナたちが休んでいるのだと思います。フナは、上から見ると黒く細長いですが向きを変える時に、原のあたりがうっすら金色が見えました。何匹かで、同じ動きをします。
ポイント7
池の端の所で、アオサギが水中をのぞいて立っていました。水の中にいる虫や、小魚をねらっているのだと思います。アオサギは、首が白く頭と背中と羽は灰色で、後頭部に眺めのかざり羽がまるでハチマキがなびいているように見えます。足は細くて長く、片足でも長時間立っています。
ポイント8
土手のところに、シラサギが休んでいました。目のまわりと口ばしあたりが、黄色く見えました。シラサギは全身真っ白で、アオサギより少し大きいです。近寄るとおどろいて、飛び立ちました。羽を広げている姿は、ツルに似ている様な気がしました。思っていたより、羽を広げた大きさは迫力がありました。すぐ近くの水面に、ナマズが顔を出したのが見えました。ナマズの周りは水が濁りました。
ポイント9
ここは、用水路に池の水が流れるようになっています。コンクリートでできている関のところに、色々な大きさのアメリカザリガニがいます。コケのようなものを、ハサミでほじっているように見えました。少し離れたところに、脱皮したからが水にゆれていました。一番大きいのは、十二センチメートルぐらいだと思います。何回も脱皮したのでしょう。
ポイント10
水中から、カイツブリが姿を現して
「ガァーッ。」
と言いながらあわてたように、飛び去りました。ぬれているのかどうか分かりませんが、全身が真っ黒に見えました。少し行くと、ブラックバスが泳いでいました。父とよく池釣りに行くので、すぐにブラックバスだと分かりました。やはりこの池にも、外来種がいるんだと少しがっかりしました。
ポイント11
ここからは、オニバスが見えました。地域で池の水質改善の取り組みをしてきていたので、きれいな水にしか生息しないオニバスが見れるのは、とても珍しくうれしい事です。花は、風がわりで段々になっています。葉はしわしわで、特徴があります。
池の水面ぎりぎりをツバメがエサを取るために飛びまわっています。
ポイント12
右手は大きな駐車場で、左手は小さな神社です。駐車場の周りと神社の中には、背の高い木がたくさんあります。うるさいぐらいのセミの声が聞こえます。木の幹には、たくさんのセミがところせましととまっています。きれいに光るカナブンも見つけました。木の根元を見ると、小さい穴がいくつもありました。この穴から出てきてからを脱いで、セミは短い命を終えます。
ポイント13
スタート手前まで戻ってくると、いつもよく見るスズメが電線に群れでとまっています。小さいころに比べると、最近少なくなったような気がします。スズメの食べ物が減ったのか、それとも道路やマンションが増えて飛びまわる環境が減ってしまったのかよく分かりません。でも、いつまでも鳥や昆虫たちが見れる大久保町であってほしいと思います。