JR五位堂前散歩道
植島久暉
奈良県
智辯学園奈良カレッジ中学部
中学校1年生
全体説明
ぼくの住んでいる奈良県、大和高田市、野口は、山や林や大きな川はないけれど、この町にはたくさんの生き物達が暮らしています。
僕は小学一年生の時から通学の途中やジョギングの時にこのルートを通ります。
なので、この六年間の春、夏、秋、冬を通して、さまざまな生物を観察することが出来ました。
また、この周辺はたくさんある水田に通す水を補うために大きな池が三つありますが、そこにも、一年中、季節ごとに違った水鳥たちが訪れます。夏には、カワセミがエサの魚を求めてやって来ますが、秋になるとカモが冬を越すためにやって来て春になったら帰って行きます。
このように、観察を続けていると、他にも色々な生物を見つけることが出来ます。
しかし、この町には思った以上に外来種が多く生息していてこんな近くでも日本の自然に危機が迫っていることに気付かされます。
観察ポイントごとの説明
ポイント1
ここは僕の家です。
家の庭には、たくさんの草花が植わっていますが、その一つのパセリにはアゲハチョウの様ちゅうが五匹程くっついてどんどん生長しています。また、成虫もよく花のみつを吸いに来ています。
その他にもシマヘビや横のドブにはテンが住んでいて、それを初めて見た時は「こんな生き物も居るんだなあ。」とびっくりしました。
ポイント2
ここには、セキレイがよく現れます。セキレイは鳥の中でも歩くのが得意でぼくが来たのを見ると急にチョコチョコチョコと歩いてて逃げます。
他にもエノコログサが小川のふちに少し咲いていて風が吹くとサラサラと揺れています。
ポイント3
ここにはナツアカネの群がよく稲の上を飛んでいて、水田の中にはアメリカザリガニやツチガエルが住んでいます。
昔はこのあたりにもニホンザリガニがたくさん生息していたそうですが、毎年アメリカザリガニが大量発生して、日本ザリガニの姿がきえつつあります。
ポイント4
ここは神社の横の池です。
風の無い時には二上山がきれいに映って見えます。
この池には外来種のゼニガメとミシシッピアカミミガメとクサガメの三種類のカメが生息しています。
ミシシッピアカミミガメはよく池の水面から顔を出していて可愛らしいですが、実は外来種で、ペットとして飼われていたものを飼い主が逃がして増えたものと見られます。
ポイント5
ここは池の横の川で、空きカンの中からロープのような物が出ています。そして、次に見ると引っこんでいます。
もう一度、気になって水の中を見てみると、何やらウナギのような物がカンの中から出ています。調べてみるとタウナギという中国から来た外来種で、これも日本各地で増えているそうです。しかし、タウナギのエサの取り方は、首をちょっとずつのばして来てパッとエサを取ると一瞬で首を引っ込めるので、とても面白いです。
ポイント6
ここは、川の左側にある水田で、稲の植わっていない所にはハイイロゲンゴロウが生息しています。
ハイイロゲンゴロウはお尻に空気の玉を付けて、後ろ足で水をかいて潜ったり浮いたりしています。
ポイント7
ここは、池の土手で、クズやススキなどを初め沢山の植物が生えています。
水辺に生えているジュズダマは、その名の通り、その果実をつなぎ合わせるとジュズのようになります。ぜひ作ってみて下さい。
また、運が良ければ赤とピンクの美しいクズの花も見ることが出来ます。
オタマジャクシは後ろのひれでどろをかいて一瞬のうちに姿をかくします。その時に下からまい上がるどろは忍者のようです。
ポイント8
この川にはさまざまな種類の魚が住んでいます。ウグイやモツゴやフナやメダカなどの他に、水面から底までが二十五センチメートルにもかかわらず、体長が五十センチメートルをも越えるコイが七匹も水中をゆったりと泳いでいます。
川のふちにはイトトンボやシオカラトンボが飛んでいます。土手にヤブマオの葉の先が丸まっているのでめくってみると中には体がはだ色と茶色の毛虫が入っていました。葉にラミーカミキリが止まっていることもあります。
ポイント9
ここには、モツゴやコイやフナが住んでいますが、ある日、みたことのない大きな珍しい魚がいたので、捕って川魚の水そうに入れてみた所、なんとその魚は、水そうの中にいる川の魚達を追いかけ始めました。びっくりして調べてみると、その魚は外来種のオオクチバスとわかりました。琵琶湖で放流されて困っているとは聞きましたが、その魚がこんな所まで来ているとは想像もしていませんでした。
ポイント10
ここには、ウシガエルが住んでいて、その水田ではウシガエルの大合唱を聞くことが出来ます。
そして、道ばたにはノアザミがピンク色のきれいな花を咲かせています。
ポイント11
ここはJR五位堂駅前の池です。
池に浮かぶウキクサは黄緑のじゅうたんのようになって風が吹くごとに波でユラユラとゆれています。
池のふちの長い草の根本にはバンの巣が見えます。もうすぐ赤ちゃんの姿が見られます。時間によってはアオサギやカイツムリやコサギが見られ、運の良い時にはカワセミを見ることも出来ます。
ポイント12
線路沿いのあぜ道を歩いて行くと、左手に小さな水辺があります。
ここにはぼくの背の高さ程のガマの穂が一面に生えていて沢山のソーセージのようです。
その場所ではスズメ達がよく遊んでいて、ガマの中からはスズメのさえずる声が聞こえてきます。
ポイント13
ここからは家に向かって歩きます。
すると、カラスが飛んでいたり、十羽程のツバメが飛びながらエサを捕っています。
そして一分程歩くと家に着きます。
ぼくは夕方にも行きましたが朝の八時頃の方が多くの生物を見つけることが出来ました。
このルートを観察しながら歩くと徒歩で六千二百歩で歩けました。
ポイント11の駅前にある池に住んでいる水鳥のバンの巣は、捨てられたゴミやペットボトルに囲まれていました。それを見ると、水鳥を初め自然に申しわけなく思いました。
しかし人間がしてしまったことは人間が解決していかなければなりません。
だからゴミを捨てたり外来種の生物をむやみに持ち込んだり捨てたりしないでほしいです。
そして何年経ってもこの自然が失われぬよう、他の生き物と仲良く暮らしていけるようにぼくも心がけていきたいと思いました。