鳶尾シークレットロード
中山花音
東京都
明治大学附属八王子中学校
中学校2年生
全体説明
私の祖母の家は、小田急線本厚木駅からバスで30分程にある、神奈川県厚木市の鳶尾団地にあります。標高100mほどの場所で北側に鳶尾山があり、近くには荻野川、中津川、相模川が流れるとても自然豊かな場所です。遠方から電車とバスに乗ってハイキングにくる人も多く訪れる場所になります。ここで暮らす人たちは田んぼや畑を耕し、野菜などを育てています。今の季節はきゅうりやナス、トマト、とうもろこしを育てていて、私も収穫させてもらっています。標高が高く、寒暖の差が大きいから、野菜が美味しいと祖母は教えてくれました。また、相模川の上流は水質がきれいなため鮎が生息し、その鮎は塩焼きにして食べるととても美味しいです。この緑に囲まれた散策路には、たくさんの植物や動物や昆虫が生息しています。私は祖母と二人だけの秘密の散歩路を歩くのが大好きで、この秘密の道をみなさんに紹介したいと思います。
観察ポイントごとの説明
<1アブラゼミ>
祖母の家を出て、目の前にはソメイヨシノの桜の木があります。そこに朝早い時間から、ジッ・ジッ・ジッ、ジリジリジリと止まり、鳴いています。ミンミンゼミやツクツクボウシもいますが、圧倒的に祖母の家の周りではアブラゼミが多いです。捕まえるポイントは背中に対して垂直に一気に手を伸ばすことです。
<2ナナフシ>
祖母の家を出て左に曲がると団地沿いにナナフシを見つけました。最初は壁に擬態していて気づかず、壁に手を置いたら動いてナナフシであることに気づきました。ナナフシは木の枝のような体をしていて、七節という、木の枝がたくさんあることから名前の由来になったそうです。
<3ソメイヨシノ>
散策路を数十メートル進むと、そこにはソメイヨシノの桜並木が続いています。春にピンクのとてもキレイな花が咲くのでその時期は必ず祖母の家に行きます。平安時代に詠まれた『古今和歌集』の春の部133首のうち、74首にまで桜が登場するなど、桜は古くから日本人の心に深く愛されてきたそうです。実は病気に弱く寿命が短い品種だそうで、祖母の家の周りの樹も弱っている樹が一部あります。
<4トノサマバッタ>
突き当りを左に曲がり階段を降りると峰公園があり、その茂みにはバッタがたくさん生息しています。茂みに足を踏み入れると大きい4cm位の大きなトノサマバッタがいました。名前の通りどっしりした体格で、4枚の羽根を広げ、50mもの距離を移動できる飛行能力を持っているため、網がないとなかなか捕まえづらいです。
<5オンブバッタ>
同じ峰公園の茂みにいます。親が子どもをおんぶしているのだと思っていましたが、実はメスがおんぶをしているそうです。この行動は他のオスにメスが取られないようにするメイトガードというそうです。
<6オオムラキ>
私が一番好きな昆虫なので詳しく紹介をします。オオムラサキは峰公園で優雅に飛んでいました。オオムラサキの寿命は約1年、青紫のきれいな模様が特徴で国蝶にも指定されています。メスは茶紫色をしているため、私が見つけたオオムラサキはオスになります。父は小さい頃、この後紹介するクワガタを見つけたクヌギの樹でよく見たそうです。樹液をめぐって、カブトムシやクワガタムシと果敢に争うため、気が強いと言っていました。オオムラサキは今や準絶滅危惧種で、東京23区内ではほぼ絶滅状態と言われています。見るのはとても難しく、私も1回しか見たことがありません。また、私が住んでいる新宿区と交流のある山梨県北杜市にはオオムラサキセンターがあります。ここはオオムラサキを守ったり、研究したりする場所で、一年中オオムラサキの生活を見ることができるのでぜひ行ってみてください。とても勉強になり、楽しい場所です。
<7カブトムシ>
山に向かう階段を上っていくと大きなクヌギの樹があり、そこにカブトムシがいました。私が見ていると、カブトムシは角でカナブンを押しのけて、樹液を独占していました。昼よりも夜に行くと、スズメバチがいないので危なくなく、見つけやすいのでお勧めです。
<8湧水>
階段を上り鳶尾山の麓が見えてくると、がけから湧水が出ています。近隣から水を汲みにくる人が多くいるそうです。水で手を洗ってみるとその水はとても冷たく。気持ち良かったです。鳶尾団地近くの荻野地区ではこの他にも湧水が出る場所があります。時間によっては、蝶や鳥が水を飲んでいるところも見られるのでとても興味深いです。
<9コクワガタ>
もう少し階段を上り山に近づくと、先ほどと別のクヌギの樹にコクワガタがいました。この見つけたコクワガタは4cm位あるとても大きく迫力がありました。コクワガタは越冬もできるそうです。父が小学生の頃はこの樹でミヤマクワガタやノコギリクワガタもよく捕ったそうです。
<10アオカナブン>
コクワガタを見つけたクヌギの樹や、団地の壁によくくっついていて、見かける頻度が高いカナブンです。アオカナブンはとてもかわいそうで、いつもスズメバチやカブトムシにクヌギの樹の樹液から突っついて追い出されています。
<11ススキ>
さらに散策路を山に向かって上ると鳶尾山のふもとに着きます。このあたりの広い範囲にススキが生えています。秋には一面黄金色の美しい色合いになり、とてもキレイです。ススキの付近を通る際は葉っぱに気を付けないと手を切るのでみなさん注意してください。
<12タマムシ>
散策路を山側から東側に下ったケヤキの木の葉っぱのところにタマムシがいます。緑や赤い模様がとてもキレイで見つけると宝石を見つけたような気持になります。東京都区部では『絶滅危惧Ⅱ類』に指定されており、私も祖母が事前に見つけてきてくれて、初めて見ることができました。幼虫はクヌギやコナラ、ケヤキなどの木の内部で成長し、成虫は葉や花の上で活動します。
<13ホンドタヌキ>
夜遅い時間に車で祖母の家に行くと、ゴミ捨て場あたりからタヌキが現れます。夜行性の動物だそうで、普通はドングリやかきを食べるそうですが、ゴミ捨て場によくいるので、ゴミをあさって、ご飯を食べているのではないかと思います。通常は低い山や森、里山(民家の近く)に暮らす生きものだそうです。
<14シオカラトンボ>
散策路を下り、駐車場を曲がるところにガードレールや標識があります。そのそばの枯れ枝の上にとまっているシオカラトンボを見つけました。シオカラトンボは白い粉がついたような体で、全体的に青いです。また体の先端は黒っぽくなっています。トンボは2~3億年前の古代から生き残ってきた優秀な昆虫と聞いています。
<15ジョロウグモ>
散策路もいよいよ終盤戦です。祖母の家のそばに戻ってきました。団地前の低木のところにクモの巣が張ってあり、そこに黄色の模様をしたジョロウグモがいました。お腹に鮮やかな赤い模様があるのが特徴です。ジョロウグモの捕食方法は、まず噛みついて毒で弱らせ、さらに糸でぐるぐる巻きにするというとても残酷な方法です。
<16ニホンカナヘビ>
いよいよ最後です。おばあちゃん家の前のコンクリートの柵のところからニホンカナヘビが現れました。身体はつやのなく、長いしっぽが特徴です。逃げるのがとても速く捕まえづらいですが、後ろからそっと近づき、頭から胴体にかけて掴むようにして捕獲します。見た目はかわいく、とても臆病で大人しい生き物ですが、私は捕まえてかまれたことがあります。