僕の街の里山道 ~僕が観た宝ものの蝶~
𠮷村開
京都府
京田辺シュタイナー学校
中学校3年生
全体説明
僕の街の里山は京都府南部のとある市にあります。とても自然豊かな場所です。水田、畑、草地、雑木林等の様々な環境があります。様々な環境があるということは多種多様な生き物たちが暮らしています。
ここでは里山がどういう場所なのかを紹介したいと思います。
里山は戦前までは日本全国至る所にありました。燃料(木炭、薪)を採ったり、肥料や牛、馬などに食べさせる草などを刈り取ってくるなどしていました。しかし戦後、高度経済成長の時代に石油、トラクター、化学肥料などが次々に日本に入ってきました。燃料、肥料、牛馬が必要ではなくなり、里山環境は次々と荒れた環境へと変化していきました。
里山は現在では人間に必要ない環境となってしまいましたが、生物頼多様性を守っていくためには必要な環境なのです。
観察ポイントごとの説明
<1>は草刈りの頻度が少ないポイントです。水はけが悪いです。
カナムグラやアザミなどの蝶が寄ってくる植物がたくさん生えています。
草刈りの頻度が低いことにより、草が生い茂るため、影ができ、冬に北風が直接当たらないので越冬昆虫たちの絶好の越冬場所になるというわけです。
草刈りの頻度を少なくすることでも保たれる環境があるのだと実感しました。
<2>はユズが生えており様々なアゲハチョウ科の蝶が食草としています。
主にナミアゲハ、モンキアゲハ、ナガサキアゲハ等が利用しています。
ユズが生えている横の道はアゲハチョウ科のオスが蝶道(蝶のオスがメスを探したり、吸密するための花が豊富にある縄張りのような道)として利用しています。道の草や不要な木を、里山を管理する人達が管理することで保たれているのだなと思いました。
<3>はもともと水田だった場所なので、水はけが悪く常に地面がドロドロしている湿地環境です。梅雨明けなどは歩くのが大変です。
樹種はヤナギ類が大半を占めています。ヤナギからは樹液が出ており、樹液には様々な蝶、昆虫が集まります。
ヤナギの葉はコムラサキが食草としています。水田が無くなった後はまた新しい生態系がうまれることを知りました。
<4>は定期的に草刈りが行われている草地です。草地にはアザミ、ヒメジョオン等の蜜源植物が豊富に生えています。
定期的に草刈りがされることにより明るい場所を好む植物が生えるためその植物を食草とする蝶が多いです。
昔は肥料や牧草を刈り取るための草原、草地が各地にたくさんあったと考えられます。草地を好む蝶は近年激減しています。草地を定期的に刈り管理していく必要があります。
<5>は里山を管理して下さっている方々が作業するために車で走行したり歩いたりするために使う道です。
車等が通ることで道路が押し固められ、水はけが悪くなります。水はけが悪くなると水たまりができ、そこにキタキチョウやアカタテハ、ウラギンシジミ、コミスジ等のオスが吸水するために飛来します。農道も蝶にとっては大切な環境であり、里山は人間が利用することで成り立っているのだと実感しました。
<6>は一年中蝶が豊富に生息する環境ではないのですが、秋にフジバカマという様々なチョウが吸密しに飛来する花があるので紹介したいポイントとして挙げました。
ここの里山ではフジバカマの原種を育てており、10月頃には満開になります。
様々なチョウが吸密しに来ます。有名なのはアサギマダラです。他にもアゲハチョウ科、タテハチョウ科等が吸密しに飛来します。京都のフジバカマの原種はここにしかないです。
<7>は乾燥しています。しかし乾燥しているので大きな木や背の高い草が生えづらい環境ともいえます。風が直接あたる場所なので、植物は足首程度のものしか生えていません。
蜜源植物はタンポポなどの過酷な環境でも生育できる植物しか生えていません。蜜源植物が少ないとやはり蝶の個体数がとても少なく、乾燥が一番生息しづらい環境なのだと思いました。
<8>は<3>程の湿地帯ではありませんが、とてもジメジメしています。セリなどのジメジメしているが日当りの良い場所を好む草が生えています。
湿地は人間があまり使用しない環境の一つだと思うので、この様な環境も残していく必要があるのだと思いました。
<9>はクヌギとヤナギを数年前植樹しているポイントです。クヌギからは樹液が染み出しており、そこにはジャノメチョウの仲間やルリタテハ等が樹液を吸っています。
春はサトキマダラヒカゲ、初夏はクロヒカゲ、夏はヒカゲチョウが多いです。
戦前まではクヌギなどで木炭を作っていたのでそこら中にクヌギが生えていましたが、現在は少なくなっています。人間の進化は良い所もあれば悪い所もあると思いました。
<10>は里山を代表する黒蝶のオオムラサキの生息地です。
オオムラサキはエノキという植物を食樹としています。エノキはあまり人間とは深い関わりのある植物ではないのですが、とにかくそこら中に生えています。
ここからはオオムラサキと里山の繋がりと<10>を詳しく説明していきたいと思います。
オオムラサキの成虫はクヌギ等の樹液を食糧とします。人はクヌギを燃料として使っていました。オオムラサキは自由に飛翔でき明るい林を必要とします。人間は燃料のために木の太い枝を伐採し、下草を肥料とします。このようにオオムラサキと里山環境は切っても切れない関係なのです。
<10>はエノキが数本生えており下草や不要な枝は定期的に伐採されていてオオムラサキが生息できる環境が整っていますが、オオムラサキは減少しており、里山を管理する方の高齢化も進んでいるため若者の手が必要です。