北泉海浜公園自然観察路2025
平澤志桜里
福島県
福島大学附属中学校
中学校2年生
全体説明
私が自然観察路に選んだのは、昨年と同じ北泉海浜公園です。福島県の浜通り、南相馬市の東端に位置します。前回は東日本大震災の津波による影響を意識しながら観察をしていきました。今年は、昨年観察をして疑問に思ったことや新たな自然を見つけること。昨年との違いなどをテーマに観察をしました。
夏休みに入ってから、七月に二回、八月に二回公園を訪れました。そのうち三回は時間がなかったため、公園と海岸の下見をし、四回目にルートを決めてじっくりと自然観察をしました。昨年一番気になっていた川と海がつながる場所と、下見で気になった海岸が最後になるようにルートを考えました。
夏休み前半はまとまった時間が取れず、昨年より2週間遅れての自然観察になりました。時期がずれたことで、昨年とは違った自然を見つけることができました。また。自分の中でテーマを持って臨んだことで、内容の濃い、充実した自然観察になりました。
観察ポイントごとの説明
<1丘の広場にあるマツバギク>
スタートの駐車場から公園に入っていくと、遊具のある広場のところにマツバギクが咲いていました。細い花弁が鮮やかな紫色で、葉の部分はぷっくりと丸くかわいい形をしていました。たくさん咲いているさまはまるで花火のようでした。葉が松に、花が菊に似ていることから名づけられたとされていて、なるほどと思いました。周囲にもマツバギクがたくさん咲いていて、とても綺麗でした。
<2空を飛び交うトンボ達>
丘の広場付近でいろいろなトンボを見かけました。確認できたのは「オニヤンマ」「ギンヤンマ」「シオカラトンボ」「ウスバキトンボ」「ハグロトンボ」でした。他にも確認はできませんでしたが違うトンボもたくさんいました。時期がずれたせいか、昨年より多くのトンボが飛び交っていました。北泉海浜公園はトンボにとって住みやすい環境なのだと思いました。
<3道端のかわいい生きもの>
ルートを進んでいくと、歩道の山側、木陰になっているところに「ママコナ」が群生していました。ママコナの周りに鳥のように羽ばたき、蜂のようにホバリングする可愛い生き物を見つけました。調べてみると「ホウジャク(蜂雀)」という蛾の仲間でした。蛾は花の蜜を吸うのか疑問に思い調べてみると、蛾は基本的には吸わないが、花の蜜を吸う種類もいることが分かりました。
<4わんぱく城のかわいい花>
わんぱく城のまわりの脇道に、葉がクローバーでシロツメクサの形をした紫色の花がありました。調べてみると「ムラサキツメクサ」と分かり納得しました。江戸時代にはガラス製品の緩衝材として使われたので「詰め草」なのだそうです。牧草や家畜飼料として栽培されたり、薬用のハーブとして多用されたりしていることも分かりました。道端に咲く雑草と思っていましたが、役に立つ植物でした。
<5昨年より減ったヤマユリ>
昨年は公園じゅうに「ヤマユリ」が咲いていて、むせかえるような香りが印象的でしたが、今年は二週間遅れたので、数はだいぶ減っていました。木陰の涼しい所で数本見かけましたが、元気なヤマユリはやはり迫力がありました。同じく昨年は見られた「オニユリ」も下見の時は見かけましたが、今回は見られませんでした。ユリの花があるのとないのでは公園の華やかさが違うと思いました。
<6違う場所で見つけたユリ>
去年は公園の外の道路沿いに群生していた「タカサゴユリ」ですが、今年は公園内の丘の広場付近に群生して咲いていました。昨年同じところを通った時は無かったので、時期がずれたことで別なところで見られたのだと思います。公園内のあちこちに単体で咲いているものもありましたが、群生しているのは迫力がありました。ヤマユリに比べて小ぶりですが、森の緑に映えてきれいでした。
<7さまざまな蝶たち>
公園内にさまざまな蝶が飛び交っていました。確認できたのは「アゲハチョウ」「クロアゲハ」「アカボシゴマダラ」「キタキチョウ」「ヒメアカタテハ」「ジャノメチョウ」でした。昨年はいたモンシロチョウは見かけませんでした。調べるとモンシロチョウは暑さに弱いこと、二週間程で死んでしまうことが分かりました。7の場所に蝶が集まる木がありました。何の木か調べたいと思いました。
<8砂浜の植物たち>
昨年はハマヒルガオを見たくて自然観察を始めましたが、今年も残念ながら見つけることができませんでした。開花時期が5月下旬なので仕方ありません。葉は8の砂浜一面に広がっており、よく見ると種子がたくさん散らばっていました。ここから花になるのかと思うと、砂浜の植物たちの生命力は凄いと思いました。黄色のタンポポのような「ハマニガナ」は今年もかわいく咲いていました。
<9昨年の魚たちと海に続く川の疑問>
昨年はこの川でメダカや謎の稚魚を見つけました。祖母に飼育を頼んだ魚たちは無事に育ち、謎の稚魚は5cmほどになりました。ヒレの形や口先が赤いなどの特徴から川魚の「オイカワ」と判明しました。今年も謎の稚魚がいるかと期待して川を覗きました。
川と海がつながっていることから淡水なのか海水なのか去年から疑問だったので、今年は塩分測定器を使って調べました。地図のA地点では塩分が0.0%以下(測定不能)B地点でも0.0%以下、C地点では2.6%、D地点では3.3%でした。淡水と海水が混ざり合った水域を汽水域と言い、河川が海に流れ込む河口部がこれにあたると分かりました。汽水域の塩分の濃度は一般的に0.05%~3.0%の範囲なので、AとBは淡水か汽水。Cは汽水と考えました。汽水域に生息する生物は、塩分濃度の変化に耐性を持つものが多く、独特な生態系をしているとあり、益々興味がわいてきました。
<10川の生きものたち>
昨年、メダカを見つけた辺りで素早く動く魚影を見つけました。従兄弟と手分けして捕まえたところ「マハゼ」と「ボラ」の幼魚。「スジエビ」と「モクズガニ」の幼体を見つけました。これらはすべて汽水域に生息することが分かりました。昨年見つけたメダカや謎の稚魚は見つけることができませんでした。メダカやオイカワは淡水魚なので、昨年と水質が変わっているのではないかと思いました。
<11川岸の生きものたち>
川岸で大きなオタマジャクシを見つけました。体長5cm程で体表に点々の模様がありました。その場で画像検索をしたところ「ウシガエル」のオタマジャクシでした。さらに調べると、特定外来種で、無許可の飼育や譲渡、運搬、放流が禁じられていることが分かりました。危うく飼育するところでした。
川岸に白いチュウサギが羽を休めていました。他に鳥を見かけなかったので新鮮でした。
<12砂浜と岩場のカニ>
砂浜には今年もスナガニの穴がたくさんあり姿も確認できました。そして今回、下見で気になっていたのがテトラポッドの隙間から見えたやや大きなカニでした。この姿を確認したくて海を観察路のゴールにしました。干潮のタイミングで捕まえることができ、大きいもので幅10cm程、赤茶色の模様の岩場に生息する「イソガニ」でした。その姿を確認し、満足して自然観察を終えることができました。