ほたる舞う散歩道
小形綾音
福島県
福島大学附属中学校
中学校1年生
全体説明
水質日本一に選ばれ続ける荒川。その川の湧き水が流れる場所に「ホタルの森」は佇んでいます。初めてそこを訪れた時、私は蛍のあまりの美しさに心を奪われ、その後、何度も足を運んでいくうちに、光る長さが違う二種類の蛍がいることを発見。解説ボランティアのお話で、水質の良さのおかげで蛍が自然繁殖し続けていることを知りました。また、早朝に訪れてみると、荒川の本流には様々な魚がいました。頭上には餌を求める鳥たちが水面近くに上がってくる魚のタイミングを見計らっているという自然の流れを目の当たりにすることができました。
季節により、山地や林内の湿った場所では、準絶滅危惧種のコケイランや様々な植物も生えています。森は、人の手を一切加えることなく自然の力のみで生きています。多くの動植物が生息し、四季を楽しむことができるのです、昼と夜とで景色が変わり、見る人の心を癒してくれる秘密の場所です。
観察ポイントごとの説明
<1アオサギ>
一番初めに橋の上から見つけたのは、グレー色の鳥アオサギでした。青い鳥だと思っていたのに、実施は羽や頭の部分が黒、首が薄い灰色だったので驚きました。飛んでいる姿がとてもきれいで、印象的でした。一本の足でも自分を支えられることから、「自立のシンボル」や、「再生の象徴」と言われています。
<2>ゲンジボタル
ゲンジボタルは、光る時間4秒と長く、細長い形をした蛍です。卵のころから光り、サナギの間も光り続けます。オスは飛びながら光ることができ、メスは止まっている状態で光りながらオスが来るのを待っています。
ホタルは、一度に五百個の卵を産みますが、自然の世界は厳しいため、その中の数十分の一しか成虫になることができません。またゲンジボタルの幼虫はカワニナや、ミミズの死骸やオタマジャクシなどを捕食します。幼虫時には、五から六回の脱皮を繰り返し、約五十日から六十日かけて土の中でサナギになります。そして羽化し、成虫になっていきます。蛍は短命なため、成虫になると一週間から十日程しか生きることができません。この短い期間で、産卵し命をつなげていくのです。ホタルの世界の現実を知り、少し淋しさを感じました。
<3カワニナ>
カワニナは荒川の湧き水が流れている場所に多く生息していました。淡水生の巻貝の一種で細長く、手のひらよりも小さいかわいい貝でした。主に、石に付着している藻類などを食べ、大きく成長します。そのカワニナは、ゲンジボタルの幼虫の大切なエサとなります。
<4ヘイケボタル>
ヘイケボタルはゲンジボタルと違う光り方をしていることで、存在に気づきました。ゲンジボタルよりも体が小さい分光も弱く感じました。光っている時間は2秒くらいで、とても短く感じました。その様子は、ランタンが浮かび上がっているかのように見えました。
<5クレソン>
クレソンは、荒川の湧き水に沢山生息していました。スーパーでしか見たことがなかったので、自然の中で大量に繁殖しているのを見てとても驚きました。このクレソンは、カワニナのエサになっています。カワニナにとってはとても大切な存在だということもわかりました。
<6ウシガエル>
ウシガエルは、丈の長い草などがたくさん生えている茂みの中で「ウーウー」と低い声で鳴いていました。繁殖期にメスを引き寄せる為の声だそうですが、牛というより馬の鳴き声に聞えました。体長十五センチメートル位で、深い緑色や土に紛れるような茶色の斑点模様がありました。近くで見るととても迫力がありますが、私は少し苦手です。
<7ツキミソウ>
五十センチメートルほどあるピンク色の可愛らしい花はツキミソウでした。ツキミソウは外来種で、六から八月の夕暮れから咲き始め、翌朝にはしぼんでしまうことから海外(ヨーロッパを中心に)では「イブニング(夕暮れ)プリムローズ」と呼ばれるようになったそうです。
<8アユ>
アユは、七から八月に見られる体調十から三十センチメートル程の、清流の女王と呼ばれる魚です。濁った水では生きられないのですが、この荒川は水質日本一なだけあって、見ることができました。なわばりを作る習性と、石に付着した藻を食べる為の厚い唇とくし状の歯を持っています。年魚と言われ、秋になると産卵し、一生を閉じます。秋になると釣り人が増えるそうです。
<9オイカワ>
オイカワは、コイ科に分類される淡水魚の一種です。体長は十五センチメートルで、オスはメスよりも大きく、メスが繁殖期になると体の色を婚姻色という緑と朱色の虹色のようにきれいな色にするそうです。また「追星」という小さないぼ状の突起を出し、その姿がメスには魅力的に映り、ペアになるそうです。その姿を見ることが出来なかったのが残念です。
<10コケイラン>
コケイランは、真夏になる前に見ることができました。林や湿った場所に生息し、三十から四十センチメートル程に成長します。花は広く、紫の斑点がついているものあり、上品さを感じました。この植物を調べたところ、福島県には広く分布しているのですが、絶滅危惧Ⅱ類ということがわかりました。守るにはどうしたらいいのか、考えたいです。
<11サクラマス>
サクラマスは体長六十センチメートルで普段は銀色と黒色をしています。産卵期になると体色が黒ずみ、桜色のまだら模様が現れます。このことから「サクラマス」と名付けられたそうです。荒川で生まれたサクラマスは、一年くらい海で過ごし、また荒川に戻り産卵するそうですが、その繰り返しがずっと続いていることが素晴らしいと思いました。
<12チゴハヤブサ>
チゴハヤブサが獲物をねらっているところを見かけました。県内でも絶滅危惧Ⅰ類に指定されているそうなので運が良かったと思います。体長約三十センチメートル程度で、オスはメスより小さいです。あの小ささで、時にはタカと争うこともあると聞いたので、驚きました。
<13セイタカミゾホオズキ>
セイタカミゾホオズキは、きれいな黄色の花を咲かせていました。小川や沼などの水辺や湿地に生息するハエドクソウ科の植物で、三十~四十センチメートル程まで成長し、黄色の花は多くのハチなどの昆虫を引き寄せるそうです。大量の種子を作るため、よく広がります。秋の姿を見ることも楽しみです。
<14オニヤンマ>
グリーンの複眼と、はっきりした黄色と黒色の縞模様、すぐにオニヤンマだとわかりました。日本最大のトンボで、幼虫から成虫になるまで二から三年かかります。きれいな水辺に生息し、ハエやアブなど飛んでいる虫を空中で捕食し、アゴの力が強く、人間の手も傷つけることがあるそうなので、気を付けなければなりません。
<15ウマオイ>
懐中電灯を照らした先に、全身緑色の虫、馬追がいました。体長三センチメートルほどで鳴き声が「スイッチョン」。この鳴き声が、馬方(馬に荷物を引かせて運ぶ職業の人)が馬を追うときの掛け声「シー、チョン」に似ていることからきているそうです。おもしろいな、と思いました。
<16ウラルフクロウ>
ウラルフクロウの姿ははっきり見ることはできませんでしたが、鳴き声を確認できました。色は淡色型と暗色型が存在し、南に行くほど暗くなる傾向があるそうです。夜行性で、獲物を待ち伏せし、音もなく飛び掛かることから「夜の忍者」と言われているそうです。