トビと巡る 放課後野鳥観察路
廣瀬圭吾
群馬県
伊勢崎市立境西中学校
中学校2年生
全体説明
僕は、観察路を選ぶとき、迷わずにこの道にしました。この1.5㎞の道では、空、山、川、町の四つの環境が観察できます。僕は普段、放課後にカメラを持ってこの道を散歩します。すると、小さな季節の変わり目や、必死に生活をしている野鳥たちが目に入ります。いつもの道から外れてみても、新たな発見があります。観察路のなかにはもっと珍しい野鳥もいますが、たくさんの人に魅力を知ってほしいという思いで、気にしなければ見つからないけれど意識してみると意外と身近にいる、面白味がある野鳥を選びました。ほかにも、野鳥だけでなく、ゲンジボタルやカブトムシやシカなどがみられることもあります。そんな自然豊かな僕の地域にも自然を壊す外来生物がいます。特に最近は桜の木でクビアカツヤカミキリを見る機会が多くなったと感じ、残念です。そこで自分で市に報告し、できることをやりました。自分も地域の一員として自然を守れるようにしたいです。
観察ポイントごとの説明
<1トビ>
季節、時間を問わず空を見上げると、トビが飛んでいることが多いです。よく食べ物を奪う害鳥として悪いイメージを持つ方がいます。しかし、ほとんど羽ばたかずに大空を飛んでいる姿はきれいで、顔は拡大してみるととてもかわいいです。特別感はあまりない身近な鳥ですが、近づいてきてくれたりするととても嬉しいです。ポスターには高い高度から景色を見下ろしているという目線で描きました。
<2メジロ、シジュウカラ、エナガ>
僕の観察路では冬によくこの三種が一緒にいます。それを混群といいます。そして驚くべきことに、小鳥たちがコミュニケーションをとっています。ポスターの中にヂヂヂヂは集まれという意味で仲間たちがどんどん集まってきている様子を書きました。ほかにもたくさんの言葉があり、巧みに使いこなして生活しています。僕にとって面白い出来事は、自分からオオタカの巣に近づき、タカがいるという意味のヒヒヒと言っていたことです。
<3イカル>
僕の地域では、ウグイスが鳴き始めるころにイカルの鳴き声を聞くことができます。そして、一番の特徴は春のさえずりが美しいことです。僕にとっては野鳥の中で、最も好きな鳴き声です。その声はカタカナでは表せられない笛のような音で、よく響きます。日本の野鳥の鳴き声といえばホトトギスやウグイスの印象が強いですが、実際に目を閉じてイカルの鳴き声を聴いてみると森の中にいるような気分を味わうことができます。
<4オオタカ>
僕がオオタカの存在を知ったのは、いつも野鳥観察中に会うおじさんからでした。ここにオオタカの巣があるよと教えてもらってから、毎日のように定点観察をしました。バードウォッチャーの方々からマナーを教わり、離れたところから観察をしました。最初は巣の中にいた三羽の白いもこもこのヒナが換羽期をむかえ、初めて飛んだ時は感動しました。そして、やっと飛べるようになったヒナが、一羽で大人のトビを追い払ったときは驚きました。巣立った後に巣の下の葉をどけてみると、エサとなった鳥の翼の骨や背骨が落ちていました。実は、このポスターの絵は僕が今まで撮った写真の中でもかなり良いものを参考にしました。餌を捕まえに行く親鳥とそれを見送るヒナから物語性を感じることができます。ヒナが独立してこの地域に戻ってこなくなると、やはり寂しいです。しかし、オオタカは準絶滅危惧種なので、親元を離れても元気に長生きしてほしいです。
<5モズ>
小さな猛禽類と言われるモズは、とにかく生態が面白いです。一つ目は、まだ解明されていませんが、なぜか尾をくるくる回します。二つ目は、はやにえといい、トカゲやカエルなどをとがった枝に刺して放置します。これは、貯食や求愛のためといわれています。この絵の写真はつがいで一緒にいる時に撮ったもので、ハサミムシをくわえています。一年中いるので、季節によって背景が代ることで、それぞれに美しさがあります。
<6カワセミ>
初めて見たときはまさかいつもの道にいるとは思いませんでした。散歩中に羽を見つけて、羽標本として保管するのも楽しみの一つなのですが、いつかカワセミの宝石のような青い羽を手に入れたいです。飛んでいて躍動感のある姿は言うまでもなく、静かに水面を見つめている姿も美しいです。僕がいつも見るカワセミには、お気に入りの場所があります。それは川の真ん中にあり、流れの落ち着いた水面がよく見えるコンクリートの上です。
<7コゲラ>
コゲラのかぎかっこの中には、鳴き声ではなく、木をたたくドラミングの音を入れました。ドラミングは木によって音の高さや響きが変化します。最初の頃はキツツキなんているはずがないと思っていましたが、意識すると見つかりました。そして、混群のメンバーとしていることもあります。さらに、足の形が前後で二対二の対趾足になっています。これは、垂直に木を登るためです。また、山にはごくまれにアカゲラもいます。
<8アオサギ>
ダイサギと一緒に日本最大級のサギとして有名で、広瀬川にはどちらもいます。それぞれ濃い白や深い青、歩き方や飛び方に上品さもあります。色や動きだけでなく、足から同心円状に広がる水面の模様も美しいです。地上ではゆっくりしていますが、かなり高くまで飛んでいくことができます。もしいたら、一目で見つけることができ、観察をしていると魚を捕まえるところを見ることができます。野鳥の中でも観察しやすくて面白いです。
<9キジ>
春になると「ケーンケーン」と大きな翼を広げて鳴きます。桃太郎と鬼退治をした仲間の一員ということが有名で、日本の国鳥にも選ばれています。小さいころからおじいちゃんが剥製を持っていて、鳴き声を教えてくれたので僕にとってはなじみが深い鳥です。見た目はとても派手ですが、普通に道を歩いていても、日本の風景になじんでいる感じがして違和感がありません。また、いつかキジの尾羽を拾って羽標本にしたいです。
<10オオヨシキリ>
大きな声で鳴いているので気づきやすいです。名前の由来は、ヨシの茎を切って中の虫を食べることです。僕の家の周りでもよくヨシにつかまっています。そしてジャンプしながらヨシの頂点を目指します。この鳥の鳴き声が夜中の十時に聞こえてきたときは驚きました。人間なら倒れてしまいそうなほど一生懸命に鳴いています。しかしカッコウに托卵されてしまうこともあります。色は地味ですが、健気な姿は可愛らしいです。
<11カワウ>
広瀬川の中州にはカワウの巣があります。しかし、土手から離れた木の中にあるのでよく見えません。そしてカワウには面白い特徴があります。まず、水陸空を自在に移動できることです。また、ほかの水鳥は撥水のために尾脂腺の油を羽に塗りますが、カワウは潜水のために塗らず、代わりに翼を広げて乾かします。日当たりのいいところで翼を広げている姿は気持ちよさそうです。そして、光沢のある黒い羽を自慢しているようです。
<12カワラヒワ>
この鳥は野鳥に興味を持つようになってから、すぐに覚えた鳥です。僕の地域では、山にも川にも電線にもいます。そして鳴き声も特徴的です。しかも翼を広げたときの風切羽の黄色が鮮やかです。背景が青空だとさらに美しく見えます。ちなみに、前に御嶽山でカワラヒワの巣が落ちていたことがありました。時期的には巣立った後だったので、保管しています。僕が拾った巣の材料は、枯草や犬の毛だけでなくビニールも使われていました。
<13オナガ>
僕が野鳥の中で一番好きな鳥はオナガです。最初の頃は登下校中や図書館で見ることはありましたがカメラを持っているときは会えませんでした。しかし、群れでいるので鳴き声が聞こえるとすぐに分かります。推しポイントは青い鳥の中でもオナガは落ち着いた色相で派手すぎない所です。そして二つ目は着地するときです。飛んでいる状態から電線に止まると、翼と青く長い尾を広げます。街中にもいる鳥ですがとても神秘的です。
<14ジョウビタキ>
この鳥は僕の地域では冬季限定です。ふつうはツグミと一緒の時期に北へ渡ります。しかし、夏休みに標高の高い地域へ旅行に行ったときに会いました。かなり驚きましたが、調べてみると最近は国内で繁殖しているそうです。ジョウビタキのオスは鮮やかできれいですが、メスも目がくりくりとしていてかわいいです。そして、開けた場所にいることが多いので、見つけやすいです。さらに、人に慣れていることが多いです。