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受賞作品一覧
優秀賞
第41回 中学生の部

富士森公園観察マップ~2024~

長谷川優月

東京都
明治大学付属八王子中学校
中学校2年生

全体説明

JR八王子駅から市バスで約10分、ゆるやかな坂を登って辿り着く地は、自然豊かな富士森公園です。富士森公園は八王子市の最古の代表的な公園で、野球場や陸上競技場と屋外テニスコート、子ども広場などがあり、市民体育館も隣接しています。また、春は満開の桜、夏は花火大会、秋はモミジの紅葉やイチョウの黄葉、冬は雪景色と、春夏秋冬いつでも、老若男女だれでも楽しめる。八王子市民の憩いの場です。しかし最近の夏は異常なほどに暑く、私自身も外に出たくないと感じることが多いですが、富士森公園は日陰が多く風通しも良く整備されているため、涼しくとても散歩のしやすい公園となっています。全体的に明るいので行くだけで気分が晴れ、気分転換にちょうどよく誰でも気軽に訪れることができます。そんな自然&イベント豊かな富士森公園を16個のポイントに分けてご紹介していきます。

観察ポイントごとの説明

<1ミツバチ>

入口から歩き始めたときに、ハチが空中を飛んでおり、よく見たら大きさ約1.5cmのミツバチでした。富士森公園は花が多いため、その分ミツバチも多いのかもしれません。ハチは怖い印象が強いですが、ミツバチは刺激をしなければ刺すことは滅多にないため、近くで観察できてよかったです。ミツバチは暑さに弱いそうなので、人間同様に気をつけてほしいなと思いました。

<2アジサイ>

アジサイには赤、青、紫などきれいな色がありますが、私が見つけたアジサイはピンク色でした。そこで、私はアジサイの色はどのように決まるのか疑問に思い調べてみたところ、アジサイに含まれるアントシアニンという成分と土壌に含まれるアルミニウムという成分の化学反応によって決まると出てきました。また、アルカリ性だと赤、中性だと紫、酸性だと青になるみたいです。私が見た富士森公園のアジサイはピンク色だったため、生えていた周辺の土壌はアルカリ性に近いことがわかるので、アジサイの色によってその土地(土壌)が何性かどうかわかるのはとても興味深かったです。試しに実験をしてみたくなりました。また、なぜ富士森公園の土壌がアルカリ性なのかも気になりました。

<3松ぼっくり>

アカマツがあったので、もしかしたらと思い地面を見たら、やっぱり松ぼっくりがありました。マツにはもう一つの種類、「クロマツ」がありますが、アカマツとクロマツで松ぼっくりに違いがあるか疑問に思い調べてみました。すると、明確な差はなく、強いて言えばクロマツの方がやや大きいそうです。気温だけでは真夏ですが、このようなちょっとしたところで秋のはじまりを感じられました。

<4ラベンダー>

一株だけ日陰にラベンダーが咲いていました。しかし、ラベンダーは7月が見頃で、遅咲き品種でも8月上旬なので、私が見つけた時は8月下旬だったのでかなりの遅咲きでした。ラベンダーはハーブとして有名ですが、根は成長阻害物質を出すといわれており、ほかの植物との混植には向かないそうです。とても良い匂いだから植えたくなりますが、植える際には気を付けなければならないです。

<5ヒヨドリ>

「ヒヨ、ピーヨ」と大きな声で鳴き続ける鳥は、ヒヨドリです。彼らは世界中のどにでもいると思われがちですが、実は日本や朝鮮半島にしか生息していません。そして、ヒヨドリはツバメと同じように自力で巣を作ることから、招福の縁起物として言い伝えられているそうです。また自宅に巣を作られることも縁起が良いとされているそうで、とても驚きました。

<6シラカシの実>

どんぐりの木として知られているシラカシ。そのシラカシを、富士森公園で発見しました。しかし、まだ実は青かったのでまだ成長途中だったみたいでした。シラカシは耐寒性が高く、日陰でも成長できる丈夫な植物であるとはじめて知りました。富士森公園は日陰が多いので、だからシラカシがいるのだなと感じました。

<7アブラゼミ>

公園に入った瞬間から何種類ものセミの鳴き声が飛び交っていて、どれが何か理解するのに時間がかかってしまうほどでしたが、とても楽しかったです。アブラゼミは「ジリジリジリ」という油を炒めるときの音に似ている鳴き声が特徴的なセミです。日本では普通に見られますが、世界では珍しいセミで、地球上のセミの中でハネが不透明なセミはアブラゼミを含めごくわずかしかいないそうです。

<8ケヤキ>

富士森公園には浅間神社という立派な神社があります。その神社の通りを抜けると、目の前に現れたのはケヤキ。ケヤキはニレ科ケヤキ属の植物で、背の高い木で立ち姿が非常に美しい木です。新緑もとてもきれいでした。これからの季節は秋なので、紅葉が楽しみです。葉の形が少し尖っているのが特徴的でした。

<9プラタナス>

小学生の頃、国語でプラタナスの木が題材となっている物語文を学習したことがあったので、実際にプラタナスの木を見たら、思わず「おーっ!!」と言ってしまうくらい、大きくきれいでした。葉の形状はモミジの葉に似ていて、プラタナスの日本名はモミジバスズカケノキというそうです。ほとんどが水辺や湿地で見られ、寿命はなんと250年以上なんだとか。

<10シオカラトンボ>

富士森公園には花壇があり、そこにはたくさんの種類の色鮮やかな花が植えられています。そこには虫や鳥がたくさん集まっていました。そんな中、目に入ったのはのびのびと元気良く飛び回っているシオカラトンボです。シオカラトンボの白色の姿のときの白色はワックスの粉で、紫外線を反射することができるそうです。シオカラトンボ以外のトンボにもあるのか、興味がわきました。

<11モンキチョウ>

シオカラトンボと同じく花壇にいたモンキチョウ。黄色の羽でふわふわと飛んでいく様は、とてもかわいらいしいです。しかし、モンキチョウは黄色のイメージが強いですが、モンシロチョウのような白いものもいるようで、白いものはメスだそうです。また、羽の外側まで黄色いものと、外側のみ黄色いチョウがいるそうです。

<12シュウメイギク>

花壇を抜けた先に、ピンク色の鮮やかな花が生えており、見たことがなかったため調べると、シュウメイギクという花でした。名前に「キク」が入っているのでキクの仲間なのかと思っていたら、実はアネモネの仲間でした。シュウメイギクの名前の由来は、秋に菊に似た花を咲かし、その場が明るく見えることから「秋明菊」と名付けられたそうです。春らしい花ですが、秋の花でした。

<13シロタエギク>

こちらも名前に「キク」と入っていますが、まさかこれもキクではないのかと思って調べたら正真正銘のキク科の植物でした。シロタエギクは初夏に黄色く小さな花を咲かせますが、あまり目立たず、花よりも白く美しい葉を主に鑑賞するそうです。シルバーリーフの代表といっていいほど、有名な植物で、見た目通り秋から冬にかけて出回り、寒さや過湿に強いです。

<14スズメ>

スズメは全長14~15cmと、他の鳥に比べて小さな日本の代表的な野鳥の一つです。私は出来る限り近くで観察をしたくて、ゆっくり近づいただけですぐに飛んでいってしまいました。スズメは鳥の中でも非常に警戒心が強く、ヒトに近づくことはほとんどありません。逆にヒトが近づいてもすぐに逃げてしまいます。カラスや猫などの外敵が多いため、このように警戒心がとても強いです。

<15クマゼミ>

「シャクシャク」と大きな声で鳴くセミは、クマゼミです。関西ではとてもメジャーなセミで、温暖な気候を好みます。また、午後よりも午前に活発に活動します。富士森公園ではクマゼミが一番多い印象で、なぜかと思ったらクマゼミがサクラやケヤキに生息するそうで、公園にはたくさんのサクラやケヤキの木があるのでたくさんいる理由がわかり、調べるのが楽しかったです。

<16ミンミンゼミ>

最後にご紹介するのは、夏の代表的な虫、ミンミンゼミです。「ミーンミンミンミンミー」という鳴き声が特徴で、また黒色に水色や緑色の斑紋があり、比較的鮮やかな体色をしているのも特徴です。ミンミンゼミはクマゼミとは違い、一番気温の高い昼頃に鳴きます。ミンミンゼミやクマゼミ、アブラゼミ以外にも何種類かセミがいたと思うので、来年はセミを探しに富士森公園を訪れたいと思います。

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