群馬県立公園群馬の森観察路
小倉あおば
群馬県
群馬県立中央中等教育学校
中学校3年生
全体説明
私は「群馬県立公園群馬の森」へ観察に行きました。車に乗れば、家からすぐに行ける距離にあるため、昔はよく家族で遊びに行きました。しかし、最近は行く機会が少なくなり、改めて群馬の森を散策して楽しみたいと思いました。
群馬の森は早朝から、サイクリングやウォーキングをしている人、遊具や虫取りを楽しんでいる親子などが見られ、多くの人々の憩いの場となっています。また、園内には県立博物館、美術館があり、多くの教養を得ることができる場です。かつて、陸軍の火薬製造所であった施設も柵をはさんで確認でき、遠くから歴史を感じることができます。
今回、群馬の森のシンボルとして親しまれている、国内最大の馬の彫刻「巨(おお)きな馬」からスタートして、夏の群馬の森の自然を紹介していきたいと思います。
観察ポイントごとの説明
<1 ハクセキレイ>
「Wagtail」英語で尾を振るという意味です。「White Wagtail」でハクセキレイと呼ばれています。セキレイ科の鳥には腰と尾をよく振るという特徴があるからです。ハクセキレイが歩いているところを見たことはありますか? 長い尾を振りながら、地面を歩く姿はとても可愛らしいです。他の小鳥はピョンピョンと歩くのに対し、ハクセキレイはトコトコと歩きます。木の実は食べず、地上採集をします。虫の少ない秋冬でも、ハクセキレイは地面をトコトコと歩いて、虫を食べます。公園で見かけるのはいつも地上で、飛んでいる姿をあまり見ませんでした。他の鳥たちと違うことに違和感を覚えながらも、たまたまであると深く考えていなかったことなので、理由があることにとても驚きました。虫を見つけることの少ない秋冬でも、ハクセキレイが歩く姿によって、今も虫がいるのだと気づかされることが、とても魅力的だと感じます。
<2 ハグロトンボ>
このトンボは都会などではあまり見れないトンボのようです。私の住む町には自然が多くあり、小さい頃から見たことがあったため、驚きました。「神様トンボ」などとも呼ばれ、昔から大切にされています。飛ぶ様子は素早くなく、蝶のようにひらひらと羽ばたく様子も神秘的に感じました。
<3 サンビタリア>
ヒマワリのようにも見える、黄色くて可愛いサンビタリアですが、花の大きさは小さく、1.5~3cmほどです。名前は、とある学者が由来となっているそうですが、サンビタリアの「サン」がまるで太陽を表しているようなきれいな花に見えました。
<4 フジ>
一般的に、4月下旬から5月上旬にかけて咲く藤の花。稀に初夏に咲くフジも見られるようですが、観察時は8月だったため、全体が青々しい葉で生い茂っていました。フジはマメ科の花のため、藤棚から垂れ下がるフジの実も長いサヤインゲンのようにできています。食べるとソラマメのようで美味しいそうです。
<5 ミンミンゼミ>
今年も早い時期から暑かった影響か、セミの鳴き声が夏前から聞こえ始めていました。毎日のように聞こえる大きな鳴き声は、時に耳を塞ぎたくなるほどですが、それと同時にセミたちの短くても強い生命力を感じることができます。ちなみに、羽根の裏側がヤスリ状になっており、下とこすり合わせることで音を鳴らしているそうです。
<5 タケ>
「修景池」の奥の方で見ることができました。タケ類はピーク時1日で1メートル以上成長します。また、立ち入りのできない柵の奥から、柵の手前まで生えてくるほど成長力が旺盛なのかと改めて知った気がします。
<6 カブトムシ>
カブトムシの雄には角があり、雌には角がありません。よく私の知っているカブトムシは角のあるカブソムシなので、雌の姿には少し驚きました。
<7 ニホントカゲ>
しましま模様をしています。尾の青いトカゲは幼体であり、とても美しいです。
<8 ツバメ>
暑くなってくると、春に見ていたツバメの姿をあまり見なくなります。しかし、夏はまだ日本におり、昼は餌を探すために田んぼや川の近くに、夜は寝るために川や湖の近くの草原にいます。
<9 サルスベリ>
またの名を「百日紅(ヒャクジツコウ)」と言います。約100日間、ピンク色の花を咲かせることが由来だそうです。鮮やかなピンク色は周りを明るくしていました。
<10 モミジ>
秋になると紅葉し、赤や黄色に色を変えますが、まだ鮮やかな黄緑色でした。カエデとの違いは、葉の切れ込みの数や深さらしく、一般的には切込みが深い方がモミジ、浅い方をカエデと呼んでいるそうです。しかし、植物分類上は同じです。
<11 コイ>
コイは比較的流れが緩やかな川、池などで多く見られます。そのため、普段は「粕川親水ゾーン」で見ることのできるコイも、大雨などの影響で姿を一時期消してしまうこともあります。コイを探すのも毎回の楽しみです。