応募期間

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受賞作品一覧
優秀賞
第30回 中学生の部

自然観察 てくてくさんぽ 龍野編

緒方絢菜

兵庫県
賢明女学院中学校
中学校1年生

全体説明

てくてくとひっそりと静かな夕方、犬と散歩する路があります。私の住む龍野は兵庫県南西部に位置する自然豊かなたつのです。市城の中央を南北に揖保川が流れて、四季を通して自然に親しめる道をご紹介します。秋はもみじ谷の紅葉を中心に。冬は、枯れ葉が風に吹かれてカサカサと冬のおとずれを感じ。道沿いに植えられている桜の木。そして夏の夕方から夜へとの時、昼間の暑さが嘘のように涼しくて、蝉の鳴き声を聞きながら涼しい風と一緒にてくてくと散歩します。所々でさくらの木の再生中という看板を目にしながらさくらの木の根元を足でふまない様に気を付けて原生林に包まれた山すそを歴史も感じながら歩いていたあの時! もみじ谷入口左手に十数頭のシカの群れと遭遇。目と目が合い思わず息をのみ、たつのの谷のナウシカかと。三年間で一度体験した出来事です。今日もまたどんな出来事が起こるかと散歩しています。

観察ポイントごとの説明

ポイント1

龍野公園の駐車場に車を停車して歩き出すと、さくら並木道の横に龍野動物園という小動物園があります。犬と一緒には入れませんが、サルなどの動物がいます。そこにツキノワグマが牙を見せつけ立ち上がり威嚇してきます。思わず後退りし、胸部の三日月形に迫力を感じます。こんな小さな動物園に二重の柵でしっかりと包囲され、訪れる人に立ち上がり無言の迫力は、入口付近のさるや鳥と比べて生き物の力強さを感じます。

 

ポイント2

三木露風の赤とんぼ歌碑を過ぎ三木露風の後一面にヤブツバキ(藪椿)があります。ヤブツバキとも呼ばれたくさんのツバキの園芸品種のもとになり、種から椿油を取り、また種の中をくりぬき笛を作って遊べます。アーチ状になった石垣の上に一面の花が咲く季節もきれいですが、夏の艶やかなヤブツバキの葉の色を見るのもすてきです。左から濃い、薄い、濃い、薄い葉のグラデーションが、同じ緑色でも自然を感じられます。

 

 

ポイント3

さくら並木がつづきます。左手にはさくらの木再生中で、まだ小さなさくらの木が親のネットに囲まれてすくすくと育っています。左手は急傾斜地に木々が根をはり、山の土を守っている様です。春の桜の咲く季節には夕方から夜はライトアップされている中をてくてくさんぽすると楽しくなります。夏の季節は昼間とても暑くても、夕方から夜にかけてはとても涼しい風が吹いて、さくら並木の木々がゆれて自然のメロディーです。

 

ポイント4

ムクロジの巨木が龍野神社の手前にあり郷土記念物で県内有数の巨木です。神社やお寺の庭などでよく見られ、黄緑色の小さい花なのに種子は大きく、はねつきの羽子球です。根の方には緑色のコケが生えてあり、その巨木さから永年人々の暮らしを見守っているのだと感じられる龍野公園のムクロジです。平成九年三月二十八日に指定されています。下から上を見上げると、大きく手を広げた様な技には青々とした葉が広がります。

 

ポイント5

聚遠亭の池のコイは、江戸末期の建築物で、池の上に張り出した風情豊かな浮堂の茶室の池に、ゆったりと泳ぐコイです。池の水の色は茶色く透きとおってはいませんでしたので、突然足元にコイが現れてビックリ!! 秋の季節には茶室の横のもみじの木々が黄色や赤や、朱色といろいろな色に紅葉のコントラストがきれいな中、悠々と訪れる人を見ているコイは書院造りをした茶室をゆうゆうと泳いで見守っているかの様に思います。

 

ポイント6

聚遠亭入口にひらりと舞うミヤマカラスアゲハを発見。人気が少ないからか、長い時間私たちの周りをひらひらと舞っているかの様に飛んでいました。巨木に包まれたひんやりした場所に、ひらりと黒にエメラルドグリーンが鮮やかで白いラインのミヤマカラスアゲハでした。あの素晴しい光沢の色は、春から七月中まで数回見られました。青が強かったり、エメラルドグリーンの様だったりと、黒蝶が動く宝石でじっと見ていました。

 

ポイント7

たつのの谷のナウシカに遭遇したのかと思わず息をのんだ事があるもみじ谷入口手前の小さな場所。一頭、大きな立派な角を持つシカは十数頭のボスの様にじろっとこちらを見ていました。お互いに目と目が合ってしばらく沈黙。後で、同じ様に散歩されていた方と母が話をして、ここはよく夜シカが出ますよと言われていました。普通のシカなら特に思わないのですが、あの時はたつのの谷のナウシカだ!!と、驚きの一瞬でした。

 

ポイント8

もみじ谷は春は新緑、秋は紅葉が黄色や赤、朱色になりここから坂をのぼると両見板、そして近畿自然歩道があり、ハイキングに適しています。もみじ谷入口から見上げると空に上がっていくかのように山道が上へ上へとつづいています。紅葉の葉が大きなアーケードをつくっている様で、夏でもとても涼しいのです。私は特に入口から上を見上げるのがオススメで、自然の中に溶け込んでいく様に親しめ、四季を通して楽しめます。

 

ポイント9

龍野城は鶏籠山山頂の山城と現在の地の平山城とあり、原生林に包まれた鶏籠山を中心に大自然の中に木々の中鳥たちのさえずりが山の中に響いています。チュウチュウチュやピィピィピィと、山の中でオーケストラを演奏している様です。濃いふかみどりと、目のまわりが白く、小さな小鳥のメジロがいました。とても鳴き声がきれいで、静かな山の中に響きわたり、四季を通して楽しめます。十文字川には白鷲も飛んできます。

 

ポイント10

キョウチクトウの木。真夏にうすピンクの花が一面に咲いていました。枝から出る白いしるは毒なので目や傷につけない様に。石の階段横に一面うすピンクの花束の様に咲いていて、下にも花が落ちて白い湖の様です。暑い真夏にうすピンクのキョウチクトウの木が一本、真夏を知らせてくれていました。たくさんの犬の散歩の方とすれ違いますが…犬のふんは落ちていませんのでしっかりマナーを守って自然を大切にしたいです。

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