母との思い出の道
大角 未央
兵庫県
賢明女子学院中学校
中学校1年生
全体説明
私に自然のすばらしさ、大切さを教えてくれたのは母でした。
私が幼いころ、母は近くに住む祖父母の家によく連れて行ってくれました。その時、母は私に様々な生き物を教えてくれました。ソーセージのようなガマの穂をはじめ、ネコが喜ぶエノコログサ、セミ、メダカ、ツバメ、など当時の私にとっては驚きの連続でした。母に聞くと、私の二人の姉が幼かった時も同じように歩いたそうです。
中学生になった今でも、私はその道を歩くことがあります。あらためて見ると、特別めずらしい生き物はいません。でも、その道での幼いころの体験が、私と二人の姉を生き物好きにさせてくれたのだと思っています。
それでは、そんな母との思い出の道、そして、いつかは私が自分の子どもに見せてあげたい道について紹介します。
観察ポイントごとの説明
①ガマ
ガマの穂については、「いなばの白うさぎ」の話で知っていました。幼い頃からソーセージの大好きな私は、ガマの穂が好きです。池のような場所に生えているので取りには行けませんでした。でも、穂の部分が種子になることを知って、とても驚きました。
②エノコログサ
ここに生えているエノコログサは、他の場所に比べて穂の部分がとても大きいのが特徴です。私が飼っている猫は、ここのエノコログサが大好きで、他の場所で採ってきたものより勢いよく飛びつきます。だから私は、飼っている猫のためにこの場所までエノコログサを取りに行っています。でも、穂が飛び散ってしまうので、後の掃除が大変です。
③メグスリノキ
この木は、黒田官兵衛がドラマに取り上げられたもので、私が幼い頃にはありませんでした。薬として使われていたことよりも、三枚の葉がひと組になっているところが、私と同じ三姉妹のようなので気に入っています。御着城跡を中心に、御着の町がとても多くの観光客であふれていた様子と合わせて、私が加えた観察ポイントとして伝えていきたいです。
④シラサギ
姫路に住んでいる私達にとって、姫路城と同じくらい有名です、幼い頃は動物園で見たツルとの区別ができず、シラサギを見て「ツルだ!」と言っていたそうです。くちばしが黄色い時もありますが、私は、姫路城のイメージに近い黒いくちばしの方が好きです。
⑤アブラゼミ
壇上山古墳は、母が幼い頃にも遊んでいた場所です。昔はカブトムシもいたと言っていましたが、私はみつけたことがありません。また、父は、仕事帰りにこの場所でセミのからだが出てくる時ととてもドキドキしたことを覚えています。
⑥メダカ
小学校で、メダカの一生について勉強した時、この場所にメダカを見に行った時のことを思い出しました。その頃は、メダカのオスとメスひれの形が違うことは知りませんでした。卵からメダカがかえっていく様子の映像を見た時には、「生き物ってすごい!」と感動しました。今でもこの用水路でメダカを見ることがありますが、同じメダカなのに、あの頃とは何か違って見える気がします。
⑦スクミリンゴガイ
私はずっと、タニシだと思っていました。というのは、父も母もタニシだと言っていたからです。だから、あらためてこの場所で、ピンク色の卵を産んでいるこの生き物の名前を調べて、タニシではないと知った時には驚きました。でも、幼い時、タニシよりよっぽど目立つピンク色の卵を見た記憶は、なぜか残っていません。
⑧ツバメ
播但連絡道路の高架の裏側には、ツバメの巣がたくさんあります。私が生まれた頃は、私の家の玄関にもツバメの巣がありましたが、カラスにおそわれて以来、ツバメが来てくれません。だから、ツバメの赤ちゃんをいつでも見ることができるこの場所は、とても貴重です。
⑨毎年、田んぼに水が入る頃になると、今でもこの川にホタルを見に行きます。父は、いつもホタルを素手で捕まえて私の手に乗せてくれます。私は、母と一緒に黄緑色に光るホタルの光を見つめました。逃がしてあげる時、「また来年も見に来るからね」と言うと、光で返事をしながら飛んで行きました。
⑩ヒガンバナ
田んぼのあぜ道で、赤くきれいなヒガンバナの花を見ると、神戸に住んでいる祖父を思い出します。祖父は、秋分の日が誕生日なので、母は「そろそろおじいちゃんの誕生日だから、会いに行かないけないね」と言っていました。祖父の家に行くと、庭には赤いヒガンバナだけでなく白いヒガンバナが咲いています。私の家の近くで白いヒガンバナを見たことがないので別の植物のように思えました。