生き物と歴史の散歩道
生駒 拓人
兵庫県
淳心学院中学校
中学校2年生
全体説明
僕は、兵庫県の加古川市という所に住んでいます。加古川市には、緑が豊かで地域の人々の憩いの場、日岡山公園があります。
僕は、日岡山の近くの幼稚園に通っていたので、毎日散歩に出かけ、セミ採りやザリガニ釣り、そして落ち葉集めにどんぐり拾いなど、自然や生き物とふれあった思い出いっぱいの場所です。
また日岡山には、日岡御陵という大きな前方後円墳を中心とした日岡山古墳群があり、古代から人々が大切にしてきた場所でもあります。
観察ポイントごとの説明
僕の自然観察路は、日岡御陵を示す宮内庁の立て札前からスタートします。
①日岡御陵
日岡御陵は、第12代景行天皇の皇后、播磨稲日大郎姫命の墓とされ、宮内庁によって管理されています。御陵の門までの道は整備されていて登りやすく、眺めも良く、秋にはハギの花が見られます。
②桜並木
この辺りは、春になると約1500本もの桜が咲き、多くの花見客でにぎわいます。僕も幼稚園の頃は、何度も桜の下でお弁当を食べました。毛虫の季節はおすすめできませんが、秋の紅葉した桜並木もすばらしいと思います。
③茂みからの鳴き声
さらに進んで行くと、雑木林が広がっています。春先から初夏にかけてはウグイスの美しい鳴き声が聞こえ、時には「ケーン」というかん高いキジの声がひびきわたります。僕は、幼稚園の頃、散歩の途中に一度だけキジに出会った事があります。キジが竹やぶの中から飛び出してきた時は、とても驚きましたが、すごくきれいでうれしかったです。
④広場周辺
広場周辺では、シイ、クヌギ、マテバシイなど色々な種類のどんぐりを見つけることができます。また、まつぼっくりやシダーローズと言われる、名前の通りバラの形をしているヒマラヤスギの種子も落ちています。幼稚園の頃、まつぼっくりやシダーローズで小さなクリスマスツリーを作ったのはいい思い出です。
⑤広場
広場では、普段からなじみのあるスズメやカラス、セキレイなどの鳥たちを見かけました。近くの池からは、ウシガエルの鳴き声も聞こえてきます。
⑥セミのぬけがらだらけの木
広場を出て左へ曲がると、クスノキなどの大きな木がたくさん生えています。これらの木の一本一本をよく見ると、色々な種類のセミのぬけがらが大量に付いています。地中にはどれだけのセミの幼虫が眠っているのかなと考えるとわくわくしてきます。
⑦通称「ザリガニ池」
さらに右へ曲ると、少し濁った小さな池が見えてきます。ここは、幼稚園の頃ザリガニ釣りをした思い出の場所です。池のまわりでは、普段家のまわりではあまり見かけないトノサマガエルを見つけることができます。
⑧虫たちの森
ザリガニ池の反対側には大きな木がたくさん生えていて、シャンシャンシャンシャンとクマゼミの大合唱が聞こえます。大合唱が静まると、ジーと鳴くアブラゼミの声や、ミーンミーンと鳴くミンミンゼミの声が聞こえてきます。
⑨他の虫たち
この辺りでは、カブトムシやクワガタなどもよく見かけるので、虫取り網を持った親子によく出会います。運が良ければタマムシにも出会えるかもしれません。また、この辺りの茂みでは、日陰になっているせいかハチも多く見られます。アシナガバチや、時にはスズメバチが大きな羽音を立てて飛んでくるので、注意が必要です。
⑩ザリガニ池周辺
ザリガニ池の対岸には、ガマが群生していて、アメンボがその間を縫うようにたくさん泳いでいるのが観察できます。
⑪水辺の生き物たち(⑫も含む)
また少し進むと、大きな池が見えてきます。水辺には、シオカラトンボやギンヤンマなどがたくさん飛んでいました。池の中では、大きなコイや小さなフナなどがたくさん泳いでいました。池の真ん中辺りには小島のような岩があり、そこではたくさんのカメが甲羅干しをしているのをみることができます。岸辺で虎視眈々と魚をねらうアオサギにも出会いました。
⑬加古川市の花「ツツジ」
ゴール地点周辺には、ツツジがたくさん生えていて、桜の季節が終わる頃から、日岡山公園はツツジの花でいっぱいになります。ヤマツツジ、キリシマツツジ、サツキツツジなど合わせて約15000本のツツジが五月上旬まで咲きます。
〔最後に〕
僕は、中学生になってから日岡山公園に出かけることがなくなっていたけど、今回この場所を選び久しぶりに訪れてみると、なつかしいだけでなく新しい発見がありました。日岡山公園は、日岡御陵が造られた古代から自然が守られてきた場所であり、たくさんの生き物が暮らしている大切な場所だという事がわかり、前よりも好きな場所になりました。