応募期間

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受賞作品一覧
佳作
第31回 中学生の部

水と緑の散歩道

内田 益るさ

茨城県
つくば市立竹園東中学校
中学校2年生

全体説明

わたしが住んでいる茨城県つくば市には、公園がたくさんあります。その中でもわたしが一番好きな公園は、19.8ヘクタールの敷地面積を持つ洞峰公園です。ここでは、テニスや水泳、野球などのスポーツを楽しむことができます。

「水と緑の散歩道」で今回わたしが取り上げたのは、ジョギングやウォーキング、犬の散歩などに利用する約1キロメートルのコースです。その両側にはたくさんの木々が立ち並び、夏にはにぎやかなセミの大合唱が聞こえてきます。そのコースに囲まれているのが洞峰沼です。ここは年間を通じて色々な種類の鳥を見ることができます。また、この公園は地域の人々がふれ合う場にもなっていて、花を育てる会、野鳥観察会など様々な企画が催されていつも多くの人でにぎわっています。四季折々の自然の美しさ、豊かさを感じることができる素晴らしいところです。

観察ポイントごとの説明

① 公園を入ってすぐに目にとまるのがイチョウ並木です。四季によって美しい変化を見せてくれるこの木々は、まるでわたし達を迎えているようです。また、秋には黄色のじゅうたんが地面をおおいます。そして、そこを真っすぐ進んだところにある新都市記念館の前には、この公園のシンボルツリーともいえる一本のクスノキが立っています。空に枝を大きく広げ、二人で手を回しても届かないくらい幹も立派です。

② ここには、メタセコイアの木が立ち並んでいます。真っすぐにスラッと伸びていて背がとても高いです。よく見ると、ニイニイゼミの抜け殻がいくつも幹にくっついていました。とても小さく泥が付いたままの抜け殻です。そして、地面にはセミの幼虫が出てきたたくさんの穴が開いていました。偶然、アブラゼミの羽化寸前の幼虫が木に登っているのを見かけ、生命の息吹きを感じました。運が良ければ夕方から夜にかけて羽化が見られます。

③ サルスベリの木にキジバトがとまっていました。雄は「デデッポッポー」と鳴きます。キジバトは、茶褐色で黒と赤褐色のうろこ状の模様があります。また、つがいで見かけることが多いです。その周辺には、カエデやハナミズキ、ヤマボウシ、サクラの木があり、奥には洞峰沼のほとりにガマのほがたくさんかたまって生えています。トンボも飛び回っていて夏を感じさせてくれます。

④ ジョギングコースを少し外れたところに芝生の広場があります。ここにはモグラが住んでいます。どうしてモグラのいることが分かるのかというと、土の盛り上がった跡がそこら中にたくさん残っているからです。土を踏んでみるとフカフカして柔らかく、次はモグラに会ってみたいと思いました。三月にはツグミやハクセキレイ、カワラヒワ、シジュウカラ、ビンズイの姿も見られました。双眼鏡で観察すると鳥のかわいさに魅せられます。

⑤ 沼をのぞいてみると、たくさんのアメンボがスイスイと泳ぐのが見えます。時折、魚が急にバシャッとはねる音も聞こえます。また、ちょうどカイツブリのつがいがいました。この鳥は全体的に茶色をしていて、留鳥のため年中見ることができます。三月にはカルガモやヒドリガモ、おしりの模様が黄色のコガモ、尾がピンとしているオナガがモなどがそれぞれに特徴を持ったカモ達を観察することができました。

⑥ ヨシの茂みから「ホーホケキョ」と鳴く声が聞こえてきました。この美しい声を持った主はウグイスです。セミやカラスが大勢で鳴いているにも関わらず、一羽のウグイスの声はよく響き渡るものだと感心しました。この声にはいつも魅きつけられてしまいます。春から夏にかけて聞くことができ、秋と冬には声は聞こえませんがヨシの茂みに住んでいます。警戒心が強いので姿はなかなか見えません。

⑦ 夕方六時過ぎ、シラカシ、クヌギ、コナラの木の下で何羽ものハシブトガラスを見かけました。地面に飛び下りて、何か獲物をねらっているようです。セミの幼虫が出てくるのを待っているのではないかと思いました。実際に何かをくわえているカラスも見ました。セミは五年も土の中で過ごし、ようやく出てきてすぐに危険が待っているだなんて、自然の厳しさを感じました。また、秋にはドングリが雨のように降ってくる場所です。

⑧ 沼のほとりにバリケンのつがいが上がってきていました。重そうな体で歩いています。近くに寄っても全く逃げる様子がありません。沼には大きなコイがたくさん泳ぐ影が映っています。ここには一本のヤナギが風にゆられてなびいています。この様子がわたしは一番好きです。ケヤキの木の下などにはベンチがあり、人々がのんびりと過ごせる憩いの場となっています。

⑨ おそらく、この公園内に一番多い木はケヤキです。大きく枝を広げるケヤキの木の下には、ツワブキという黄色い花を咲かせる植物が群生しています。奥にはたくさんの種類のバラが植えられ、初夏や秋に色とりどりの花が楽しめます。また、散歩をしている途中に沼からウシガエルの声が聞こえてきました。ウシと名前に付くだけに、低い声で「ヴォー、ヴォー」と鳴いていました。

⑩ 沼の中に鳥やカメが安全に休むことのできる中州があります。カメは日なたぼっこ、カモやコサギ、アオサギは休んだり、えさをねらってじっと立っています。沼では、季節によってカワウや美しいエメラルドの羽根を持つカワセミの姿も見られます。

わたしは、この道が自然豊かで生き物達のオアシスになっていると感じました。これからも一年を通して、動植物を観察していきたいです。

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