応募期間

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受賞作品一覧
入選
第32回 中学生の部

友達に出会う散歩道

吉田 志歩美

兵庫県
賢明女子学院中学校
中学校1年生

全体説明

私は小学六年生の頃に、この「白浜」という地に引っ越してきた。ここは母のふるさとでもあり、祖父母が私の家の近くに住んでいる。

この地域は、夏になると、朝、昼はセミの大合唱が行われ、夕方には、アマガエルの鳴き声が聞こえるというように実ににぎやかである。だが、散歩中には、宙を軽やかに舞っているチョウや、道路、駐車場からひょっこり顔を出している花々を見つけ、静かに自然の良さにひたっていることもできる。

私は、店に行く時や通学中に通るこれらの道で、小学生の頃の同級生に思いがけず出会うことがある。その瞬間、今までにその友達と過ごした一年間の思い出が頭に浮かんでくるのだ。

自然と共に、友達との思い出が詰まった、私の親しみある散歩道で見られる様々な動物植物を、いくつか紹介していこうと思う。

観察ポイントごとの説明

①家の庭

庭の隅の方にはカタバミが花を咲かせている。何気なく窓から庭をのぞくと、キアゲハやルリシジミ、アシナガバチなどが飛んでいるのが見える。そして、庭のそばのウッドデッキでは、何とスズメが歩いていることがあるのだ。その姿からは、何とも表現しようのない可愛らしさが感じられる。何かを探しているようなその動作は、見ている者の心をくすぐられるものがある。

 

②家の前の小さな駐車場

庭の前には、小さめの駐車場がある。北側にはエノコログサ(猫じゃらし)が生い茂り、背の高いものはフェンスを越えて家の庭にはみ出している。東側にはシロツメクサ、西側にはタンポポが生えている。そして、こんな面白い草もある。茎をちぎると白い液体が出る、コニシキソウという植物だ。母は小さい頃、この草のことを「ミルク草」と呼んでいたらしい。

 

③水路1

駐車場の前の道路の向こう側には、小さく細い水路がある。母はよくこの場所でしらさぎを見るという。母によれば、日中しらさぎを見かけるということだが、私は学校に行っており、極まれにしかみられないので残念だ。もう一度じっくり観察してみたいものである。

 

④病院前の道路

ここには少しだけ草が生えていて、その上には黒とオレンジ色の、トゲのある虫が五匹くらいいる。一見毒虫のように見えるが、実はこれらはツマグロヒョウモンの幼虫なのだ。成虫の蝶になっても、ほぼ同じような色合いである。それに、手の上にのせることもできるのだ。私も一度はのせてみたいと思う。

 

⑤大きな駐車場前の道路

駐車場側にはオヒシバが生えている。オヒシバはメヒシバやコメヒシバによく似ているが、メヒシバやコメヒシバに比べて茎や花穂が太く、しっかりしているのが特徴的だ。また、オヒシバは動物に踏まれても大丈夫な植物である。

 

⑥田んぼ1

稲の生えている下の方を観察してみると、タニシがいる。そして、稲の生えている地面に刺さっている木片や稲には、ピンク色をしたジャンボタニシの卵がいくつもくっついていた。けれど、ジャンボタニシはなぜかどこにも見当たらなかった。

 

⑦田んぼ2

ここにはアマガエルが住んでいる。田んぼに置いてある袋や近くの道路など、いる場所は様々だ。夕方になると聞こえてくる鳴き声のもとはここのアマガエルである。家周辺からここの田んぼまでの距離は意外とあるのに、耳を澄まさなくても鳴き声が普通に聞こえるというのは、考えてみればすごいことだと思う。

 

⑧水路2、またその周辺

道路から水路をのぞいてみると、緑色の長い何かが何本も見える。水草だ。顔をあげるとカナブンが辺りを飛び回っている。また、空を見上げればカラスやツバメが飛んでおり、電線に止まってはまた飛ぶということを繰り返していた。

 

⑨向かいの家の庭

私の家の前の家の庭には沢山の木が植わっており、そこではミンミンゼミが元気よく鳴いている。朝や昼に聞こえる鳴き声は、たぶんここのセミのものだろう。小学生の頃、ラジオ体操のため近くの中学校へ向かう時、いつもここの庭から威勢のいい鳴き声がしていた。

 

⑩水路3

北側にある水路には、何匹かこいがいる。赤やオレンジといった鮮やかな色ではなく、黒っぽい色をしているこいだ。音を立てるとすぐ逃げていってしまうが、ゆっくり優雅に泳いでいる時の姿には、思わず見入ってしまうものがある。

 

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