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受賞作品一覧
佳作
第25回 中学生の部

海・山・川・歴史…全て体感!那波and大島山おさんぽMAP

高野有生

兵庫県
淳心学院中学校
中学校1年生

全体説明

僕が住む相生市は、瀬戸内海に面した、かつては造船で栄えた町です。市内には山も多く、自然豊かな町です。市の玄関口となるJR相生駅の近くには、荢谷川と呼ぶ小さな川が流れていて、古くから那波と呼ばれる市の中心部を通り、相生湾にそそいています。川の辺には、アオサギ、コサギ、マガモなどの野鳥が見られます。荢谷川の河口近くには、大島山があります。島という名前の通り、昔は離れ島でした。ここには歴史を忍ばせる神社や寺院があります。かつて武将達が城を築いた大島山は今も昆虫の宝庫です。相生湾には、シバナと呼ばれる全国的にもめずらしい干潟の植物の群落があり、市の天然記念物に指定されています。

 さあ、相生の海・山・川と歴史を思う存分体感するために出発しましょう。

観察ポイントごとの説明

(1)

 スタート地点から歩いてすぐ、ピンクが鮮やかなフヨウの花がさいている場所。そこがポイント1です。近くではスズメやセキレイ、運が良ければマガモを見ることができます。そして川の中をのぞくと、ボラの仲間に属する魚の稚魚たちが群れをつくって泳いでいます。たまに、川の水面から顔を出すミシシッピアカミミガメを見ることもできるかもしれません。

 

(2)

 荢谷川と善光沢川が合流し、荢谷川となるこのポイント2ではよくアオサギを見かけます。

 アオサギの主食は魚など、ポイント1で泳いだ魚はこの地点にもいます。もしかすると、アオサギはこの魚をねらっているのかもしれません。

 ポイント2では、ポイント1で見られたミシシッピアカミミガメより大きい同種が見られました。普通のカメの寿命は約30年。一体何年生きているのでしょうか。

 

(3)

 目の前に大島山、右側に大島橋が見えるポイント3では、橋の下にアオサギが1羽いました。じっと観察をしていましたがアオサギは一切動きません。暑かったから橋の影で一休みでもしていたのでしょうか。

 川の中では、大きなボラのような魚が増えだいぶにぎやかになっていました。小魚たちがおいかけっこをしているようにすばやく泳いでいたり、のんびり泳いでいる魚もいたりとおもしろい光景が見ることができました。

 

(4)

 橋を渡り、しばらく歩いて大島山の頂上へと行く道と交わる点ポイント4では、もう中心部からぬけたような草や木々の多いエリアです。この辺りでは、山側にはシダやコケ、ヌルデといった植物が群生しており、力つきて今にも死にそうなクマゼミや、セミのぬけがらなども見かけました。

 空を見上げるとツバメやハトが飛ぶのを、時々、アブラゼミが木々を移動する姿も見ることができました。

 

(5)

 大島山の暗いジグザグとした山道の途中にあるポイント5付近でもさまざまな動植物に出会いました。

 大島山の南・南東部に多く群生するウバメガシや木々の間をかくれるように飛ぶクロアゲハ。突然、森の中から出て来たスズメバチ。ハチが苦手な僕は恐怖でいっぱいでした。そして、木についていたカワラダケというキノコ。一見、静かで暗い森に見える所でもたくさんの生き物の生活する場所となっていたのです。

 

(6)

 寺院や神社の辺になるポイント6では、草むらで元気にとび回るショウリョウバッタや、ツクツクボウシの大きな鳴き声が響く活気のある明るい所でした。その辺りを過ぎて下りの山道に入ると、あまり見ることのない青いモミジや、羽の水色が輝いて見えるアオスジアゲハや、山道沿いにたくさん群生しているササなどが見られました。

 

(7)

 山道を下りきって今度は海沿いを通る道を歩いて行く。目の前に信号が見えるくらいのところがポイント7です。ここでは、イチモンジセセリという小さくてかわいらしいチョウが生息していたり、人の気配に気がつくとあわただしく動きだすイソガニ。そして岩影にひそんでいるフナムシや、岩にひっついていたフジツボといった生き物たちが生息していました。

 

(8)

 海沿いの道をどんどん進んで行くと、海沿いにアシの様なものが群生している所があります。ここがポイント8です。ここには、シバナと呼ばれる希少な植物が群生しています。シバナは瀬戸内海では広島と宮島と相生にしか生息していません。このシバナという植物はホロムイソウ科で塩沼地に生息する多年草の植物で、地下茎は太く、ひげ根を出していて、花は秋ごろに咲き、花は黄味をおびた白色をしています。

 

(9)

 ポイント8からまた少し進んだ砂浜が見える周辺がポイント9です。ポイント9近くの砂浜を見るとたくさんのカキが流れついています。相生でカキの養殖が盛んなためです。養殖されていたカキが逃げ、波によって流れついたのです。

 一方、山側ではヤブツバキやヤマモモといった木が、またヒメジオンなどの植物が群生しており、明るい光を好む植物にとってはとてもいい場所です。

 

(10)

 どんどん歩いてゆくと国道250号線に出ます。この道沿いの道の駅がポイント10でもあり、ゴールにもなります。

 この道の駅には船着き場があります。そこがポイント10です。ここからは、広い海をのんびりと群れつくりながら泳ぐボラや、向こう岸にいるコサギを見ることができました。さらによく見るとここにもカキが流れてきて付着していた所があるのを発見しました。

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