応募期間

今年の募集は終了しました。ご応募ありがとうございました。

受賞作品一覧
佳作
第25回 中学生の部

思い出たどる野川生き物マップ

伊藤舞

東京都
共立女子第二中学校
中学校1年生

全体説明

 このコースは国領町にある自宅から100m程の所にある野川の馬橋からスタートし、野川に沿って1.5km歩き、私が3才~6才まで住んでいた懐かしい佐須町に通じます。更に、深大寺南町にあるカニ山へと足を伸ばし、農業用水路に沿って田畑を歩き、野川へと下るコースです。

 

 私が小さい頃に住んでいた佐須町には沢山の思い出があります。

 私の住むマンションは国領町の甲州街道沿いにあり、車の騒音が常に聞こえる賑やかな場所です。

 一方、佐須町付近の野川沿いには緑があふれ、生き物も沢山生息し、私にとって一番近くにある田舎(故郷)みたいな所です。

 野川沿いに入ると、車の音は消え、川の流れの音や生き物の鳴き声が聞こえてきて気持ちが和みます。

 

 カニ山は、地元の小学校の遠足コースです。昆虫が沢山いて、網とカゴを持ってよく行きました。カブト虫やクワガタが採れます。

 6月には、カニ山のホタル園でホタル鑑賞会があり、毎年見にいっています。

観察ポイントごとの説明

(1)カメ・ヘビ

 約20㎝のカメは、セキ付近の川の流れがおだやかな所に生息しています。

 晴れの日は岩の上に登るので、その姿をよく見ることが出来ます。

 カメが水面から顔を出して泳いでいる様子は、とてもかわいらしいです。

 ヘビは一度だけ、私が小さい頃に細田橋の上から母と一緒に見た物で、おそらくシマヘビです。全長80~120㎝で水田に住むことから、用水路を伝って下りてきたのではないかと思われます。野川ではたびたび目撃されています。

 

(2)カルガモ

 私にとってカルガモは、ゆったり泳ぐ「野川のパトロール隊」です。その愛嬌のある姿に、心が和みます。しかし、現実では違っていたのです。

 カルガモの子は、カラスや猫に狙われて、ほとんどが成鳥にはなれないといいます。

 動物の世界は厳しいものだと改めて感じました。

 

(3)コイ

 大橋の上に立つと餌をくれると思い、黒いコイが20~30匹ぐらい群ってきます。

 全長50~60㎝あり、とても大きくて、中にはオレンジ色のきれいなコイも見かけます。

 私も小さい頃、パンをちぎってコイにあげていました。

 

(4)コサギ

 野川にいるコサギは、首や足が長くスマートでくちばしがとがり、足指は靴下を履いたように黄色いのが特徴です。

 緑一面の野川に真っ白いコサギを見つけると、その白が際立って見え、とても神聖な気持ちになります。

 その奇麗な姿とは裏腹に、コサギの食べ物は魚やカエルなどと知り、イメージを壊されました。

 私は、コサギが野川にいつも住んでいると思っていましたが、調べてみると越冬する鳥で、寒くなるとフィリピンなど暖かい所に渡るそうです。

 

(5)ザリガニ・ナマズ

 榎橋付近の川を下りると、あみを持った親子がいました。聞いてみると、ザリガニとナマズを採っていると言っていました。ザリガニがいるのは知っていましたが、野川にナマズがいるとは知りませんでした。川縁の草の生えている下にいるそうです。バケツに入ったナマズを見ると、全長15㎝くらいでした。ナマズは肉食で、小魚やエビ類などを食べるそうです。

 

(6)大久保家の柿・クロマツ

 大久保家の柿は禅寺丸という柿の一種で、江戸時代より大切にされてきました。実は小さく丸く、現在は多品種に押されて少なくなっているそうです。都の天然記念物であり、古木として貴重です。

 クロマツは虎狛神社にあり都の天然記念物です。古木としてクロマツでは都内有数の大木です。

 

(7)ホタル

 ホタルは、カニ山の野草園で多く飼育されています。

 毎年6月の上旬にはホタル鑑賞会があり、私も小さい頃、懐中電灯を手にカニ山に登り、暗闇の中でホタルの放つ幻想的な光に見入っていました。

 

(8)コウモリ

 私が初めて夕方の空を飛ぶコウモリを見た時、鳥だと勘違いしてしまいました。4~5㎝の体で円を描くように飛び、狩りに出かけて行きます。私の住むマンションにも夕方になると何処からか現れます。特にカニ山付近にいるので、カニ山に住んでいると言われています。

 

(9)農業用水路付近

 用水路の周りには田畑がひろがり、稲、トウモロコシ、ナス、里芋、枝豆、などが実っていました。水路にはアメンボが泳ぎ、ハグロトンボが見られます。

 この用水路では、昔からわりばしの先にするめを付けて、ザリガニ釣りをする子供が見られます。

 この付近では私が小さい頃、たぬきを見掛けたこともあり、自然が豊かであることを感じます。

 

(10)ツバメ

 ツバメは、今子育ての真っ最中です。

 親鳥はヒナのために、野川のアメンボの大群めがけて急降下します。

 その慌ただしく飛び回って働くツバメの姿に、早くヒナを立派な大人に成長させなければという思いが伝わってくるようです。

 一緒に南に渡る日が近づいています。

一覧へ戻る