応募期間

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受賞作品一覧
佳作
第26回 高校生の部

お城をめぐる散歩道

北川奈実

兵庫県
賢明女子学院高等学校
高校1年生

全体説明

私は兵庫県姫路市の中心地である、JR姫路駅から歩いて十五分ほどの市街地に住んでいます。目の前は国道で車の通行も多く、ビルが立ち並んでいて、決して自然に恵まれているとは言えません。しかし北西へ十五分ほど歩くと、国宝であり世界遺産でもある姫路城があり、その周辺は、春になると大勢の人が花見に訪れる桜の木や、古くからの街路樹、手つかずの原生林などに囲まれて、緑が豊富です。またお城をぐるりと取り囲む内濠は水量も豊かで、水辺の生き物が多く見られます。

 幼い頃から日々の散歩や花見、月見など、何かと言えばお城のあたりに出かけていました。そういう慣れ親しんだ道ですが、今回、改めて観察しながら歩いてみると、新しい発見もいくつかありました。私の家をスタートしてお城のまわりをぐるりと一周して帰って来る、「お城をめぐる散歩道」を紹介します。

観察ポイントごとの説明

(ポイント1)

 私の家の近くには、お寺が多くあります。中央保健所や商工会議所などの大きなビルが並ぶ中、由緒ありそうなお寺があちらこちらにあるのです。江戸時代、城下町のはずれにはお寺を建てて、寺町と称したそうです。

お寺には大木や生垣などの緑が多くあり、セミの声もして、真夏の暑さを少しやわらげてくれるようでした。妙行寺というお寺に夏みかんの実がなっていました。

 

(ポイント2)

 このあたりは私の通学路でもあるので、毎日通っています。中濠のほとりに、しだれ柳がたくさん植えられています。中濠はここまでなので水の流れがなく、沼のように深い緑色をしています。黒く大きな鯉やカメ、アメンボなどがたくさんいます。対岸の空き地にサギが飛んできていました。よく見る白いサギではなく灰青色だったので、調べてみると青サギという種類のようでした。

 

(ポイント3)

ポイント2の中濠から続いて、カメや鯉がたくさんいます。土手は石垣になっていて、その上は人が足を踏み入れたことのないような原生林がうっそうと繁っています。私の通っている学校の敷地に隣接しているのですが、狸がいるとの話も聞いたことがあります。

 

(ポイント4)

 大きな街路樹が立ち並び、適度な日陰を作ってくれている歩道を歩いていくと、桜並木があります。ここはお城への入口のひとつでもあります。この並木以外にも、このあたりは桜の木がたくさん植えられていて、四月上旬の満開時はとてもきれいです。ただ観光地なので人や車も多くなり、それが少し残念ではありますが。

 

(ポイント5)

 このあたりは、道の両側の歩道に樹齢を重ねていそうな街路樹が植えられています。幹には緑の寄生植物が巻きついていて風格があります。祖父が子どもの頃には、ここは陸軍の施設があり既に街路樹が植えられていたそうです。道の看板に、「保存樹 エノキ、アキニレ」と書いてありました。調べると、どちらも街路樹としては一般的な落葉樹で花が咲き、高木になるそうです。

 

(ポイント6)

 美術館から内濠に沿って西へ向かう道にも両側に街路樹が植えられています。道の北側は二十年ほど前の市制百周年に行われたシロトピア博の跡地の公園があります。公園の南東の端の、ちょうど中濠の土手になっている小高い場所に一本の大きなくすのきが立っています。樹齢はわかりませんが保存樹の看板があり、かなり古い木だと思います。

 

(ポイント7)

 この場所の内濠には、たくさんの鯉や鴨などがいます。ここからエサをあげる人がいるので自然と集まっているのかもしれません。エサを求めて鳩もやってきます。

ここは道が内濠の上を通っているので濠の内側へ入れます。草や木に覆われて見えにくい石垣が、このあたりでははっきりと見えます。

 

(ポイント8)

 内濠は螺旋状になっているので、このポイントはちょうど内濠に挟まれた場所です。大きな木や藤棚や遊具も少しある、昔からの公園ですが、濠の石垣の間だからなのか、いつも少し薄暗い、ひんやりした感じがします。石垣の土手に大きなもみじの木が何本かあって、夏は青々としていてきれいです。秋にはまっ赤に色付いて、トンネルのようになります。

 

(ポイント9)

 このあたりの内濠の石垣は、うっそうと繁る原生林が水面まで届くほど覆っている為、全く見えません。木々もいろいろな種類がまざっているようで、野生の藤やソテツも見えます。藤は五月頃には紫色の花を咲かせます。木々にサギが止まっていることもあります。

 

(ポイント10)

 最近整備されてとてもきれいになった、姫路城の玄関とも言える桜門を通り過ぎると、お城をほぼ一周したことになります。

家へ向かって歩いて行くと、左手に護国神社があります。塀からまっ赤なサルスベリが外に向かって垂れ下がっていました。もうすぐゴールです。

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