我が村ぶらり散歩道
山本佳奈恵
兵庫県
兵庫県出石高等学校
高校3年生
全体説明
私の住む地区は豊岡市にある日高町の某所。
ここは毎日緑を目にしない日は無いというぐらい豊富な自然で溢れかえっています。
周囲を山々に囲まれた農耕地で家を一歩でれば野生の動物や虫たちに遭遇する日々…
小学生の頃は目をきらきらと輝かせ虫だ魚だと山の中を駆け回っては遊んでいましたが、年を重ねるにつれ忙しくなり野山や川原で遊ぶ機会もめっきりと少なくなってしまい、
今では日常生活にこの豊富な自然が浸透しすぎてしまい新たな発見や感動も薄れつつありました。
せっかくの大自然に囲まれながらこれではいけない! と思い立った私は、あの頃の感動をもう一度思い出すためにも自宅周辺の草原や野山を散策することにしました。
すると、そこには小学生の頃と見た景色や間隔とはどこか違うけれど何故か懐かしい世界がまっていたのでした。
観察ポイントごとの説明
ポイント1
実は此処は私の家の倉庫なんです。倉庫に何があるのかと言うとツバメの巣、
それも毎年代々と受け継がれている歴史あるツバメの巣なのです。
このツバメの巣は私が小さい頃から倉庫にあり、毎年季節になればツバメがやって来て
卵を産みそして巣立っていきます。時には中々親離れの出来ない雛も居て
先に巣立った兄弟たちに励まされやっと巣立ちをするなんて微笑ましい場面に遭遇することができます。
ポイント2
草むらを歩けばなにやら大きな塊が飛び出してきました。そう、その正体はトノサマガエルだったのです。
トノサマガエルは普通のアマガエルとは違い大きな体とそして何より、この貫禄を感じさせる表情…
流石殿様! 夏の夜には他のカエルたちを引き連れての大合唱を聞くことが出来ます。
ポイント3
山の入り口で見つけたのは大きなノコギリクワガタでした。小学生の頃は夏休みにラジオ体操が始まるよりも早く起きてクワガタ取りに出かけたものです。今では昔ほど沢山見かけることは無くなってしまいましたが早朝に自動販売機や電灯の近くに行ってみると稀に発見することが出来ます。
ポイント4
真夏のBGMと言えばそう、セミ達の鳴き声。アブラゼミが猛暑の昼に鳴こうものならば暑さが二倍に感じられるのは何故でしょうね。やはりあの独特の鳴声がじりじりと照りつける日差しを連想させるからでしょうか。それとは正反対に早朝や夕暮れに聞こえるヒグラシのしっとりとした鳴声は涼しさと共に何処か寂しさも感じられます。
ポイント5
この辺りの水路は今では獣避けの電気柵が張ってあって中に入ることは出来ませんが、よくよく目を凝らしてみると…なにやらのっそのっそと石が動いている!?と思ったら大きく成長したカメでした。
この辺りの水路には昔からカメが住みついていて手のひらサイズの小さなものから時には両手で抱えられるぐらいの大きなものまでより取り見取りです。天気の良い日などは塊になって甲羅干しをする姿が見られます。
ポイント6
春になればここら一帯に群れを成すのはツクシです。ツクシはどんな土地でも育ちやすいのか暖かくなれば至る所で見ることができます。散歩に出かけたついでについつい大量に摘んで帰ってしまうのですがその後の処理にいつも困っていました。そこで何か利用方法はないかと調べた所、なんと!ツクシは上手に料理すれば食べられるのだそうです。またツクシの季節がやってきたらチャレンジしてみようかと思います。
ポイント7
農村で鹿と言えば夜中に作物を荒らしてしまう悪い奴なのですが実物はお尻がぷりぷりとしていた実に可愛らしく何処か憎めない存在です。普段夜中に目撃される事が多い奴らですが時には夕方から颯爽と畑の間を走り抜けてみたり、獣避けのネットに絡まっていたりなど明るい時間帯に遭遇することも稀にあります。しかし、ネットに絡まった鹿には要注意。可哀想だと思って無闇に近付くと角で突かれてしまうことがあるのです。
ポイント8
シロツメクサの群生地に行くとやはり探したくなるのが四葉のクローバー。探してみるものの中々見つからない!…なんて事はご心配なく。なぜならこの辺りの堤防の側面一帯に群れを成しているからです。これだけの量があればきっと沢山の四葉のクローバーが見つかるはず?
ポイント9
電線に集まってなにやら井戸端会議をしていたのは、ハシブトガラスたち。真っ黒な電線に真っ黒な塊がもこもこと一列に並んでいる姿はなんとも可愛らしいです。カアカアと大きな声で鳴く様子はまるで近所の奥様方が道端で長話をする様子さながら、今日は何の話しをしているのでしょうか?
ポイント10
もっさりと茂った草原を掻き分けていくと其処でであったのはトノサマバッタなどの虫たち。
青々とした葉っぱにくっついてなにやら口をもしゃもしゃと動かしています。
どうやらお食事中のようでした。トノサマバッタのぷっくりとしたお腹は何だか芋虫みたいだなあとじっくり観察していると、此方の視線に気が付いたのか急いで遠くへ飛んでいってしまいました。