わたしとラッキーの散歩ロード
奥平仁美
兵庫県
賢明女子学院高等学校
高校1年生
全体説明
私の家の隣の祖父母の家にいる雑種のラッキーという犬は、散歩の時間になると落ち着かなくなり、クンクンと鼻を鳴らします。そんなラッキーの散歩を休みの日にたまにする私は、散歩を楽しんでいます。ラッキーの散歩道はコンクリートが多いですが、端の草や土の上を歩いています。前から散歩している時に色々な植物があって、これは何という花だろうと感じていたので、この道を調べようと思いました。夏は蝉が鳴いていたり、春は風が心地良く、冬は動物はあまりいませんが、命の温かみを感じるような地域で気持ち良く過ごしています。住宅地が増えていっている中で、自然の空気にいつも触れることができるので、とても嬉しく思いました。これからも植物や動物を大切にしていきたいです。自然があるからこそ、私たちは四季を感じることができ、快適に過ごしていることに改めて気付きました。
観察ポイントごとの説明
(1)
夏にかなり大きな花を咲かせるヒマワリは、夏の季語としても使われていて夏の花の代表となっています。私の祖父母の家の畑の隅に、毎年大きく花を咲かせて育っています。空に向かって高く、大きく成長しているヒマワリを見るとなんだか元気が湧いてきます。太陽の日差しを沢山浴びて、オレンジ色に輝いてほしいです。暑くて小屋の中で寝てしまっているラッキーも、背が高い元気なヒマワリをぼんやりと見上げていることがあります。
(2)
私の家の南側に流れている川にタニシを見つけました。私は家で書道をする時に、墨のついた筆をバケツの中にこの川の水を入れて洗っています。その時に川の中に小さな貝のようなものがあるな、と感じていました。それがタニシやシジミでした。タニシは大きな状況変化がある中でも生き延びることができ、水田のような環境が変化しやすい小規模な水域に、大型種が生息することがあるそうで、小さな体でも懸命に生きる命に感動しました。
(3)
ツユクサは、畑の隅の道端に咲いていました。朝咲いた花が昼しぼむことが、朝露を連想させることから「露草」と名付けられたという説があり、アサガオと同様に早朝に咲いた花は午後にはしぼんでしまうそうです。鮮やかな青がとても特徴的できれいな花です。ですが、ツユクサは雑草で日本全土、アジア全域、アメリカ東北部など世界中に広く分布しています。雑草の中にも、きれいで花のようなものがあることに驚きました。
(4)
オオイヌノフグリというと、私が小学生の頃にこの青くて小さなかわいい花はなんだろうと思い、調べてみるとオオイヌノフグリという名前で、とても驚いたことを覚えています。フグリとは陰のうの事で実の形が雄犬の陰のうに似ている事から名付けられたそうです。大抵は群れて咲いているそうで、鮮やかな色の花は印象的でした。ラッキーはいつも道端に咲いているオオイヌノフグリを踏んで歩いてしまっています。
(5)
ショウリョウバッタは草むらや道端などでよく見かけます。雄は「きちきち」と音を立てて、よく飛ぶそうです。私も草むらに座ったりすると、バッタが飛んでいるのを見たことがあります。ショウリョウバッタは日本に分布するバッタの中では最大種で、斜め上に劣った頭部が特徴的だそうです。ラッキーも草むらなどに入ったときに、ショウリョウバッタなどがいると、びっくりするようで中の様子を窺っているときがあります。
(6)
私の家の側に立っている色々な木にセミが沢山います。午前中にはクマゼミ、午後はアブラゼミやツクツクボウシ、そして朝夕はヒグラシがいて、ニイニイゼミは早朝から夕暮れまでいるそうです。時間によって色々な種類のセミがいることに驚きました。成虫期間は一、二週間と言われていますが、野外では一カ月ほど生き、幼虫として地下生活する期間は三~十七年で、長い間暗い所で過ごし、残りの短い命を生きているんだと感じました。
(7)
樫の木は私の家の近くにも沢山立っています。「かしの木の里」という福祉施設も近くにあります。これは漢字で木偏に堅と書くことからも分かるように、材質は非常に堅く、橋や鉄道の枕木や木刀などに使われています。樫の木をシンボルとして採用している市町村に私たちが住んでいる姫路市も含まれていて、とても驚きました。セミなどの色々な動物がとまっていて、大きな樫の木は沢山の生き物に頼られているようで心強く感じました。
(8)
ドクダミという名前は聞いたことはありましたが、いつも見ていたこの白色の花だとは思っていませんでした。ドクダミは住宅周辺や道端などで育ち、葉に悪臭があるそうでとても驚きました。加熱することで臭気が和らぐことから、日本では山菜として天ぷらなどにして食べられることもあります。生薬や漢方としても使われているそうです。ラッキーもドクダミの葉に鼻を近づけている時があったので、何か悪臭を感じていたと思います。
(9)
青空に飛んでいる鳥はよく見ると、スズメが多い気がします。人家の近くに生息し、「ちゅんちゅん」という鳴き声がよく聞こえます。小さくて丸いスズメたちは人間の生活に密着しているので、多くは瓦の下や雨樋と屋根のすき間などに巣を作っているそうです。私の家にもスズメが巣を作っていました。また、夏から秋にかけて街路樹などに数十から数百個が集まってねぐらを形成するそうで、小さな命を精一杯生きているんだと思います。
(10)
ヨモギには特有の香りがあり、春につんだ新芽を茹でて、おひたしや汁物の具や草餅にして食べます。そんなヨモギは鮮やかな緑色で、夏から秋にかけて茎を高く伸ばし、日本全国いたるところに生えているそうです。ヨモギというと、私が幼稚園の頃にキャンプ場でヨモギを使って餅を作ったことを思い出しました。私の家の近くでやったのではないけれど、みんなで楽しく作った思い出と共に忘れられない植物となりました。