私の自然・散歩道
宮嶌恵
兵庫県
兵庫県立出石高等学校
高校2年生
全体説明
私の住む豊岡市出石町は、兵庫県の北部に位置し、川や山があり家の周りには自然がたくさんあふれています。春は桜や若葉、夏はたくさんの昆虫や青々と茂る山々、秋は紅葉、冬はたくさんの雪が降り、四季の変化がはっきりしているのが特徴です。また、四季によってさまざまな生き物が現れます。春はアゲハ蝶、夏は蛍、秋はカメムシ、冬は渡り鳥などです。今回は夏に現れる生き物を取り上げて絵地図を作成しました。作成のため生き物を探すコースは家の周りを取り囲む道を選びました。家の向かい側は普段犬の散歩などでよく通る道ですが、家の後ろ側はあまり通る機会が無いので今回絵地図のコースに選びました。また私の家のすぐ後ろには奥山川という川があり、今回はその川にいた生物も調べました。調べながら歩いてみると今まで知らなかった新しい発見をすることができました。そしてやはり出石は自然があふれているということを改めて実感することができました。
観察ポイントごとの説明
1. シマヘビ
私の家の庭で驚くものと遭遇しました。それは赤黒い1メートルぐらいの蛇です。家の裏に川があることもあってか私の家の庭には夏になるとよく蛇がやって来ます。この蛇はシマヘビといって北海道から九州に分布し、平地、低山地の水辺や草地、森林周辺に住む蛇です。小哺乳類を食べるらしくこの日も獲物を求めて家にやって来たようでした。夏に約20匹卵を産むので今年の夏も庭にたくさんやって来るかもしれません。
2. アメンボ
田んぼの水面を見ていた時アメンボを見つけました。アメンボは体長11から16ミリぐらいで、分布は日本全土で、池沼や河川に最も普通に見られる種です。滑走し、水面に落下した小昆虫などをエサにしています。アメンボは軽い体重と水をはじく体で水の水面張力を利用して水面上に浮いて田んぼをスイスイと滑るように移動していてとても気持ち良さそうでした。アメンボには他にイトアメンボなどの種類があるそうです。
3. アユ
水が干上がり始めた川の浅いところでアユを見つけました。アユは約10センチで日本各地に分布し、仔稚魚期は沿岸域で過ごし、春に群れで河川に遡上し始め、動物プランクトン食から付着藻類食に変わり成長していきます。表面がキラキラしてきれいでした。アユはそのオリーブ色がかった清楚な姿から川魚の女王とも呼ばれているらしいです。アユの良さは見た目だけでなく捕まえて塩焼きにして食べるととても美味しいです。
4. シュレーゲルアオガエル
家の前の田んぼ沿いを歩いていると、黄緑色が鮮やかな3センチくらいのカエルが飛び跳ねていました。このカエルはシュレーゲルアオガエルといって本州、四国、九州に分布し、山間部や山沿いの湿地や水田付近に住み、4月から5月ごろに水田のあぜなどに穴を掘り、泡状の卵塊を産むカエルです。このカエルは背面を周囲の色調に合わせて黄緑色から黒褐色まで変化するそうで、私が見たのは草の色と同化した状態でした。
5. ヒグラシ
山沿いを歩いていると、木からヒグラシの鳴き声が聴こえてきました。ヒグラシは北海道から琉球諸島に分布し、東京以北では平地に、関西以南では杉林など湿った林に多くいます。ヒグラシの鳴き方は、「キッキッキッ」や「カナカナカナ」と表されます。他にもミンミンゼミやアブラゼミ、ツクツクボウシの鳴き声も聞こえてきました。セミの鳴き声は私たちに夏の訪れを知らせ、夏の気持ちにさせてくれました。
6. ノコギリクワガタ
山沿いを歩いていると、木のところにクワガタがいました。黒くて立派なあごが目立っていました。このクワガタは、ノコギリクワガタといって日本全土に分布し、オスの大あごは個体の大きさによって、湾曲したりまっすぐだったりし、内側にはのこぎり状の歯を持つのが特徴のクワガタです。成虫は7、8月ころ現れ、クヌギ、ナラなどに集まり、また夜灯火にも集まって来るので、夜にライトを仕掛けていたら捕まえることが出来ます。
7. カブトムシ
山の木を調べていると、カブトムシを見つけました。カブトムシは一般的には体長38から53ミリぐらいですが、この日私が見つけたカブトムシは35ミリぐらいで少し小さめでした。カブトムシは本州、四国、九州に分布し、角はオスのみにみられます。成虫は7、8月ごろに、クヌギなどの樹液に集まり、おもに夜活動し、灯火に音をたてて飛んできます。カブトムシは黒くて格好良いですが、飛ぶ時のブーンという音がゴキブリのようで苦手です。
8. チュウサギ
自然観察路を半分ぐらい行った時に目をやると白い約50センチぐらいのサギがいました。このサギは夏鳥として渡来し、本州、四国、九州でコサギやゴイサギなどと集団繁殖し、コサギより首と足が長く、くちばしは短いのが特徴のサギです。くちばしが黒くて羽根は真っ白できれいなサギでした。チュウサギはくちばしの色を季節によって変え冬は黄色になるそうです。また見れなかったけれど夏にはみの状の飾り羽がでるそうです。
9. クサガメ
川に下りてしばらく歩いてみると、甲羅干しをしている亀に出会いました。茶色のような緑のような色をしている10センチくらいの亀でした。この亀はクサガメといって本州、四国、九州、中国東部、台湾に分布し、初夏に岸部に穴を掘り、およそ10個卵を産みます。ちなみにクサガメを漢字で書くと「臭亀」と表し、その名の通り敵から身を守るために悪臭を放つという特徴を持っています。確かにこの亀を触っている時辺りが臭っていました。
10. サワガニ
川辺を歩いていると石の下に2センチぐらいの赤いカニを見つけました。このカニはサワガニで日本特産種、本州以南や屋久島に分布し、生息する環境により茶褐色、淡青色、淡黄色と、甲の色に個体変異が著しいのが特徴です。サワガニについて調べてみると、から揚げや佃煮にして食べることが出来ると書いてありました。海に生息するズワイガニなどを食べることは当たり前ですが、サワガニが食べられることは初めて知りました。