高津区二ヶ領用水散策マップ
倉沢日向
東京都
東京農業大学第一高等学校
高校1年生
全体説明
私がつくった散策道は自分の家にとても近く、小さい頃からよく歩いた二ヶ領用水沿いを中心にしたものです。直接的ではありますが、両岸のしだれ桜並木があるところとないところや、階段があり水面近くに降りられるような場所が何ヶ所もあります。また、川底に十センチ程度の段をつくって深い部分と浅い部分があったりという変化があります。その二ヶ領用水に沿った道の反対側にも果樹園があったり、ケヤキの大木が並んでいたりと面白い場所があるのでそこにも注目しました。そして、この地区には特別な公園がなく目立つ建物も少ないので、身近な白髭神社や図書館を観察ポイントに入れようと思いました。最後に、多摩川に出て散歩の解放感を視覚からも味わえるようにしました。
歩いて一時間程の散歩道ですが、季節のわかるいい道だと思います。
観察ポイントごとの説明
(1) 高津図書館は、前庭があり桜やメタセコイヤなどが植えられ、犬の散歩をする人を多く見ます。春はソメイヨシノの花のミツをスズメがすい、花を落とします。夏の今はセミが鳴いていてにぎやかです。秋にはクローバーの下からコオロギの鳴き声が聞こえます。
(2) 二ヶ領用水の水面近くに下りることのできる階段が設けられていて、親子連れが下りてパンなどのエサをあげている場所です。エサがもらえるだけに、沢山のコイの他に、ニシキゴイやナマズが人影に集まってきます。オイカワやフナ・ドジョウ・カワヨシノボリも運がよければ見つけることができます。時にはカワウが魚を求めて水面を潜っています。
(3) 二ヶ領用水の両岸脇にしだれ桜が植えられていて、春は花が美しく、夏は緑の濃くなった葉が茂り、秋は紅葉の赤・橙・黄色を見ることができます。カモが水面を泳ぎ、時々頭を水中に入れてエサを求めています。また、ハトやカラス・スズメなど多くの鳥がいて、それに混ざってセグロセキレイもよく見かけることができます。
(4) 年間を通して庭いっぱいに花を育てている家があります。そのため、近くを通ると春はスイートピー、秋はトランペットフラワーのいい香りがします。また、花に誘われたコマルハナバチや、ミツバチ、アゲハチョウやシジミチョウ、モンシロチョウなどを多く見ることができます。
(5) 柵に囲まれたブドウ畑とナシ畑が並んであり、住宅が多いこの辺りでは少し雰囲気が異なる場所です。このような果樹園があるため、周りではカナブンやカミキリムシが飛んでいることがあります。他にはセミが沢山いて鳴き声がすごいです。
(6) 広い庭がある家があり、そこには大きなケヤキの木が何本も立っています。その近くを通ると、周りの音をかき消すようなセミの大合唱が聞こえます。また、塀としているマサキのかきねの間には茶の木も混ざっていて、かつて百姓家では茶葉も自家製であったということが伺えます。
(7) この辺りでは、上流ではあったしだれ桜の並びはなくなり、二ヶ領用水沿いにはつつじの潅木が並んでいます。そのため、川面に日陰がなくなり水温が高くなるからか、水面にはアメンボがおびただしい数見られます。また、よく見ると小さなエビを見つけることもできます。
(8) 二ヶ領用水を下り、川幅があや広がり底が少し浅くなった場所でオイカワを見ることができます。婚姻色のオスは少し濁った水の中でも際立って見えます。また、石の上ではミドリガメが甲干しをしえいるところを見たこともあります。
(9) ここは白髭神社といい地区の氏神様です。5年程前に神社の建物が新築されて、新しい外観です。その際に境内の整備もされ、地面はアスファルトになって自然が少なくなってしまいました。しかし、今でも沢山のアブラゼミや、それに混ざってツクツクボウシの鳴き声が聞こえます。
(10) 散歩道の最後に、広々とした多摩川にでて四季折々の風景に接っすることができます。春は少し伸びた緑の草やつくしにタンポポなどの花々。夏は腰まで伸びた草の中に入ると飛び出てくるバッタ類に驚かされます。水辺の生き物も多くいます。秋は枯れる草と秋の虫の鳴き声。冬は多摩川を渡る風が冷たく、水面ではコサギやカワウを見ることができます。