花見川周辺の観察路
朝岡麗
千葉県
角川ドワンゴ学園S高等学校
高校2年生
全体説明
花見川は、印旛沼の洪水を防ぐための放水路として江戸時代からの工事を経て、昭和四十四年に完成しました。そこから、周辺に大規模住宅団体がたくさんできました。
歴史も古く、貝塚遺跡などがあり、近くにはオオガハスという二千年以上前の古代のハスの種子が出た場所もあります。
昔は団地の周りに、雑木林や田んぼ、畑が広がっていたのですが、開発が行われたり、田畑を手放す人が増えたので、カブトムシやクワガタ、オニヤンマを見かけることが少なくなりました。
調査をする中で、その土地の歴史や環境の変化、身近な生物について知ることができました。色々な生物を調べたことで、今までに気に留めていなかった植物や虫にも興味が沸きいつも歩いていた道も楽しく感じられます。
みなさんも身近な生物に目を向けてみてください。いろいろな発見があると思います。
観察ポイントごとの説明
<1用水路>
用水路の近くには、背の高い雑草がたくさん生えています。用水路の中には、ヌマエビやヨシノボリが生息していて、周辺には、黒い翅が特徴的なハグロトンボがいました。
ハグロトンボには、翅を閉じて開く姿が手を合わせているように見えることから、神様の使いとして神様トンボと呼ばれています。見ると幸運が訪れる縁起の良いトンボです。
<2小学校付近>
小学校は住宅に囲まれていて、近くには高速道路があり、その辺りではハクビシンがよく目撃されます。名前の通り、鼻筋から額にかけて白い線の模様があります。
長い間、在来種か外来種か議論されていましたが、遺伝子解析の結果、台湾などから持ち込まれた外来種であることがわかりました。日本各地に生息しており、生態系への影響は農作物への被害が問題になっています。
<3住宅街>
住宅街には、ナミアゲハやツマグロヒョウモンなどのチョウやオオスカシバが飛んできます。私の家の庭では、何度かキジバトが訪れて卵を産んでいます。キジバトは子育てを夫婦で協力して行うことから夫婦円満の象徴とされています。
私は毎日、巣を観察していましたが、鳴き声が聞こえると、夫婦で役割を交代していたり、大雨の日も、自分の身を挺してヒナを守っていて、窓から見ていてとてもハラハラしました。
今まで、三回計六羽のヒナが私の家の庭から巣立っていきました。キジバトの母性本能の強さには毎回驚かされます。庭の木の剪定の時もキジバトの巣は残してもらいました。またこの巣から新しいヒナが巣立つのを楽しみにしています。
<4貝塚公園>
この公園は国の指定史跡になっており、縄文時代の土器が見つかっている貝塚遺跡です。今年で発掘百周年を迎えるそうです。犬の散歩やランニング、春にはお花見をする人もいる地域の人の憩いの場になっています。
公園の前にはサルスベリがあり、夏の初めから秋にかけて百日以上も花が咲き続けます。このことから、百日紅と漢字で書かれることもあります。
<5幼稚園>
幼稚園の中には、キササゲやメタセコイアなどの樹木がたくさんあります。メタセコイアは最大で高さ三十メートルを超えることもある高木で園内でも目立っています。かつて化石でしか確認されておらず絶滅したと考えられましたが、中国で現生種が発見され生きた化石と呼ばれています。中生代白亜紀の恐竜がいた時代から生きている植物だと思うと、とても不思議に感じます。
<6中学校付近>
中学校の近くには住宅街や野球場があり、その辺りではアオダイショウが目撃されています。アオダイショウは日本の固有種で、北海道から九州まで広く分布しています。一般的におとなしい性格で、人を噛むことは少ないです。
<7公園>
この公園は遊具は少ないですが、広場や池などもあるので、のんびり過ごせます。樹木も多く、秋にはシラカシやマテバシイのどんぐりを拾うこともできます。
公園に入ると、ルリシジミなどのチョウやオオシオカラトンボやナツアカネが飛んでいます。
<8花見川①>
花見川の川岸にはサイクリングコースが設置してあり、そこには桜並木もあるので、春にはお花見やサイクリングを楽しむ人たちで賑わいます。
夜には、この近辺でタヌキの目撃情報もあります。商店街の方で見たという人がいるので思ったより行動範囲が広いようです。
<9花見川②>
花見川では釣りをしている人を多く見かけます。夏にはハゼや外来種であるブルーギルも釣れるそうです。甲羅干しをしているカメも見られます。外来種のミシシッピアカミミガメも多く生息しているそうです。
<10田んぼ>
花見川を渡ると田んぼが広がっています。訪れた時はちょうど稲穂が実っていました。
田んぼ付近ではアカボシゴマダラを見つけました。アカボシゴマダラは中国などから持ち込まれたと考えられている特定外来種です。国内では奄美大島にのみ生息していましが、近年、関東を中心に分布を広げているそうです。在来チョウ類と餌をめぐり競合することで生態系に影響を及ぼします。