応募期間

今年の募集は終了しました。ご応募ありがとうございました。

受賞作品一覧
入選
第33回 高校生の部

いつもの垂水観察路

山口 愛美

大阪府
関西創価高等学校
高校1年生

全体説明

大阪府吹田市垂水町は大阪府の北に位置しています。私は生まれてからずっとこの地で育ってきました。だから、この道は昔から馴染み深く思い出のある道であり、今も毎日のように使います。私の町は都会ですが、小学生のころは学校への行き帰りや通りすがりによく自然観察をしていました。田んぼでは稲の生長を見守り、糸田川では川の生き物を観察していました。そんな自然観察は普通に通りすぎると気付かない自然に触れられ、楽しく、ずっと見ていても飽きませんでした。しかし、中学、高校へ進級するにつれて生活の変化などで次第に自然観察をする機会が減っていきました。だから、今回もう一度昔のようにじっくり観察できるという思いでこの道を選びました。新しい発見が沢山でき、有意義なものとなりました。

観察ポイントごとの説明

①ムクゲ

草むらに一本だけ、2メートルほどの木がぽつんと植えられていました。少し寂しいように感じられましたが、周りの低い草の中で、白い花が目立って綺麗でした。花の中心側の花弁の赤色が絵具をにじませたようでした。白と赤のコントラストが鮮やかでした。調べると庭木ということが分かり、誰かが育てているのだろうと思いました。

②ヒメアカタテハ

よく見たことのある4センチメートルほどの蝶で、ひらひらと舞っていました。調べてみるとメスだということが分かりました。名前を知らなかったので今回知ることができて良かったです。

③ビワ

この木は昔からありました。4メートルほどの木で手の平ほどの大きく、艶のある葉が特徴的でした。枯れ葉は鮮やかな黄色でした。おもしろい木だと思いました。ビワの実は5月から6月に収穫するそうです。その実がなっている姿を一度見てみたいです。

④カルガモ

川で一匹ゆっくり泳いでいました。嘴の先は黄色く、足はオレンジ色でした。後日もう一度見てみると、三匹ほど増えていました。泳ぐ姿がかわいらしく感じられました。草の葉、茎、草の実などを主食にするそうです。私の小さな頃はこの川にはおらず、最近になって見られるようになったと思います。

⑤コサギ

身体は白く、するどく黒い嘴で、足の指は黄色でした。小さめの魚、エビ、カニなどの小動物を餌とするそうです。以前見たときは頭に冠毛がありましたが今回はありませんでした。調べてみると冠毛があるのは夏の姿で、ないのは冬の姿だということが分かりました。今は夏なのに冠毛がないのは、もう冬毛に変わってしまったからだと思いました。

⑥クスノキ

大きな木でも光を遮っており、葉が風に揺られていて、涼しく感じました。堂々と構えているようでした。枝がまだ緑色の部分がありました。緑の葉は落としているものもありました。葉の葉脈の分かれ目に1ミリメートルほどのふくらみがあり、そこにダニが棲んでいますが、その理由は分かっていないそうです。

⑦サルスベリ

公園の緑の草が広がる中でレースのようなピンクの花びらが目立ち綺麗でした。葉は丸くて小さく、4センチメートルくらいの大きさでした。つるつるの樹皮であることから猿も滑って落ちるという意味でサルスベリと名付けられたとされています。

⑧エノコログサ

通称猫じゃらしと呼ばれる植物です。緑色のものが多かったですが中には茶色のものもありました。エノコログサはいぬころ草という意味であり穂の形が子犬の尻尾に似ていることからくるそうです。秋に育つアキノエノコログサと比べて、花穂がまっすぐに立っています。小さいころよくこれを使って遊んだ思い出があります。

⑨ヌマガエル

田んぼで見つけた蛙で、土色で点々と黒い模様がついていました。身体にいぼがあり、腹部が白色でした。大きさは2~4センチメートルまで様々で、これもよく見たことのある生き物でした。昔、田んぼでおたまじゃくしから蛙に成長する過程をよく観察していたことを思い出し、懐かしい気持ちになりました。

⑩オオシオカラトンボ

この生き物も田んぼで見つけました。腹部の青色が印象的でした。シオカラトンボと似ていますが、オオシオカラトンボの方が濃い青で、腹部の先の方の黒い部分が少ないという点で見分けることができます。

【より詳しい観察レポート】

糸田川で自然観察をしていると、土手の柵にオオキンゲイギクという黄色い花を植えたり拡げたりすることが禁止されているという内容のポスターがありました。オオキンゲイギクは特定外来生物に指定されておりその強靭さゆえ在来の野草を駆逐し当たりの景観を一変させてしまう性質を持っています。かつては冬季のグランドカバー効果が高く花枯れ姿が汚くないという理由で緑化のため道路の法面やポット草として利用されていました。

私が観察したときには、ほとんど枯れていましたがオオキンゲイギクと思われる植物を見つけました。私は以前にも糸田川で特定外来生物のヌートリアを見たことがあります。

これらの動物は生態系に大きな影響を与えます。観察から、私は人間による持ち込みがその動物がもとある生態系に被害を及ぼす原因の一つだと考えました。私たちは、その後の影響をよく考慮した上で行動選択をしなければならないと思いました。

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