わたしの超自然通学路
熊野 みゆう
大阪府
関西創価高等学校
高校1年生
全体説明
私の住んでいる交野市は、七夕伝説発祥の地でもある自然豊かな土地です。この自然観察をするにあたり、もともと滝周辺の観察をしようと思っていたのですが、思ったより生物がおらず肩を落としていたところ、近くにあるいつも通っている通学路のことを思い出し調査をしました。
滝では陽が全くあたらずシダ植物等の陰性植物が多かったのに対し、陽がガンガンあたる通学路ではタンポポ等の陽性植物が多いというのが分かり、思わぬ形で違う2地点を比べられたのでよかったです。一本道なので観察しやすく、用水路もあるので、水中の生物も調べられました。周囲は田で囲まれています。毎日通う道を改めてじっくり見ることで発見できたことが多かったです。
観察ポイントごとの説明
①カンナ
まず目に入るのはくっきりとした黄と緑のストライプの葉です。私が見たのはオレンジの花のカンナでしたが、しおれていて暑さがたたったのかなと思いました。球根植物だそうです。
②柳
やなぎは世界に350種類あり、日本ではシダレヤナギを指すことが多いらしいです。私が見たやなぎは、おそらくシダレヤナギで、その名のとおりしだれており、細長い葉をつけていました。又、黄色くなった葉が落葉していることもありました。
③えのころ草
別名「ネコジャラシ」といい、誰もが見たことのある草です。ふさふさした花穂が犬の尾に似ていることから、犬っころ草→えのころ草という名前になったそうです。観察すると、広範囲にいたるところに生えていました。
④コスモス
鮮やかなピンクや紫のコスモスが生えていました。コスモスは秋というイメージでしたが、真夏にも生えているんだと知りました。実際は6月~11月と長いらしいですが、「夏咲き」「秋咲き」「早咲き」の③つが入れちがいに咲くからだそうです。
⑤柿
最初に見た時、まだ青いし、何の実だか分かりませんでした。母親に写真を見せると、柿ではとのことだったので、調べると柿の実でした。もう一度見にいくと確かにうすく筋があり、見覚えのある葉もありました。(へたの部分)秋になると色づくと思うので、通学も楽しみです。
⑥ハグロトンボ
用水路に目を止めたところ、葉で羽を休めている黒いトンボがいました。胴体の色が青と緑のキラキラした光沢がとてもきれいなのが、特徴です。メスは全身真黒とのことなので、私が見たのはオスでした。
⑦アブラゼミ
たえずミンミンという声が聞こえてきます。大きな木があり、そこからも聞こえてきました。観察中に上空に何か飛んでいるなと思うとセミだったことが多かったです。
⑧ナツアカネ
最も頻繁に見た生物です。通学中にも何回も見たことがあり、アキアカネかなと思っていましたが、調べるとナツアカネという名前で、初めて聞きました。バラバラにいることより、集団でまとまっている、同じような場所にいることが多かったです。ハグロトンボとちがい、めちゃくちゃ飛び回っていました。
⑨ツユクサ
きれいな青の花弁です。白く長い雄しべが特徴的でした。早朝の5時頃開花し、午前中に閉じる花です。昔は藍染めに使われたそうです。湿ったところに生息するとのことで、葉に露がついていたのは何か関係があるのかなと思いました。
⑩アメンボ
用水路の中にいました。足先の毛だけを水面につけて毛が水をはじく表面張力を利用して浮いているそうです。浮いているのをあたりまえに思っていたけれど、しくみを知るとおもしろいなと思いました。
⑪タンポポ
陽あたりに良いところに生えています。一年をとおして、綿毛になったり枯れていたり、季節を感じます。
⑫ツバメ
田んぼの上に飛んでいました。スピードが速く、観察といっても一瞬でいなくなりました。一生は、夏と冬を別の場所で過ごす、渡り鳥ということを初めて知りました。
⑬ニホントカゲ
体に黒と黄のしま模様が入っていました。又、尾が青色でとても鮮やかです。コンクリートの壁にベッタリと貼りついていたのでとても驚きました。大人になるにつれて尾の色や体のもようがなくなるらしいので、子供を見られてラッキーでした。
【より深い観察レポート】
⑥ハグロトンボについて
交野は水がきれいなことでも有名です。近年のハグロトンボの個体数減少の原因は水質汚濁や河川改修が原因だそうで、交野の自然の豊かさを再確認することができました。ハグロトンボは完全に体が成熟して大人になるまで元いた水辺の近く、草地などの日陰で休む習性があり、休む時は他のトンボのように羽を広げず、閉じたままであることも特徴です。用水路の中など普段見ることのない場所の中を観察することで新たな生物を知ることができ、また水質をきれいに保つためにはどうすればよいか考えるきっかけにもなりました。