小さい頃の思い出 冑山ロード
河原凌華
兵庫県
賢明女子学院高等学校
高校1年生
全体説明
私の住んでいる手柄校区は、姫路駅にも徒歩十五分であり近くにはショッピングモールもあるという都会的な所にありながら、手柄山など昔ながらの風景を思い出させる田舎的な所もすぐ近くにあります。
今回は、そんな手柄校区でも私の家に最も近い冑山周辺を紹介します。
この冑山周辺は、私が小さい頃からの思い出の場所です。春には、野原一面に広がるシロツメクサでかんむりを作ったり、たんぽぽの綿毛を飛ばし友達と遊びました。夏には、父親とセミ捕りに出かけました。また秋には、近づく祭りのため広場で太鼓の練習に励みました。冬は、もちつきや冑山神社にお参りに行きました。
そんな、冑山周辺ですが今の学校とは正反対の場所にあるためほとんど行かなくなりました。そこへ、今回久しぶりに行くと冑山は昔と変わらない姿で私を向かえてくれました。
観察ポイントごとの説明
ポイント(1)
夏になるとよく聞く音の一つには入っているのはミンミンゼミの「ミーンミーン」という声でしょう。このセミの声を聞くと、「あー、夏が来たな。」と思うと同時に体感温度が二、三度は上がるように感じて、暑い夏がさらに暑くなるように思います。ですが、セミというのは何年もの長い間土の中で眠っているにもかかわらず、木の上で鳴けるのは一週間程で、そこで一生を終えます。
ポイント(2)
野原の奥へ行くと一面にヨモギが群生していました。夏に見たヨモギは、まだ若く、本来は一メートル程のヨモギでも十センチにも満たない程で、とてもかわいらしく感じられました。ヨモギの旬の時季は春で、餅に入れてヨモギ餅として食べられることがポピュラーです。私はヨモギ餅を食べたことがないので、春になったら、ヨモギの若葉を摘んで、ヨモギ餅を作ってみたいです。
ポイント(3)
ひまわりは漢字で書くと、「向日葵」または「日回り」と書きます。二つ目の字からわかるように、太陽を追って花がまわるという言い伝えがありますが、実際にはほとんどまわりません。私はいままでひまわりは、茎一本に対して花が一つだと思っていました。ですが、この野原にあるひまわりは、直径五センチもある茎に花がいくつもあり、ずっしりとしてたくましかったです。
ポイント(4)
野原のすぐ横にある田んぼへ近づくと、ぴちゃぴちゃと音がしてきます。田んぼを覗くと小さなトノサマガエルがたくさん、元気良く跳ねています。その様子を見ていると、五月~六月頃に生まれたトノサマガエルがおいかけっこをしているようで、見ていて楽しかったです。また、時々私の前に跳んできて、私の顔をうかがってきているようなところもとてもかわいらしかったです。
ポイント(5)
田んぼを通り抜けて橋の上から川を見ていると、黒い群集が目の前をすばやく通り抜けていきます。目をこらしてよく見るとメダカでした。メダカは、二十匹ほどで群れを作り、全員でボートのような形をして泳いでいます。私が川の横からおいかけようとすると、「敵が来たぞ。」とでも言って、先頭をリーダーにして私から逃げているようでした。
ポイント(6)
川をつたいながら踏切を過ぎると、川の流れは穏やかになってきました。そこでふと、川に生えている草を見ると羽が真っ黒なハグロトンボが止まっていました。ハグロトンボは地方によっては、お盆頃に表れ幽玄な雰囲気を漂わせている様子から、「神様とんぼ」とも呼ばれています。私はハグロトンボの真っ黒な羽と緑に輝く体の色づかいも神様とんぼという名前にぴったりだと思いました。
ポイント(7)
続いて小道を歩いていると「キチキチ」という音が聞こえてきます。草むらを見てみると、保護色で草むらにまぎれているショウリョウバッタを見つけました。原っぱなどを歩いていると小さなショウリョウバッタが、ぴょんぴょんとたくさん跳んできます。ショウリョウバッタは日本のなかでは最大種で類似種ではオンブバッタやショウリョウバッタなどという名前のバッタもいます。
ポイント(8)
ハグロトンボに引きかえイトトンボは、体が細く、羽も透明で他のトンボに比べて小さめです。私がみたイトトンボの胴体は青でしたが、他にも黄色や赤色のイトトンボもいて、とても色が鮮やかです。またイトトンボは、環境の変化に敏感で種類によっては減っている種もいます。今は、本州でも多く見られるようですが、数十年後でも、今よりも多くのイトトンボが見られることを願います。
ポイント(9)
もう一度踏切を渡り、少し広めの川を見ると石があり、いかにもザリガニがいそうな雰囲気があります。棒で石を引っくり返してみると、砂ぼこりを上げながら即座に逃げていきました。釣るとザリガニは威嚇をして両手を上に上げます。それを見ると、ばんざいをしているように見えて、ザリガニは怒っているのに私にはかわいらしく思いました。
ポイント(10)
シオカラトンボの雄は名前の通り、きれいな水色と白と黒のコントラストでとても夏らしい、すがすがしい色をしていますが、雌は麦藁色でムギワラトンボとも呼ばれています。自転車に乗って川のそばを走っていると、よくシオカラトンボを見かけます。そして、いっしょに走るかのように少しついてくることもあります。私は、このシオカラトンボの夏らしい色が好きです。