応募期間

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受賞作品一覧
佳作
第30回 高校生の部

太古と自然を感じるお気に入り散歩道

岸本苑華

兵庫県
賢明女子学院高等学校
高校1年生

全体説明

私が住んでいる勝原枝区は姫路市の南西部に位置し、姫路市の良好な居住地域として位置づけられています。朝日山や壇特山を西・北に、東に京見山、中を割って入るように大津茂川が南に向かって流れています。この地は太古の昔から人が暮らしていたようで、遺跡や史跡が多く残っており、埋蔵文化財の包蔵地が広く分布し、枝区全体が歴史に包まれた地域となっています。山に囲まれ、田畑が広がり、川や池もあるため四季折々の自然や生き物を目に入れることが出来ます。また、それぞれの村では季節にともない、祭りや伝統行事もとり行われています。今回のコースも朝日山のふもとの愛石神社から大津茂川にいる水辺の生き物を観察してのどかな田畑のあぜ道をとおり、住宅地をぬけて京見山のふもとである丁池までのコースで、私が幼い頃から親しんでいるお気に入りの散歩道となっています。

観察ポイントごとの説明

1. 自宅近くの愛石神社のまわりには、竹やぶや木々が多く茂っているためいろいろな生き物がいます。お盆の時期にはこの広場で「火揚げ」という行事も行われます。「力石」といって昔の人が力試しに使っていた大きな石も残っています。「火揚げ」の時によく鳴いてるのがクマゼミです。最も発生のピークなのか、すごい鳴き声です。この声を聞くだけで厚さが増すように思います。

 

2. じっくり草むらを見てみると、カマキリやトンボをみつけました。この辺りはシオカラトンボやイトトンボ、アカトンボが見かけられました。シオカラトンボは体についている粉を潮に見立てたのが名前の由来です。以前、テレビでカマキリの体の中に寄生する、ハリガネムシというのがいて自分が充分成長すると水辺へと誘導し、水を感知すると産卵のためカマキリの体内から出てくるというのを思い出して気持ち悪くなりました。

 

3. 大津茂川まで出てくると、視野がとても広がります。体は青みがかった灰色の羽毛で覆われているアオサギもよく見かけます。土手のところにじっと立って川の中の魚を物色しています。他の鳥に比べて大きいせいか、風になびかれながら立っている姿は、ちょっとりりしくて見とれてしまうくらいです。でも家の屋根によくフンをされるとまっ白に汚されて困ります。

 

4. 淡水域・海洋・砂漠・草原・森林など様々なところに生息するカメですが、ここ大津茂川辺りでもよく見かけます。時々、土手を登ってくるのか、道に上がってきてゆっくり散歩しているようですが車にひかれた姿は最悪です。この間も家の玄関前をのんびりと歩いていたのでお父さんと川に戻しに行きました。川にはなして、スィーと泳ぐ姿は陸の姿と全く違い驚きです。

 

5. 川をのぞくとコイもよく泳いでいます。コイは外見はフナに似ているけれど、頭や目が体に対して小さく口もとに2対の口ひげがあるそうです。この辺りには金色っぽいコイがいるのを釣りの人や子供が捕まえようと必死に網をもって追いかけている姿もみられます。でもコイの方がなかなかお利口でえめったなことでは捕まえられないようです。捕まえても写真をとったら逃がしているそうです。

 

6. 水辺を散歩しているカモは見ているだけでいやされます。日本ではカルガモ、オシドリなどが近年生息しているらしく、全国の河川や湖でみられます。多くは冬鳥であるようで特に冬場は、マガモ、コガモ、オナガガモ、スズガモなど多数います。連なって水辺を散歩している姿はとてもかわいくて、えさをやったり、カメラを持って写真におさめている人もいます。

 

7. 橋を渡ると、サイクリングロードが見えます。早朝や夕方にはジョギングや散歩、サイクリングをする人を見かけます。川辺のせいか、夏は涼しくて気持ちがいいでようです。田んぼの中のあぜ道を歩いていくと、楠の木の大木が見えます。この大木は勝原小学校のシンボルツリーの大楠と兄弟木と言われています。小鳥達のいこいの場です。

 

8. 春には、とてもきれいな桜が咲く西汐入川沿いの桜並木を抜けると、瓢塚古墳が見えてきます。かつては100基余りの古墳が存在していましたが、そのほとんどが宅地造成にともなって消滅しました。この辺りには他にも遺跡などが多くあり、土器が発見されたりすることがよくあります。今ではバッタやコオロギの住み家にいいようです。

 

9. 京見山から丁池に流れる河口付近にビオトープを造園し、自然の植生を残して保護するよう努力されているようです。オニバスは日本では本州、四国、九州の湖沼や河川に生息していたが、環境改変にともなう現象が著しいらしいです。夏ごろに巨大な葉を水面に広げます。また少し離れたところでは蓮根栽培がされ、お盆の時季にはきれいな花を咲かせます。

 

10. ジュンサイは、日本では北海道~九州、及び南西諸島に分布しますが、すでに絶滅した地域もあるそうです。多年生の浮葉植物、スイレンなどと同じように葉を水面に浮かべる水草で、済んだ淡水の池沼に自生します。若芽の部分を食用にするため、栽培されている場合もあります。この辺りの丁池のまわりもジョギングや散歩されている人が多くいます。

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