応募期間

今年の募集は終了しました。ご応募ありがとうございました。

受賞作品一覧
佳作
第30回 高校生の部

海の大島散歩

柳瀬聡子

東京都
東京都立大島高等学校
高校1年生

全体説明

私の住む伊豆大島は、海の中から噴出した海洋島で中心に三原山という活火山があります。とても自然が豊かで山の風景と海の風景のどちらも身近にかんじることができます。

今回私がテーマに選んだのが、サンセットパームライン海辺の道です。そこからは海も山も見ることができ、特に伊豆半島に沈んでゆく夕陽がとても幻想的です。また、海風が気持ちよく、いろいろな植物や動物に出会うことができます。

ここで出会える植物たちは、海岸線なので常に海風を浴びながらもたくましく生きています。地図には描ききれませんでしたが、四季折りおり、色々な花で彩られています。動物では、海にも山にも開けているので、特に多くの鳥たちに出会うことができます。運が良ければツバメとメジロのように植物と動物の2ショットも見ることができます。そんな景色を撮った写真を地図に貼ったようなイメージで私の自然観察路を描きました。

観察ポイントごとの説明

観察ポイント1

ウミウはウ科で、全長84cmから92cmの全国の海岸でみられる留鳥または漂鳥です。全身は緑色の光沢がある黒い羽毛に覆われています。大島では、サンセットパームラインを歩いていると三原山の溶岩でできた岩場やテトラポットで翼休めをしている姿が見られます。繁殖期にあらわれる首もとの白い色が首飾りのようできれいです。

 

観察ポイント2

ハマヒルガオはヒルガオ科の、砂浜に生える多年草です。根茎は砂の中をはい、茎は砂の上をはっています。葉は腎臓形です。サンセットパームラインでは、5月から7月に淡紅色の花が群れて咲き、砂浜や道脇を美しく彩ります。

 

観察ポイント3

スカシユリはユリ科で海岸の草原に生える高さ20cmから60cmの多年草です。葉は厚く光沢があって長さ10cmぐらい、真直ぐ立った茎の頂きに1~3個の黄赤色の花が上向きに咲きます。花びらの元に隙間があるので病気、盗掘、海岸工事等で少なくなりました。この海岸では、ハマカンゾウという同じユリ科の仲間も見ることができます。

 

観察ポイント4

ハマナデシコはナデシコ科で海岸の岩地やその近くに生える高さ20cmから50cmの多年草です。茎は太くて株になって頑丈、葉は対生、厚く光沢があります。茎の頂きにたくさんの紅紫の5弁花をつけ、6月から11月にかけて浜を彩ります。同じナデシコ科の仲間、シロバナマンテマは、外来種ですが5月から7月ごろ海岸でよく見ることができます。

 

観察ポイント5

キジはキジ科で、日本の国鳥として有名です。全長オスが81cmほど、メスが58cmほどです。翼開長は77cmです。オスは翼と尾羽を除く体色が全体的に美しい緑色をしており、頭部の羽毛は青緑色で、目の周りに肉腫があります。背中に褐色の斑がある農い茶色の部分があり、翼と尾羽は茶褐色です。メスは全体的に茶褐色です。伊豆緒島に分布しているのはシマキジとされていますが、放鳥が多く、純粋性が失われている様です。

 

観察ポイント6

ハマユウはヒガンバナ科で海岸に生える常緑の多年草です。葉は長さ40から80cm、多肉でなめらかで光沢があります。花茎は高さ50cmから80cm、頂きに白花を散形花序にたくさんつけます。実は大きく、3裂して現れる種子は水に数ヵ月浮いても発芽します。海流で散布される植物です。別名はハマオモトと言います。夕方になると香りが道路に漂よいます。

 

観察ポイント7

ガクアジサイはユキノシタ科の落葉低木林の縁や海岸、民家の庭など伊豆大島のいたるところで見られます。中央の両性花とまわりの装飾花からなり、装飾花が額縁のようなのでガクアジサイといいます。伊豆緒島の固有種で、園芸種のアジサイの原種です。入梅時に咲く花です。

 

観察ポイント8

ハマエンドウはマメ科で、海岸に生える多年草です。茎はつる状にのびて地上をはうか立ち上がります。立った高さは30cmから60cmです。葉は偶数羽状複葉。葉の腋から長い花柄をのばし、紫紅色の美しい蝶形花を3から10個つけます。種子もできるけど、地下茎でも繁殖します。仲間にハマナタマメがあります。

 

観察ポイント9

ハシボソガラスはカラス科で、全長50cmほどの、平地から低山に分布する留鳥です。全身が光沢のある黒色をしており、雌雄同色です。外から見える羽は黒いけど、皮膚に近いところの短い羽毛はダウンジャケットのように白く柔かな羽毛で寒さに非常に強く冬も平気で水浴びをします。ハシブトガラスに比べ、クチバシが細く上クチバシがあまり曲がっていません。

 

観察ポイント10

トンビはタカ科で、トビとも言います。ほとんど羽ばたかずに尾羽で巧みに舵をとり、上昇気流に乗って輪を描きながら上空へ舞い上がります。全長は60cmから65cmほどでカラスより一回り大きい。翼開長は150cmから160cmほどになります。ときどきカラスとけんかしている姿をみかけることがあります。

 

観察ポイント11

メジロはメジロ科で、全長12cmほどでスズメより小さく、翼開長は約18cmです。緑がかった背と暗褐色の羽を持ち、雌雄同色です。目の周りの白い輪が特徴であり、名前の由来となっています。食性は雑食だけど、花の蜜や果汁を好み、大島では椿に群がる様子が見られます。

 

観察ポイント12

ヤブツバキはツバキ科の常緑高木で伊豆大島を代表する植物です。花の色は紅色で、まれに白やピンクもあります。花の形も色々ありますが、実は椿油に、材は工芸品などに使われます。大島では2月から3月の椿まつりに多くの観光客が来島します。なお、私の通う大島高校には椿園があり、日本全国のツバキ約350品種の花を楽しむことができます。

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