応募期間

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受賞作品一覧
優秀賞
第25回 高校生の部

みんなの森の案内図

野田千織

徳島県
徳島県立城南高等学校
高校2年生

全体説明

徳島市の中心部から、南へ約5km。緑がまぶしい丘陵地に位置する徳島県立文化の森総合公園は、さまざまな動植物の宝庫だ。サクラやアジサイ、モミジ、県木であるヤマモモなど、四季折々の植物が茂り、小鳥のさえずり、セミの声が響く自然のままのこの公園は、人々の憩いの場となっており、日々多くの家族連れや、散歩をするお年寄りらでにぎわう。また、公園に寄り添うように流れる園瀬川は、清らかな水をたたえ、川に生きる貴重な命を育み、ホタルをはじめ、メダカやカワゲラなどの水生生物のほか、愛らしいカモの親子といった鳥たちのすみかともなっている。輝く太陽のもとで、せせらぎの音に耳を傾けながら、たくさんの生命の営みをかいま見、ふれあうことのできる文化の森総合公園で、私達は改めて自然や命の尊さを教わるだろう。

観察ポイントごとの説明

(1)

 落葉樹であるケヤキは、季節ごとに、私達にさまざまな表情を見せてくれる。夏には、さんさんと降り注ぐ太陽の光を浴びて葉を茂らせ、アブラゼミやクマゼミのすみかとなり、秋には一斉に葉を落とす。真っすぐにのびた木立の間を歩いていると、すがすがしい気持ちになる。

 

(2)

 ここでは、アブラゼミやクマゼミ、ヒグラシの姿が多く見られる。これらのセミの多くは、ケヤキの幹の高さ1.5mあたりに止まっているが、鳴き方に大きな違いがある。アブラゼミは「ジージー」と暑さをかき立てるように鳴き、クマゼミは主に午前中に「シャーシャー」と鳴く。また、ヒグラシは夜明けや夕暮れに、高く美しい声で「カナカナ」と鳴く。

 

(3)

 淡い青色や紫色など、色とりどりのアジサイが見られる。初夏、雨にぬれて咲くその姿はとても美しい。アジサイは、白っぽい色から徐々に青紫色に変わることから、「七変化」とも呼ばれる。また、薬用効果もあり、花や葉は熱病の治療に使われるそうだ。

 

(4)

 ここからは徳島市の市街地や、さだまさしさんの小説の舞台となり映画化された、徳島市のシンボル「眉山」、また、紀伊水道までもが一望できる。春には遊歩道が桜のトンネルとなり、ウグイスが枝から枝へと飛び回り、さえずる姿が見られる。

 

(5)

 この辺りは、多くのカブトムシやクワガタのすみかとなっているため、虫捕りに訪れる親子連れをよく見かける。いずれも日本では最も体の大きい昆虫の仲間である。角または大あご、体の大きさは、幼虫時代の食べ物や気温などの生育環境に左右されるそうだ。

 

(6)

 所々に立っている看板に書かれた文字は「マムシ注意」。危険な毒ヘビであるマムシと一般的なヘビとの見分け方は、頭の形だそうだ。一般的なヘビに比べ、マムシの頭は大きく、三角形である。また、万一マムシに咬まれた場合は、応急処置の後、血清治療を受けることが望ましい。マムシの毒性は強いが、少量であるため、命にかかわるようなことはほとんどない。

 

(7)

 遊歩道の両側にはツツジが植えられていて、5月頃になると赤・白・紫・橙など大型の美しい花が、訪れる人の目を楽しませてくれる。日本には40~50種が自生しており、観賞用として古くから栽培されてきた。

 

(8)

 この辺りはとても静かで、自然のままの森が広がっており、ギンヤンマやニイニイゼミ、タマムシなど、さまざまな昆虫が見られる。タマムシの翅は、法隆寺の玉虫厨子で知られるように、金緑色で光沢があり、金紫色の2条の縦線がたいへん美しいため、古くから各種の装飾に用いられた。

 

(9)

 ここでは、毎年冬になると、水の上を一列になってすべるように泳ぐ、愛らしいカモの親子の姿があちらこちらで見られる。冬に北から渡来するものが多く、雌雄で色彩が異なるのが特徴。巣は地上や樹洞などに作る。足の指には水かきがあり、泳ぎが巧みである。

 

(10)

 この辺りでは、毎年、夏の夜の風物詩である蛍の飛び交う姿が多く見られる。暗闇で光る蛍の涼しげな光を見ていると、暑さも忘れ、どこか懐かしい、不思議な気持ちになる。蛍の他にも、メダカやカワゲラ、ザリガニなどの水生生物の姿も見ることができる。

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