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今年の募集は2025年6月1日 (日)から開始します。

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環境大臣賞
第42回 団体の部

海・川・山に囲まれた西表島(希少種ギュッ)干立村冒険マップ

西表小中学校全児童生徒

沖縄県
西表小中学校
小学校1年生

全体説明

(*学年欄に「小学生1年生」と表示されていますが、小学1年生から中学3年生による合作です)
西表島の干立集落は、海、山、川に囲まれた自然と人が共存する小さな集落です。この冒険マップは、干立集落周辺の自然環境や文化遺産なども描き入れながら、訪れる人々に新たな発見と感動を届けることができれば…との思いで作成しました。希少な野生動植物の観察スポットを中心に作成し、八重山の原風景が色濃く残る地域で伝統文化や歴史に触れられる史跡や集落の風景も訪れた人に楽しんでもらえればと思います。また、四季折々の風景も楽しめ、訪れた観光客にも心に残る旅の思い出を作るためのマップとなれば嬉しいです。近年、西表島を訪れる観光客が増え、レンタカーと野生生物の衝突事故(ロードキル)などが多発しています。島の人々が保全活動に取り組むなか、訪れる観光客にも自然と人が織りなす西表島の暮らしや、ルールを守って過ごしてもらい、野生生物に気をつけながら存分に島の自然を体感してもらいたいと思いこの冒険マップを作成しました。

観察ポイントごとの説明

<1学校周辺のポイント(イリオモテヤマネコ)>

私達の学校は海岸沿いに位置しオオガニなど多くの生き物が見られます。これらの生き物を狙ってイリオモテヤマネコが出没します。以前学校で飼っていた鶏がイリオモテヤマネコに襲われるという事件がおきました。この事件をきっかけに鶏小屋を作り、夜は小屋の中でニワトリを飼っています。2023年3月には、仕掛けていたカメラにイリオモテヤマネコを撮影するのに成功しました。レンタカーを運転する観光客に注意を呼びかけています。

<2集落内ポイント(アカショウビン、カンムリワシ、セマルハコガメ、ツマベニチョウ、サキシマハブ、リュウキュウコノハズク>

集落内には人々とともに多くの生き物たちが暮らしています。民家の庭先に出てくるセマルハコガメ。3月うりずんの季節になるとピーヒョロローとアカショウビンの可愛い鳴き声が集落内に響きます。石垣を隠れ家にするサキシマハブを狙いカンムリワシも時々現れます。干立集落には竹富町の蝶である白蝶最大のツマベニチョウも見られます。夜にはリュウキュウコノハズクのホホーという鳴き声とオジーの弾く三線の音色が心地よいです。

<3海岸ポイント(ミナミクロダイ、ウミショウブ、タイマイ、イソフエフキ、ムラサキオカヤドカリ、サクララン、イリオモテアザミ)>

ウミショウブは近年世界で少なくなってきている海藻の一種です。少なくなってきている原因はアオウミガメの増加です。タイマイは、尖った口と瓦のように重なったきれいな甲羅が特徴の熱帯、亜熱帯に生息するウミガメの一種です。主食は主にカイメン類、カニやエビ、クラゲも食べるので、雑食性です。海岸では天然記念物のムラサキオカヤドカリや、食材としてのイリオモテアザミ、かわいらしいサクラランも見られます。

<4田んぼポイント(ヤエヤマヒメアマガエル、ヒメツルアダン)>

八重山諸島に分布する日本最小クラスのカエルで独特の体型と小さな頭部が特徴です。ヤエヤマヒメアマガエルのおたまじゃくしは半透明です。成体は主にアリなど小さな昆虫を食べます。雨の日に道路に出てきて、よく車に轢かれて死んでる姿をみると悲しくなります。

この田んぼポイントは、金座山から伏流水が湧き出てて1年中、きれいな水がわいています。田んぼから見える山の斜面には、希少種であるヒメツルアダンも生息しています。

<5金座山ポイント(ヤエヤマヤシ、ヨナグニサン、ヒメツルアダン)>

集落の北側にある金座山は津波避難所としても指定されている場所で、湧き水も湧いており多くの生き物が住んでいます。特に山の中腹には石垣島と西表島のみに生息する八重山の固有種であるヤエヤマヤシの群落やヒメツルアダンなどの希少な植物が見られます。また世界最大の蛾で沖縄県の天然記念物のヨナグニサンも生息しています。大きな羽が30cm近くになることがあります。

<6湿地ポイント(オオシラタマホシクサ、スイシャホシクサ、ミミモチシダ)>

近年干立村の湿地に生える希少な植物は外来種の植物に侵入により、急激に減っていっています。特にスイシャホシクサは国内でも干立村の田んぼにしか生息が確認されておらず、絶滅危惧種IA類に指定されています。湿地に生える一年草で茎はごく短いです。オオシラタマホシクサは西表島に生育しています。その名の通り、白い玉状の花が特徴で、ホシクサ類には珍しい多年草です。ミミモチシダは日本国内では、八重山諸島の石垣島、西表島、与那国島にのみ自生しており、特に干立の群落は国の天然記念物に指定されています。潮位が高いときに潮が入るような場所に生育し、干立の湿地は県道の道を挟んでマングローブ林が広がっており、道路下から湿地への海水の流入が考えられます。この湿地には他にも貴重な動植物が生息しており、今後とも保護活動とともに調査・研究が求められるポイントでもあります。近くにある田んぼでは環境保全のため、無農薬で稲作が行われてます。

<7畑ポイント(リュウキュウイノシシ、イロモテボタル)>

夏になるとリュウキュウイノシシの食べ物である山の果実が少なくなります。イノシシは食べるものがなくなり、食べ物を探しに山から畑へ降りてきます。リュウキュウイノシシはミミズとか昆虫を食べるため畑がボコボコに掘られます。また、畑や集落内で、イリオモテボタルの生息が確認されています。冬に活動し、気温が低いほど発光が強くなります。メスの発光は短時間で、周囲が明るくなるとすぐに消えてしまいます。

<8道路ポイント(キシノウエトカゲ、サガリバナ>

西表島の干立集落の道路脇にも、様々な動植物が生息しています。道路に出てきたキシノウエトカゲが車にひかれ死んでいるのをカンムリワシが食べにきます。道路のわきにある林からはキシノウエトカゲが落ち葉の上をガサガサと移動する音がよく聞こえてきます。道路を挟んで集落の反対側にはマングローブ林もひろがり、湿地に生息するサガリバナも見られます。夜に花を咲かせ、明け方には散ってしまう神秘的な花です。

<9マングローブポイント(ノコギリガザミ、オヒルギ、ヤエヤマヒルギ、オキナワアナジャコ)>

与那田川の河口に広がるマングローブ林には、オヒルギやヤエヤマヒルギなどの汽水域に生息するヒルギ類が見られます。不安定な湿地で体を支える支柱根が発達した根が特徴的です。ヒルギの根本には大きな泥の塚があり、そこにはオキナワアナジャコが住んでいます。その他にも大きな爪を持つノコギリガザミが生息しており、日本最大の二枚貝シレナシジミを主食としてます。ノコギリガザミは地元の漁師さんたちが取って食べたりしています。

<10沢・用水路ポイント(オオウナギ)>

小学生が犬の散歩で見つけたオオウナギは田んぼわきの用水路に住んでいて、全長が約2mまで成長します。用水路ではオオウナギがよく見られ、下校中小学生が見つけようと毎日そこを通って観察してます。用水路にはオオウナギが食べるベンケイガニやオカガニがいます。オオウナギを初めて発見したときは、はじめ木の枝か何かかなと思ったけど、にょろにょろ動いて3~4匹集まっていてビックリしました。

西表小中学校(全児童生徒) 作成メンバーと役割

マップ作成リーダー: 中学3年生・山下青生、小学6年生・伊谷友希乃

小学校

1学年:星洸人・古見茉子(水辺の生き物採取)

2学年:荒木凛子(昆虫、水辺の生き物採取)

5学年:斉藤幸佑(オオウナギ観察ポイント解説)、宮城志門・山下満(干立集落内生き物紹介)

6学年:伊谷友希乃(全ポイント生き物紹介・解説文作成)、那良伊陽央(金座山ポイント生き物紹介)

中学校

1学年:川端陽菜・水谷貫太・吉田紗葉(生物スケッチ・イラスト)

2学年:阿久津怜夏・下地葵(生物スケッチ・イラスト)、長澤すず(湿地ポイント案内・解説文作成)、宮城美言(畑ポイント解説文作成)、山下みるほ(生物イラスト・色付け)、山下航(海ポイント解説文・魚類イラスト作成)

3学年:江袋李音・那良伊しん・山下青生・下地涼助(生物スケッチ・イラスト・全体解説文作成)

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