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受賞作品一覧
優秀賞
第41回 団体の部

姉弟で逆川緑地大冒険 Part4

逆川緑地自然観察隊(代表・園部柚玲彩、園部優穂)

茨城県
茨城大学教育学部附属中学校・小学校
中学校2年生

全体説明

私たち姉弟が紹介する逆川緑地は、茨城県水戸市にある逆川沿いに広がっている自然豊かな公園です。これまで四回にわたって観察を続けてきましたが、二人で観察をしていると、観察の視点がそれぞれ違い、逆川緑地についてより深く知ることができます。
今回紹介するのは、広い公園内の北側に位置する場所です。逆川をはさんで東側には、雑木林や湿地を通る木道があります。ここは晴れている日でも涼しく、様々な生き物が発見できるので、四季折々、散歩している人を楽しませてくれます。そしてふれあい橋を通り西側へ進むと、気持ちのよい芝生の広場や散歩コース、水遊び場が広がっています。幅広い年齢層の人々が逆川緑地での時間を思い思いに楽しんでいます。
自然がたくさんあり、とても気持ちのよい逆川緑地に、皆さんもぜひ訪れてみてください。

観察ポイントごとの説明

<1木道へ続く階段>

階段を降りる途中に、カナヘビが日なたぼっこをしているのを見つけました。長さは20センチメートルほどで、薄茶色の体とキリっとした目が特徴的です。近くで見ようとすると、すばやく階段のわきの草むらへ逃げていってしまいました。カナヘビは敵から身を守るためにしっぽを切って逃げることもあります。

<2木道>

木道を進むと、ハグロトンボが数匹飛んでいるのが見られました。真っ黒の羽に、尾が青緑色に光っていて、日陰の暗い場所でもキラッと輝いていました。小さな音にも敏感に反応してしまうので、草にとまった所をそっと近づいて観察すると、黒い目と足がよく見えました。止まっている時は四枚の羽を一枚にとじていました。

<3木道のわきの休憩所>

ここには大木が一本あり、その周りにカラスウリが生えていて、大木にからみついていました。よく見ると、葉の合間から明るいオレンジ色やスイカのような模様をした緑色のカラスウリがなっているのが見えました。大きさは2~3センチメートルの楕円形です。秋になるとオレンジ色に変わるので、オレンジ色の実は昨年のものかもしれません。

<4木道の下の湿地>

日陰の木道をぬけて開けた木道に入ると、湿地にメダカとザリガニを見つけました。木道から身をのり出してよく見ると、メダカは5~10匹ほどが群れですばやく泳いでいました。ザリガニは、赤くて体が立派なアメリカザリガニです。手でつかまえようとすると、尾を丸めて後ろに水中でとぶように逃げていきました。

<5木道の終わりにあるヤマグリの木>

湿地の中に木が生えていて、根や下の方の枝は水につかっていました。緑色で直径6センチメートル程のイガがたくさんなっていました。雑木林などに自生しているヤマグリは実が小ぶりでおいしと、近所の方が教えてくれました。

<6木道をぬけた先の草むら>

姿は見えませんが、「リリリリリ」というスズムシの鳴き声が聞こえました。歩くと、草むらの中に隠れているイナゴが姿をあらわし、ピョンピョンととび回っていました。そっとつかまえて観察すると、背中と羽は薄茶色で体は3センチメートル程のイナゴでした。イナゴは脚の力がとても強く、手から軽々と3メートルほどもとびました。

<7ふれあい橋の手前>

アオサギが通り過ぎていったので、上を見上げてみると、アオサギが翼を大きく広げて南の方へ飛んでいきました。逆川に降り立って、川の中のエサを探している様子も見られました。頭部についている冠羽は成長の証で、ひな鳥には見られません。

<8ふれあい橋>

橋から下の逆川をのぞくと、大きなコイが3匹、並んで泳いでいました。のんびりと同じ場所を行ったり来たりして、時々口を水面にパクパクとさせながら泳いでいます。コイは雑食性で、エサを食べる時に泥などもいっしょに吸いこんで、泥だけをはき出すそうです。

<9ふれあい橋をぬけた先にある芝生の広場>

この広場には、様々な種類の鳥たちが集まっていました。特に多く見られたのは、ハクセイレイとスズメです。ハクセキレイは、約20センチメートルで白と黒の体が特徴的です。スズメはハクセキレイより一回り小さく、群れで行動していることが多いです。

<10丘の上の木>

この木の周りには、アゲハチョウが飛んでいました。アゲハチョウには、春にチョウになる「春型」と、春型から生まれて夏にチョウになる「夏型」の二種類がいます。この時いたのは、春型よりも大きくて黒っぽい夏型です。

木の近くに行って下の方を見てみると、樹液があり、スズメバチやカナブンなど、たくさんの昆虫が集まっていました。朝に活動しているカブトムシは、カラスのエサになってしまうことがあり、死がいが落ちていました。そこで食物連鎖を改めて実感しました。

このように逆川緑地には、様々な生き物が住んでいます。いつ訪れても、四季折々の新しい発見が楽しめる逆川緑地に、皆さんもぜひ足を運んで、豊かな自然に触れてみてください。

 

<チーム名>逆川緑地自然観察隊

<代表者の氏名・学年>園部柚玲彩(そのべゆいさ)中学2年生

<その他のメンバー>園部優穂(そのべゆうほ)小学6年生

<役割分担>

絵地図:園部柚玲彩・優穂

生き物の絵:園部柚玲彩・優穂

説明文:園部柚玲彩・優穂

文清書:園部柚玲彩

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