田んぼの生態観察路
村田智也
茨城県
つくば市立小野川小学校
小学校6年生
全体説明
ぼくはつくば市の小野川小学校に通っています。つくば市は茨城県の南部にあり、東には霞ヶ浦、北には筑波山があります。つくば市は学園都市として有名ですが、ぼくの小学校までの通学路にはのどかな田んぼの風景が広がっています。
夕方になると、仕事から帰ってきたお父さんとよく散歩をします。散歩の途中でいろんな植物や生き物を見つけては、それについてお父さんと話をします。季節によって色が変わる田んぼやまわりの植物、鳥や虫の鳴き声や行動、ちょっと気をつけるといろんな発見があってとても楽しいです。
ある日散歩をしているとき、ここにいる植物や動物はどうしてここにいるのだろうということが気になりました。お父さんは「生き物はみんなわけがあってそこにいるんだよ」と話してくれました。そこで、どうしてここにこの生き物がいるのかを考えながら、生き物探しの散歩をしてみることにしました。
観察ポイントごとの説明
(1)小野川小の周囲
小野川小学校の校庭の南側には「小野川の森」があります。いろんな種類の木があるので、木の葉っぱを食べにくる虫のいろいろいます。その虫や木の実を食べにシジュウカラやヒヨドリなどの鳥が来ます。樹液の出る木にはカブトムシが来ます。落ち葉を集めて腐葉土にする場所にはカブトムシの幼虫がすくすく育っています。学校の周りの土手にはイヌムギなどのイネ科の草が生えていて、そこでキジが卵を温めていたことがありました。
(2)稲荷川沿い
稲荷川は農業用水路として作られた川で、田んぼに使うための水が流れています。川の中にはコイやフナがいますが、それ以外に外来生物であるブラックバスやブルーギルも見ることができます。稲荷川の水はつくば市中部のいろんな所から集まっていますが、霞ヶ浦からくみ上げた水も流れてきています。なので、霞ヶ浦に侵入した魚を見ることができるのです。土手の上には、水辺を好むセキレイがえさを探しながら歩いています。
(3)
小野川は稲荷川から分かれたせまい川です。ヨシが生えているので小魚はそれを隠れ家にして住んでいます。川の中の小魚を食べにカワセミやコサギがやってきます。川の土手にはエノコログサやイネ科の草が生えています。その実を食べにスズメが来ます。バッタがイネ科の草を食べに来て、そのバッタを食べにカエルが来ます。高いところからチョウゲンボウがえさを捕る姿はとてもかっこいいです。
(4)田んぼ近くの草むら
ヨシやオギが生えていて、キリギリスやいろんな虫たちの声が聞こえます。ヨシの中から、虫を食べるオオヨシキリの「ギョシギョシ」という大きな声が聞こえますが、姿はなかなか見られません。道の反対側の神社のもりには、カシ・シイ・ケヤキなどが生えていて、木の実を食べるコジュケイやシジュウカラがいます。コジュケイの「ピッピュクァィ」という鳴き声はよく聞こえるのに姿がなかなか見えません。姿をゆっくり見てみたいです。
(5)小野川小の田んぼ
ここの田んぼは、小野川小学校の五・六年生が田植えと稲刈りをしています。田んぼの中にはバッタ、イナゴ、カエル、オタマジャクシがいてそれを食べにダイサギが来ます。緑の田んぼの中に白いサギがいる風景はとてもきれいです。稲の汁を吸うウンカやヨコバイなどの小さな虫を食べにトンボが来ます。トンボはシオカラトンボ、コシアキトンボ、コノシメトンボ、ギンヤンマなどです。トンボの飛ぶ姿はかっこいいので大好きです。