生き物たちの声がきこえてくる地図 夏休み編
末永無我
熊本県
苓北町立志岐小学校
小学校4年生
全体説明
ぼくは、天草郡苓北町に住んでいます。苓北町は海にかこまれた自然豊かな町です。
八月二十三日、友達とお母さんと一緒に、町の自然探検に行きました。春休みに、自然探検した同じ道です。学校を出発して海まで歩きました。春休みは、ぽかぽかして遠足みたいな気分でしたが、今度はとてもあつくてあせがだらだら流れました。蚊にも、たくさんさされてかゆかったです。
春にはいなくて、夏にしかみられない生き物を見つけました。春より大きく成長している花も見つけました。春休みと同じ道を通っているのに、まるでちがう道みたいです。学校に帰ってきたら、あせぐっしょりでした。
「暑かったけど気もちのいいあせやったね。」
とお母さんがいいました。
生き物たちが、
「たくさん、ぼく達を見つけてくれてありがとう。」と言っている気がしました。もっと生き物たちの声を聞きたいなと思います。
観察ポイントごとの説明
(1)かしま神社
かしま神社にある桜の木に、クマゼミが止まっていました。体は黒っぽく、すきとおっているはねには、白いもようが少しあります。アミでつかまえようとしたら、おしっこをかけてにげていきました。
「短い一生だから、つかまえないで。」と言っているようです。葉のうらにくっついているセミのぬけがらを見つけました。三個ビニールに入れて持って帰りました。樹液にくっついているセミのぬけがらも見つけました。
(2)花と昆虫の道
志岐小学校から海までの道は、家がならんでいます。どの家も、季節の花を庭に植えています。春にみた花と同じものは、ひとつもなかったです。夏にしか見られない真っ赤なハイビスカスや小さな花が集まったランタナがきれいです。花ばかりを見ていると、頭の上にトンボがスーッとやってきました。
「ぼく達のことも忘れないで。」と言っているようでした。草むらを飛んでいるモンシロチョウやバッタも見つけました。
(3)干がた
今日は、大潮の日です。海の水がひいているので、広い干がたが観察できます。干がたで小さな生き物をたくさん見つけました。トゲトゲしているケガキをふむと痛そうです。石をうらにしてみると、ゴカイ、ヒザラガイ、カニ、ヤドカリたちもかくれています。石をうらにして観察したら、きちんと元にもどしてあげました。この生き物たちは、石のうらにいるのが好きなことを、ぼくは、知っているからです。
(4)岩かべ
岩かべにフジツボやカメノテがいました。カメノテは、波に負けないように岩の間にびっしりと生えています。ムラサキインコガイはカメノテの間に生えています。そっとさわると「ちゃんと生きているよ。」と言っているみたいに、ゆっくり少しだけ動きます。岩に群れになって、すばやく動くフナムシは、生き物の死がいなどを食べる海岸のそうじ役です。さわろうとすると、ササッと岩の間にかくれてしまいます。
(5)波止場
ぼく達が自然探検した時間は、干潮でした。満潮の時間に波止場を見に来たらびっくりしました。海水の高さがまったくちがうからです。広い干がたは、すっぽり海水にかくれていました。岩かべにくっついて生きているカメノテや、フジツボたちは、海水が高くならないとえさを食べられません。海水のプランクトンを食べるからです。
「おいしいえさを食べたいから海をよごさないでね。」と言ってるようです。
(6)川沿い
志岐川の横に、ハマユウがたくさんならんでいます。夏よりも葉の大きさは、二倍位になっています。花の見ごろは七月の始めなので、花はもう枯れていました。実は、重たくなって下にたおれていました。まるで「花が枯れたあとも、大切な仕事があるよ。」と言っているようです。ハマユウは、苓北の「町の花」です。苓北のマンホールのふたには、ハマユウの花と「町の木 ツバキ」が書いてあります。