湯の沢山菜採りの散歩道 ~西川材の里山と清流を楽しむネイチャートレイル~
平井満帆
埼玉県
飯能市立名栗小学校
小学校6年生
全体説明
私の住む埼玉県飯能市の名栗地区は、西川材の産地で、市内でも特に山が多いところです。源流近くのきれいな川が自慢です。この地区は94%が山で、人々は山の間に住んでいる感じです。この散歩道の出発地点の古民家はもともと名栗の湯の沢地区の有力者が住んでいました。築百年以上です! しかし、山間地では色々と不便で過疎化が進み、この家の人も町なかに引っ越してしまいました。古民家がそのままになっていてはもったいないと思った地元の大学生たちがリフォームして、今の「湯の沢ラボ」ができました。ここでは毎年プチサバイバル・キャンプが行われています。私はこのキャンプが大すきで、毎年のように参加しています。自分ではしを作ったり、焚火で料理をしたりします。今回私が紹介するのは、「湯の沢ラボ」を出発地としてお昼ごはんで作るてんぷらの材料を探しに行く散歩道です。身近なところにたくさんの食材があることを知ってほしいと思います。
(*この絵地図は学校で配布されているタブレットを使って描きました。メタモジというアプリで、すべて指で描きました。)
観察ポイントごとの説明
<1 ユズ>
ユズはかんきつ類で、名栗地区にある家の庭でよく見られます。実は冬にとれます。とげがすごく大きく、放置するとどんどん伸びてしまい、手が付けられなくなります。天ぷらでは若い葉っぱを使います。
<2 ワラビ>
ワラビは山菜として有名です。でも有毒なのであく抜きをしないと食べられないため野生獣、特にシカは食べません。有毒ですがくるっと巻いた若いところは天ぷらにすればあく抜きしなくても食べることができます。
<3 シカ>
名栗地区ではシカの問題が深刻です。畑で作った野菜や庭の花を食べてしまいます。私が散歩していたとき、ワラビ畑の中から小さなシカが飛び出してきました。ワラビは食べないけど、隠れ家にはしているようです。私は鹿肉が大好きで、時々地元の猟師さんからいただいたものを食べています。
<4 サワガニ>
サワガニはきれいな水の中にしか生息できないカニです。とるときはサワガニの数を減らさないためにも、大きな個体だけを取るようにしています。また、寄生虫がいるので触った後の手洗いはしっかりしてください! 素揚げにして塩を振って食べると最高です!
<5 シュウカイドウ>
シュウカイドウは、ベゴニアの仲間で水辺に近い場所、石垣の間などにあります。サラダにしてもおいしい食材です。花は夏に咲き、ピンク色と黄色のかわいい形です。葉は変形したハートの形をしています。酸っぱい味が好きなひとは食べ過ぎに注意です。
<6 ユキノシタ>
ユキノシタは水の近くの石垣や川の岩などに張り付いて生えています。葉の表面に毛が生えていて、葉の裏は紫色などで不気味な感じです。見た目はよくないのですが、天ぷらにすると癖がなく、さっぱりしているので、私は大好きです。
<クレソン>
クレソンは、別名オランダガラシで、主にヨーロッパから中央アジア原産の外来種です。湧き水が出ている脇の水辺や水の中に生えています。ピリッとした辛味がありおいしいです。最近とても増えてきているので、たくさん食べてオッケーです!
<8 クズ>
クズは在来種ですが、近年、人の手に負えなくなって、西川材になるスギやヒノキだけでなく、棚や電柱などにも絡まってしまい、大きな問題となっています。天ぷらにするのは生え始めたばかりの、芽の部分です。水分が多いので、天ぷらにする時は注意してください。
<9 お茶の葉>
お茶は、飯能市で「狭山茶」として生産されています。地図記号の茶畑マークは、お茶の実から形を取って作られています。天ぷらで食べられるのは、新芽の部分です。苦みが少しあって大人の味です。