いつまでも残したい散歩道
稲垣慶宥
滋賀県
近江八幡市立安土小学校
小学校6年生
全体説明
ぼくの住んでいる安土町は、琵琶湖の東岸にあります。古い街並みや湧水があり、この場所を歩くと昔の時代に来たような不思議な気持ちになれる場所です。湧水からの川には、鯉、ホンモロコなどが、気持ち良さそうに泳いでいます。
また、どこまでも広がる田畑の美しさには、思わずうっとりしてしまいます。田んぼには、希少種のタイコウチ、コオイムシなどの水生昆虫がいて、自然に優しいお米作りをされていることが、わかります。
そして、水辺にはヨシの群集があり、色々な種類の鳥の鳴き声が響いてきます。鳥たちの安心できるすみかになっているようです。
七年ぶりにこの町に戻ってきて、変わってしまった風景もあるけど、水の流れや、広がる田畑の美しい風景、古い街並み、温かい町の人たちは、変わりません。いつまでも残っていてほしいので、マップにして、この町の美しさをたくさんの人に見てほしいです。
観察ポイントごとの説明
1)町中の湧水
ここは北川湧水。透き通った水が、コンコンと湧いていて、コイや小魚が気持ち良さそうに泳いでいます。
夏になると、ここで足湧をするのが、ぼくの楽しみ。冷たい水で体がシャキーンとなって心もスッキリ。アオスジアゲハやアシナガバチの吸水ポイントになっているようです。週に一度、地域の方々が清掃して下さっているので、キレイに保たれていると聞いた。ぼくも、湧水を汚さないようにしよう。
2)水辺公園
この水辺公園は、昔、城下町にあった外港の一つを、散策できるようにした場所。琵琶湖を周遊する蒸気船の寄港地だと知りびっくり。屋敷跡の石垣が所々あるのも素敵です。
ヨシの群集から、キリキリキリとヨシキリのかわいい声が聞こえてくると、ほっこりします。いつも見るカワセミは二匹。そのハンターぶりは、迫力満点。飛ぶ宝石そのもの。水面では、小魚の大群が右往左往。その姿がおもしろくて、つい見入ってしまいます。
3)驚きの小さな川
住宅の中を流れる盆川。水面をのぞくと、ピチピチと銀色に光るものを発見。よく見ると、大量の小魚。散歩中の人が、何かの稚魚だと話していました。この川が流れ込む川では、ホンモロコの稚魚を放流しているらしい。図鑑で調べると姿や大きさが、そっくり。たぶんホンモロコだったのかなぁ。
川には、アオサギが息をひそめて、じっと立っている。この川は、サギたちにとって、最高のエサ場なのだと思います。
4)サギの森
たくさんの木に囲まれた熊野神社を、ぼくはサギの森と呼んでいる。サギたちが、この森から近くの川に飛び出し、夕方になると、この森に帰って行く姿を、よく見かけるからです。
近くの山本川には、ヨシの群集や魚がいるので、サギにとって住みやすい場所になっているようです。水面に立っているサギを見ると、ぼくまで背すじをピンと伸ばしたくなります。りんとした姿を見習いたいです。
5)お気に入りの田んぼ
この田んぼは、ぼくが小さい時からよく行っていた、生き物がたくさんいるお気に入りの場所。ザリガニ、スジエビを見つけては、大喜びしていたことを覚えている。
七年ぶりに行くと、変わらない田んぼを見て嬉しくなりました。早速、田んぼの生き物調査スタート。たくさんのホウネンエビ、ゲンゴロウ、アメンボ、オタマジャクシを見つけていて、ふと、茶かっ色の個体がガサゴソと、移動中。思わず手ですくうと、なんと、希少種のタイコウチ。「えっ、すごい。タイコウチや。」ぼくの声に、家族が走り寄ってきて、大喜び。さらに弟の声がする方に行くと、これも希少種のコオイムシを見つけていた。背中にこぼれそうなくらいの卵をのせている。すごい田んぼなんだ、と嬉しく誇らしくなりました。これは、農薬をあまり使っていない証だとも言えます。ずっと、この生き物たちを見ていたいし、残ってほしいと思います。