街の中に残る自然~文化の森・園瀬川の散歩道~
菅谷有希
徳島県
徳島県立城南高等学校
高校2年生
全体説明
徳島のシンボルである眉山。その南側に位置する自然と文化の調和を目的に作られた総合公園「文化の森」。そのそばを流れる清流「園瀬川」。豊かな緑と美しい川に囲まれた、我が校からも近いこの散歩道には、市内とはいえ、まだまだ街に残された自然が溢れています。そんな、私の家からも気軽に行ける散歩道を今回の自然観察路に選びました。
まず、私の家の周辺を観察し、家のそばにある田んぼ、そして自動車道を通って園瀬川に向かいます。沈下橋を渡り森の中を観察してから、草木が生い茂る草むらを抜けて、もう一つの橋に。橋の上から川面を眺めながら、川原に沿って進み、最後は川原の前に広がる緑の広場に…。そんな順番で、8箇所の観察ポイントA~Hを定め、そこで目にしたたくさんの生き物を描いてみました。
今回観察をして、私の家の周りにも、まだこんなに多くの自然が残っているんだと改めて実感することができ、嬉しく思いました。
観察ポイントごとの説明
観察ポイントA~家の周辺~
<ジョロウグモ> 体に黄色と緑青色の横縞があり、見た目もハデなクモの女王様的存在。
<スズメバチ> 黄色の体に黒い斑紋。蜂の中でもひと際大きい。軒下などに巣を作り、集団で生活をする。刺されると死ぬ場合もある。
<ハシボソガラス> 一年中日本にいる留鳥で、鳥の中でも頭の良さは天下一品。雑食性で何でも食べる。人家の周辺にもやって来て、残飯や農家の収穫物をかっぱらうこともある。
観察ポイントB~田んぼの用水路~
<スズメ> 誰もが知っている、日本人にとっては最もポピュラーな存在。しかし最近では、棲み場を失って、その数も減っているとか。
<アメリカザリガニ> 昭和5年に、食用蛙の餌用としてアメリカから持ち込まれた、代表的な外来種。
<ミミズスマシ> アメンボと共に、日本全土の池や川で見られる水生昆虫。
<タニシ> 食用として用いられることもある。
観察ポイントC~川の中~
<メダカ> 日本に棲息する最も小さな淡水漁。観賞魚としても古くから日本人に親しまれている。また、実験に用いられることもある。
<コイ> 流れが緩やかな川や池などに生息する淡水魚。約15年生きると言われている。
<ブルーギル> 名前の通り、えら蓋の上にある皮弁が紺色になっている。外来種。
<イシガメ> 食性は雑食で、魚類から昆虫・花まで、何でも採食を行う。
観察ポイントD~森の中~
<モズ> 日本では大阪府の府鳥に指定されている。様々な鳥の鳴き声を真似た複雑なさえずりを行い、舌が百枚あると考えられていた。
<アブラゼミ> 世界でも珍しい翅全体が不透明のセミである。温暖化などにより、都市部では減少してきている。
<カブトムシ>
「昆虫の王様」とも呼ばれる程、人気の高い昆虫。広葉樹林に生息する。
観察ポイントE~草むら~
<キアゲハ> 幼虫はセリ科食物の他にニンジンやパセリなどの野菜も食草とするので、これらの畑では注意が必要。
<カメムシ> 悪臭を放つことで知られている。この悪臭は、彼ら自身にとっても有害であり、瓶の中に閉じ込めておくと死ぬこともあうr。
<トカゲ> 環境やストレスによって自身の体色を変える能力を持っている。食性は分類や種によって異なる。
観察ポイントF~川面~
<コサギ> 夏鳥だが、日本で冬をこすのも少なくない。夏羽では頭に2本の長い冠羽が現れる。
<カワウ> えさとなる魚類を捕獲するために、時に1分以上、水深10m近くまで潜水することもある。日本では環境悪化により一時減少したが、公害規制によってえさとなる魚が増え、飛躍的に増加した。
観察ポイントG~川原~
<サワガニ> 日本固有種。水がきれいな渓流・小川に多く存在し、夜に行動する。
<ニホンアマガエル> 皮膚をおおっている粘膜は、体を守るために毒が分泌されている。さわった手で目をこすったりすると、失明する場合もある。
<ドバト> 都市部を中心に非常に多く見られる鳥で、その数は増え続けている。過去は日本では狩猟の中心であった。
観察ポイントH~広場~
<トノサマバッタ><キリギリス><オオカマキリ><モンシロチョウ><トンボ><ナナホシテントウ> みんなが知っている、日本を代表する昆虫。これらはみんな翅を持ち、草を食べたり、花の蜜を吸ったり、小さな虫を食べるために移動する。