応募期間

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受賞作品一覧
佳作
第29回 中学生の部

稲城で見つかる! 野生動物

穂積楓

東京都
共立女子第二中学校
中学校2年生

全体説明

私は、自分の住む自然いっぱいの稲城市を自然観察路にしたいと思います。稲城といえば梨やぶどうがおいしいですが、知ってほしいのはこの自然です。秋は町全体が紅葉して美しいグラデーションに。冬は遠くすみきった青い空と冷たい空気。春はふんわりと香る梅のにおいと舞う桜の花びら。そして今、夏は、木が多い稲城なら歩くのも苦ではなく、上を見れば赤トンボが飛んで行く。そんな身近な四季を感じられる、私の家から図書館までのコースです。普通に歩いて30分の距離ですが、なにせアップダウンが激しいので、じっとりと汗をかきます。なので夏は水筒が絶対必要です! また、草や森を通るので、ヘビやハチが多いです。スズメバチも最近急増し、さされるとショック死してしまう事もあり、かなりキケンです。長ズボンをはいて、虫除スプレーをかけたらさぁ観察開始です!

観察ポイントごとの説明

1. ウグイス(鴬、鶯)

ウグイスはスズメ目ヒタキ科ウグイス亜科に属しており、全長14~15.5cmで雄は雌より大きく、全体に茶褐色で、淡灰色の眉斑と黒っぽい不明瞭な過眼線があります。鳴き声はチーッチャチャ、ホーホケキョ、と鳴きます。私はてっきりメジロと間違え、緑黄色だとばかり思っていました。全国のササのある低地から山地で繁殖し、北や山地の個体は、冬は暖地に移動します。街路樹で見られました。

 

2. メジロ(眼白、繍眼児)

メジロはスズメ目メジロ科に属し、スズメより小さく緑黄色で眼のまわりに白い輪があるのが特徴です。チーチー、チューチュールチーチュルチーチーチュルチーと鳴き、「長兵衛、忠兵衛、長忠兵衛」と表されます。「めじろ押し」の言葉の由来は群れが体を密着して枝にとまる様子からつけられました。全国の丘陵から山地に生息し、北海道では少ないそうです。常緑広葉樹林を好みます。

 

3. キジバト(雉鳩)

ヤマバトとも呼ばれる野生のハトでハト目ハト科です。全長約33cmで、もっともポピュラーな野鳥です。ポッポークルッポーと鳴き、都会にはもともと少なかった漂鳥だったのですが現在は都心に巣をつくり多い種となったため、ヤマバトという名前もすたれてきたのかもしれません。近づいていっても怖がりませんが細い足と首をチョコチョコと動かしてとても素早く逃げていきます。

 

4. ヒヨドリ(鵯)

市街地から山地まで広く分布する鵯はスズメ目ヒヨドリ科に属し、ピーヨピーヨと騒がしく鳴きます。体は全体的に灰褐色で、南へ行くほど色がこくなるといいます。名前に卑しいとつくように家の南天の実をくいちらかしたりする反面、ツバキの花粉を媒介したり、種子を拡散させたりと、役にもたっています。全長27.5cmとやや大きめで、市街地でもすぐに見つけることができる鳥です。

 

5. スズメ(雀)

人里にすむ小鳥の代表はスズメ目ハタオリドリ科の留鳥。本州にはニュウナイスズメというスズメも生息しており、どこでみわけるかというと顔の黒い部分が多い方がスズメです。目からくちばし、首にかけてと、ほおが黒いです。ですが2種がお互い群れになっている時もあるそうです。チュンチュンと泣き、砂浴びが好きで、ニワトリ小屋の砂で体を洗っていることが多いです。愛らしい姿です。

 

6. ハクセキレイ(白鶺鴒)

 スズメ目セキレイ科でセキレイ種の中では一番都会にみられます。尾をピッピッと規則正しく動かす姿がとてもかわいく、人を怖がりません。セキレイは尾を上下にふる姿から日本書紀には「にはくなぶり」と表記されイザナギ、イザナミ両陰陽神に男女の交合を教えたとされます。セキレイによって日本が産まれたとすればもっとセキレイをかわいがるべきでしょうか?!黒白灰と涼しげな鳥です。

 

7. ツバメ(燕)

人家の軒先に巣をつくりえんぎがいいとされ、また深い切れこみのある尾は燕尾と呼ばれ、燕尾服の語源となっています。スズメ目ツバメ科でツビージュビーと鳴きます。夏鳥です。腹は白、眼の間とほおから首が赤、体は黒という特徴的な体で、「つばくらめ」は「翼黒む鳥」の意味で省略され「つばくろむ」から「つばくらめ」になったといいます。また、「土はみ」がなまったという説もあります。

 

8. ハシブトガラス(嘴太烏、嘴太鳥)

大型の陸鳥の代表で全長56.5cmで、都会にも高山にもせいそくして、環境への順応性が高いです。全身黒で、ゴミをあさったりする姿から嫌われることも多いです。ガーガー、ア゛―と鳴きます。ハシブトがくちばしが太く、肉食に近いのですがハシボソはくちばしが細く種子食に近い、お互い雑食です。都市でもっともよく見られハンガーや光る物を巣に使い私がみた巣はとても大きくびっくりしました。

 

9. トンビ(鳶、鴟、鵄)

ハシブトガラスより大きく尾は三角で翼を水平にして帆翔します。ピーヒョローと高い声で鳴くワシタカ目ワシタカ科です。留鳥で動物の死がいを食べる事が多いです。トンビとトビは同じですが隠語でトビは粋な鳶職の事ですがトンビは小泥棒のことです。江の島や千葉のビーチ等では食べ物をトンビにうばわれるという事が急増し顔をひっかかれたりとキケンです。皆さんも旅行は気をつけて。

 

10. シジュウカラ(四十雀)

スズメと同大のスズメ目シジュウカラ科でホオジロとまちがえやすい鳥です。黒い帯が頭首のまわり、首から腹とあり、ネクタイをしているようでオシャレです。留鳥として全国に生息しており、他のカラ類と混群して行動します。鳴き声はツツピージュクジュクなど。南のものほど黒色になるそうです。ヨーロッパでは身が軽く春~初夏に子育てで枝にぶらさがり虫をとる姿から軽薄な鳥とされます。

 

11. アカゲラ(赤啄木鳥)

ほぼムクドリ大の大きさで体色が黒と白と赤のキツツキ目キツツキ科の鳥です。キョッキョッと鳴き、木に穴をあけて中の虫をえさにしたり巣にしたりします。くちばしで木を削るのですがコーンコーンとよくとおる音です。北海道と本州の留鳥ですが、西日本では少ないです。キツツキは江戸の方言で、本来はテラツツキやケラツツキといったようです。公園の木にもいたりします。春が多いです。

 

12. カルガモ(軽鴨)

他のカモと異なり雌雄同色でガンカモ目ガンカモ科です。余談ですが雌雄の区別がつきづらい鳥ほど子育てを一緒にやるそうですよ。全長60.5cmでグェッグェッと鳴きます。全国の低地から山地の周辺で生息し北海道のものは冬に渡去します。淡水の他、内湾にいることもあるそうです。また雑種を作りやすい個体です。この間山の上を飛んでいくカモを見ました。カモは飛べるんですね。

 

13. キジ(雉、雉子)

日本の国鳥です。雄は赤い顔、緑色の光沢のある体、長い尾が特徴です。雌は黄褐色で地味な姿です。キジ目キジ科で、全長は雄が約80cm、雌が約60cmです。種子島と本州の間に留鳥として生息しています。稲城でもあまり見かけなくなりましたが冬のよく晴れた昼にケーンケーンという声がしたので草むらをかきわけたらキジがいた、なんて事がけっこうあります。案外そばにいるかもしれません。

 

14. オオタカ(蒼鷹)

ほぼカラス大のワシタカ目ワシタカ科です。ギッギッギッという鳴き声を出します。本州と北海道の山地で繁殖し、冬は暖地に移動します。夏に城山あたりで飛んでいるのを見ましたがとても勇ましい姿でした。私はイヌワシやトンビのような茶色の鳥かと思っていたのですが柄はハヤブサやサシバと似ています。全長は雄が約50cm、雌が約56.5cmと雌のほうが大きいです。くちばしは案外短いです。

 

15. ハヤブサ(隼)

ワシタカ目ハヤブサ科を代表する鳥です。ケーケーと鳴き、雄が38cm、雌が51cmとだいぶ大きさが異なります。冬鳥としえ渡来するのが多いですが九州、本州、北海道等で少数が生息しています。ハヤブサは良いイメージが多く、シェイクスピアがジュリエットにロミオの事を「高貴なハヤブサ」と呼ばせています。また誇りの象徴でもあり、古くから鷹狩りが盛んで親しまれていたのかもしれません。

 

 さあ、観察は終わったでしょうか? 東京と一口に言ってもまだまだ稲城のように、自然がいっぱいの所は多いです! これを機に、自然保護活動のボランティア、はたまた温暖化をくいとめるなど、これを活用する分野は様々にあると思います。皆さんには日本の自然とみらいを守る義務がありますよ!……あ、そういえば、ゴールの図書館で調べ物をするもよし、隣の温泉施設でゆっくりするもよし、どうぞごゆっくり稲城を楽しんで下さいね。

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