浜川運動公園 夏の自然をご案内
吉田彩
群馬県
群馬県立中央中等教育学校
中学校3年生
全体説明
今年の夏休みも、新型コロナウイルスの影響で、去年同様外出を控えたものとなりましたが、みなさんは楽しめたでしょうか。
私の住む高崎市は、海が無いかわりに四方を山で囲まれ、自然豊かで住み心地の良い街です。大きな公園も数多く、どこも楽しい場所ですが、今回は「浜川運動公園」へ観察に行きました。緑が多いこの公園内は猛暑の外とは別世界の涼しい世界が広がります。浜川運動公園は昭和五十八年に「あかぎ国体」の開催のために建設され、現在は体育館・陸上競技場・公園・屋外・内プール・弓道場などといった施設が併設されています。公園内の「こどもの森」のアスレチックは子供たちの遊びの場として、また「御布呂が池」とその周辺の豊かな自然は大人たちの憩いの場として、公園は多くの人に訪れられています。
そんな浜川運動公園の夏の自然を、今からご案内いたします。
観察ポイントごとの説明
観察ポイント① スズメ
体は鳥の中でも小さいほうで、短く太いくちばしで草の種子などを食べます。日本国内でも多く分布しています。そんな日本の代表的な野鳥である「スズメ」は、警戒心が強く、ヒトが近づくとすぐに逃げてしまいます。でもロンドンでは、ヒトを見ると近づいてくるから、ヒトはいつもポケットにパンくずやえさを入れているのだそうです。
観察ポイント②アオスジアゲハ
黒色の体に一本の青白いラインが印象的な「アオスジアゲハ」は、飛翔力が高く、速いスピードで飛び回る、スポーティなアゲハチョウです。基本的に南方系のチョウで、北限は秋田県あたりとなっています。最近(特に夏)は、東日本でもよく見られるようになりました。
観察ポイント③アメリカザリガニ
特定外来種に指定されている、赤くて強そうな「アメリカザリガニ」は、子供たちのアイドルです。用水路や水田、池など、水深が浅く流れが緩やかな場所に生息しています。ザリガニは、わたしたちのとても身近な生き物ですが、近年は水辺の生態系に対して非常に大きな影響を与えていることがわかってきています。
観察ポイント④モンシロチョウ
真っ白い羽でひらひら舞う「モンシロチョウ」は、早春から晩秋(三月から十一月)にかけて飛びまわり、野原や畑で花のみつを吸っています。春に見られる成虫よりも、夏に見られる成虫のほうが大きくてもようが黒く濃くなっています。
観察ポイント⑤ハナショウブ
初夏に約二千株もの花を咲かせる「ハナショウブ」は、白や紫、黄色といった色の花をつけます。「御布呂が池」に架かる赤い橋が見ごろをむかえたハナショウブを演出しており、とてもきれいです。観光客にも人気のスポットです。
観察ポイント⑥コイ
御布呂が池に優雅に泳ぐ、たくさんの「コイ」は、人々がえさやりをするのに集まってきて、子供たちを喜ばせます。普通の黒っぽいコイの池に、ニシキゴイもいます。また、池にいるカモと仲良く揃って泳ぐ姿も、印象的です。
観察ポイント⑦カメ
よく岩の上で甲羅干しをしている「カメ」は、「孤高のカメ」という感じで、他のカメと一緒にいる様子は見られませんでした。(他にカメが何匹いるのかどうかはわかりませんが。)
観察ポイント⑧アジサイ
少し遅咲きの「アジサイ」が、紫色や青色花を咲かせていました。遅ければ、7月中旬まで見ることができます、ハナショウブほど数は多くありませんが、まあるい花が私たちを楽しませてくれます。
観察ポイント⑨カワセミ
背中の鮮やかな青色とお腹の明るいオレンジ色が印象的な「カワセミ」は、その翡翠(ひすい)のような体色から、「飛ぶ宝石」ともいわれています。小さな体のわりにくちばしが長く、魚取りに優れています。この浜川運動公園にも、一年を通して餌である小魚を取りに来ます。
観察ポイント⑩タヌキ
市街地・都市部にも多く出没するようになった「タヌキ」は、ネコ目イヌ科タヌキ属に分類され、森林や湿地での生活に適しています。胴長短足で、その短い足でよく走りまわり、春には秋の三分の一の体重にまで痩せるそうです。秋冬のずんぐりむっくりした姿からすると春夏の痩せた姿は想像以上です。
観察ポイント⑪モミジ
御布呂が池に架かる赤い橋のすぐそばに生える「モミジ」の木は、秋には葉を赤色や黄色に変え、きれいな紅葉を見せてくれます。また夏は、モミジの木陰が公園に訪れる観光客の休憩場所となり、とても和やかな雰囲気を醸し出しています。夏・秋で二回楽しめるのです。
観察ポイント⑫ミツバチ
春から夏にかけて「ミツバチ」がよく見られるのは、その時期は育児が盛んな時期で、訪花活動も盛んであるからです。皆さんもご存じ、女王バチは、春が近づくと産卵を始めるので、貯めていたみつと花粉が激しくなくなります。そのため、訪花活動が盛んになるのだそうです。
観察ポイント⑬モンキチョウ
真っ黄色の羽で鮮やかに舞い、思わず追いかけたくなるような「モンキチョウ」は、モンシロチョウと同様、早春から晩秋にかけて飛びまわり、原っぱや河原、公園など開けた環境で花のみつを吸っています。メスにはモンシロチョウのように白っぽいチョウもいるそうです。羽の外側まで黄色いチョウと、外側だけ黒っぽいチョウがいます。
観察ポイント⑭ウグイス
「ホーホケキョ」といえば、別名「ハルツゲドリ」とも言われる「ウグイス」が春に鳴いている様子を想像するかと思いますが、実は、オスがメスにモテるために鳴くので、繁殖期である春から夏にかけては鳴き声が聞こえるのです。遅い場合は、秋くらいまで鳴いていることもあります。
観察ポイント⑮カブトムシ
誰でも一度は育てたことがある「カブトムシ」は、オスは大きな角を持っているが、実はメスは角がありません。成虫は夏(六月〜八月)に見られ、よくクヌギやコナラの木に樹液を舐めに登っている。「昆虫の王様」とも呼ばれ、クワガタムシと並び人気の高い昆虫である。
観察ポイント⑯ショウジョウトンボ
仏教の古典書物や中国の古典書物に登場した、(架空の)伝説の真っ赤な怪物「猩猩(ショウジョウ)」から名前が付けられた「ショウジョウトンボ」は、よく「赤とんぼ」だと思われるが、アカトンボ属(アカネ属)ではなくショウジョウトンボ属に含まれるため赤とんぼではない。逆に、アカトンボ属だけれど赤くないとんぼもいる。