鎌原さんぽ道 ~ 嬬恋郷土資料館周辺の自然 ~
下谷 琉楓
群馬県
群馬県立中央中等教育学校
中学校3年生
全体説明
私は群馬県嬬恋村の鎌原にある嬬恋郷土資料館への道を観察しました。祖母が嬬恋に住んでいるため何度も郷土資料館の建物を目にしたことはありましたが、実際に訪れたのは今回が初めてです。嬬恋はキャベツづくりで有名ですが、ほかにもお米やトウモロコシなど様々な作物が育てられていて、観察路から見える景色の約半分は畑や田んぼだったほどです。観察路の左側には田畑が広がっていますが、右側にはたくさんの針葉樹が生い茂っています。
昔からこの道をよく通っていた父によると、右側の森林にはまれにクマが出るそうですが、今回の観察では残念ながら見ることができませんでした。
嬬恋は私が住んでいる地域と比べて非常に自然が多く、目を凝らしてじっくり観察してみると、多くの自然と知らなかった動植物に出会うことができました。
観察ポイントごとの説明
観察①
はじめに見つけたのは、シロザです。ここの観察ポイントは雑草が非常に多く、どれも見たことはありましたが、みな名前がわかりませんでした。その中でもひと際きれいな葉を持っていて興味を持ったのがシロザです。シロザという名前も、一緒に観察をしていた父に教えられて初めて知りました。
観察②
この観察ポイントではカエルが4匹ほど見られ、ほかの場所でも何度もカエルを目にしました。観察したその日は前日に雨が降っていて湿度も高かったため、普段よりも多くのカエルが見られたのではないかと考えます。カエル以外にも、この場所ではダリアやセンジュギクなどの人の手によって植えられたであろう植物を観察できました。
観察③
一輪のセイヨウタンポポが咲いている隣には、植物にしがみつくテントウムシの姿を見ることができました。「見た目が可愛い」という理由から幼いころはよく友達とテントウムシを捕まえようとしていましたが、今じっくりとテントウムシを眺めてみると足が想像よりもかなり長く背中の模様も奇妙で、捕まえたいという気持ちには到底なりませんでした。
観察④
ここは観察ポイント①と生えている植物はほぼ同じでした。しかし違ったのは、スギナが生えていたことです。普段だったら微塵も気にしないであろう雑草たちにもしっかりと名前がついているのを見ると、植物に詳しくなって普段から自然を意識して生活すれば、毎日たくさんの学びや気づきがあるだろうと考えました。
観察⑤
このスポットは、今回の自然観察全体の中で私が一番驚いた場所です。はじめにシデムシの幼虫を観察したときはダンゴムシを見つけたと考えていましたが、写真に撮ってよく観察してみるとサイズや尾の形が全く違うことに気づきました。また、その近くでいままで見たことのない黒いカナブンのような虫を発見しましたが、後で調べてみるとその虫が初めに見つけたダンゴムシのような虫が成長したものであるということを知りました。また帰ってから祖父にこの話をしてみると、この虫には死骸を土に埋めるという習性があることも教えてもらいました。
観察⑥
道の端に背の高いヒマワリが何本も生えていました。観察の前に降った強い雨に打たれたからか、中にはぐったりとした様子のヒマワリもありました。
観察⑦
観察路から少し奥くらいの位置に、クリの木を見つけました。木には緑色のイガがいくつもついているのが確認できました。まだ夏なのでイガは緑ですが、秋には茶色に変わると予想されるので次に観察するときには確認しようと思います。
観察⑧
ここでは、クローバーとシロツメクサが多く見られました。四葉のクローバーを探してみると5個見つかりましたが、その中の一つの葉の裏側に、非常に小さな虫の抜け殻がついていました。残念ながらどの虫の抜け殻だったのかわかりませんでした。
観察⑨
この観察スポットでは多くの虫を観察することができました。クルマバッタやミツバチを発見することができ、また道の端に生えていたヒメジョオンにはモンシロチョウが止まっていて、カメラで撮影することにも成功しました。
観察⑩
モシメトンボを見つけました。父によると、この辺りは秋が近づいてくると近くのトウモロコシ畑にたくさんのトンボが集まるそうです。この観察路のまわりにもトウモロコシを育てているところがあったため、今回観察することができたと考えました。