ひいおばあちゃん、ばあちゃん、おかあさん、わたしの四世代お気に入り散歩道 ~神山町 江田地区~
先田 萌々菜
徳島県
石井町立石井小学校
小学校6年生
全体説明
わたしのお気に入り散歩道は、ひいばあちゃんの暮らす神山町にあります。神山町は、四国一大きな吉野川の南側に並んで流れる鮎喰川の上流にあります。とても自然豊かな町で、野性のサルやシカを見かけることもあります。
春になると江田地区では菜の花まつりが開かれ、棚田にたくさんの菜の花畑が広がり、すばらしい景色が広がります。ひいばあちゃんの家は菜の花畑よりも、もう少し山の上の方にあり、庭からは菜の花の黄色いじゅうたんを見おろすことができます。また、うす桃色の梅の花も神山に春のおとずれを教えてくれます。五月には、まっ白なスダチの花でいっぱいになります。スダチの実はさわやかな香りがします。ひいばあちゃんの家からスタートする散歩道は、段々畑の間を通るので坂道がとても多いです。真夏の暑さにも負けず、草木が生いしげりいきいきしています。自然の生命力を感じられる散歩道です。
観察ポイントごとの説明
ポイント① ひいばあちゃん家の庭と段々畑
ひいばあちゃんの家の周りには、アリジゴクがいくつかあります。アリジゴクはウスバカゲロウの幼虫で、すりばち状のわなにアリが落ちてくるのを待っています。ひいばあちゃんの家は山の上にあるので、スタートからすぐに急なくだり坂が続き、その周りは段々畑になっています。畑には、夏野菜を植えていて、トマトやキュウリ、スイカなどがたくさん実っています。
ポイント② すだちの坂道
段々畑がとぎれた辺りにすだちの木がたくさんあります。秋には収穫を手伝います。とげがたくさんあって採る時には気を付けないと痛いですが、さわやかな香りが一面に広がります。その他にも梅の木があります。収穫は終わっているので今は葉が青々と茂っています。木の周りにはヒメジョオンや野性のオニユリが咲き、ヒメアカタテハやハグロトンボが飛んでいます。
ポイント③ 山菜がいっぱい
ここには、ウドやワラビがたくさん生えています。と言っても店で売っているような物ではなく、別の植物かと思うぐらい葉が開いて大きく成長した姿です。ばあちゃんが教えてくれて、初めて気付きました。ウドは春に収穫し、ばあちゃんが天ぷらを作ってくれます。ワラビは卵とじやおすしに入れてくれます。わたしにとっては春のごちそう広場です。
ポイント④ ウグイスの歌声ホール
この辺りは、また登り坂になっていて山の斜面を利用して茶畑が広がっています。茶つみの頃には、新芽つみを手伝ってできたての新茶を分けてもらうこともあります。茶畑で耳をすませば、「ホーホケキョ」とウグイスの鳴き声が聞こえてきます。山々によくひびき、まるでホールでウグイスが歌っているようです。姿は見えないけど、すぐ近くにいるような気がします。
ポイント⑤ 木かげの散歩道
杉林の木かげを通りかかると、「ジージー」と鳴くアブラゼミ、「カナカナカナ」と鳴くヒグラシなどセミが大合唱しています。ここは、おいしげった木々で日かげになり、とても涼しく感じます。道にはコケが生え、ドクダミも白い花を咲かせています。杉の木の根もとにはミョウガがたくさん生えています。ばあちゃんたちは、これをきざんで冷やっこやそうめんに入れて食べるのが大好きです。
ポイント⑥ シャガの畑
ポイント⑤から続くこの道は、シャガの花畑です。夏の間はつやつやした葉っぱがしげり、春になるとうすむらさきの花を咲かせます。ほとんど人や車が通らないので、ここにも道にコケが生えていて、雨が降ると水滴がきらきらして、とてもきれいです。おくにはウバユルやオリユリが満開です。まるで、映画の中に入りこんだような、げん想的な世界が広がっています。私の大好きな場所です。