応募期間

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受賞作品一覧
佳作
第30回 高校生の部

差木地周りの散歩道

幡野俊一

東京都
東京都立大島高等学校
高校3年生

全体説明

私は伊豆大島の差木地という所に住んでいます。差木地は伊豆大島南部の街で、昔から農林業が主な産業でした。差木地という名前は、さし木で樹木を増やしていたことに由来すると言われています。

わたしがテーマにした場所は、差木地小学校の周辺です。なぜここを選んだかというと、私の母校であり思い出がたくさんあるからです。小学校6年間通い続け、登下校時に友達と遊んだ道です。学校はグランドが3つあり、とても広くて自慢できる学校でした。

伊豆大島は自然がとても豊かで、差木地小学校の周りでも色々な生き物を見ることができました。ヤブツバキや、ガクアジサイのように伊豆大島を代表する植物から、スズメバチやチャドクガのような危険な生き物、ビワやドクダミのように食用や薬用になる植物などあげるときりがありません。

差木地小学校は閉校してしまいましたが、この散歩道には思い出がつまっているのです。

観察ポイントごとの説明

観察ポイント1.ビワ

バラ科の常緑高木で大島でも果樹として栽培されています。特に大島北部の泉津地区は産地として有名ですが、私の住む差木地でも見ることができます。差木地小の体育館裏のヤブの中にもビワの木があり、小学校の頃は夏にみんなで食べた思い出があります。

 

観察ポイント2.ドクダミ

ドクダミ科の多年草で大島の中でも日陰など、いたる所に生えています。独特の嫌なにおいがあり、通学路で見かけましたが、あまり好きではありませんでした。しかし、祖母に薬草になると聞いてびっくりした思い出があります。

 

観察ポイント3.アオダイション

ナミヘビ科に属するヘビで日本中で見ることができます。伊豆大島でも林の中を始め、街の中で見ることがあります。私も小学校から帰る時にヤブの中からいきなり出てきて、ビックリした思い出があります。こわそうですが、実は毒がなく咬みついてくることもほとんどありません。神様の使いとして信じられている場所もあります。大島でも、こわいのはマムシです。

 

観察ポイント4.てんとう虫

テントウムシ科の昆虫で私はナナホシテントウ虫が好きで、小学校の頃はよくつかまえて、服につけて遊んでいました。刺激を与えると黄色い液体を出しました。これは外敵を撃退する効果があるそうです。この液体と体の赤い色により、鳥などに食べられることが少ないそうです。

 

観察ポイント5.あしたば

セリ科の多年草でカルデラから半日陰の場所まで島のいたるところで見られる生命力の強い植物です。栄養価も高く、畑で栽培もされています。葉とつんでも明日には葉がでるということで明日葉と名付けられています。伊豆諸島と関東地方南岸に分布しています。家族であしたばをとりに行き、天ぷらにして食べたりした思い出があります。

 

観察ポイント6.スズメバチ

スズメバチ科の混中で今年は伊豆大島でも大量に発生しています。差木地でも毎年のように秋口になると、その姿を見かけますが、私が中学2年生くらいの時に自宅ののき下にサッカーボールほどの単ができて、駆除するまで大変だった思い出があります。今でもこわい存在です。

 

観察ポイント7.ガクアジサイ

ユキノシタ科の落葉低木材の緑や海岸にふつうに見られます。中央の両性花とまわりの装飾花からなり、装飾花が額縁のようなのでガクアジサイといいます。伊豆諸島の固有種で、園芸種のアジサイの原種です。入梅時も咲く花です。いとこの家にも咲いていて、よく見ることがあるのですが、とてもきれいだと思います。

 

観察ポイント8.ヤブツバキ

ツバキ科の常緑高木で伊豆大島と代表する植物です。花の色は紅色で、まれに白やピンクもあります。花の形も色々ありますが、実は椿油に、材は上芸品などに使われます。大島では2月~3月の椿まつりに多くの観光客が訪れます。大島には椿トンネルとよばれるヤブツバキに囲まれた道があります。家の前にもあるので、一番身近な存在に感じています。

 

観察ポイント9.チャドクガ

ドクガ科の混中で日本各地に分布し、年2回発生する。日本では代表的な毒蛾で椿が多い大島でも大害虫です。小学校の時に学校でチャドクガ退治をした時、チャドクガを焼き殺すのを近くで見ていたら、落ちてきた物が当たったのか、顔がはれてしまい、そのあとの水泳の授業の時痛かったのが思い出です。友達は口びるが、かぶれてたらこくちびるになってしまったということもありました。

 

観察ポイント10.タイワンリス

リス科の動物でたいわんの固有種で、元々は大島には生息していませんでしたが、戦前に大島公園から逃げ出し、現在では島全域に生息しています。電線などをかじったりする被害もあり、大島ではかじられて停電が起こふことをふせるため、特別な送電線にしています。現在では特定外来生物に指定されていて、駆除することが課題となっています。可愛いからといって人間が勝手に持ち込むことは危険だということがよく分かる生き物です。

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