四季おりおり車椅子で通る野鳥の道
中里岳洋
兵庫県
兵庫県立大学附属高等学校
高校1年生
全体説明
この道は、僕が中学生の頃に毎日電動車いすで一人で通学した道とその近くです。人があまり通らず、登下校の途中誰とも会わないこともありました。一年を通して様々な鳥の鳴き声を聞いたり、姿を見たりすることができます。初めに鳥に興味をもったのは、中学二年の春のことでした。帰りに毎日同じ鳥が木の梢で鳴いていたのを見ました。その鳥はある一定の鳴き方を繰り返していました。あとで母に聞いたらホオジロだろうと言われました。それ以来、他の鳥もいることに気がついて調べてみるようになりました。夏になるとホオジロの姿は見られなくなりました。季節によって鳥の行動が違うということがわかりました。途中には、草原の向こうに遠い山々が見渡せるところがあります。広々としていて気持ちの良い風景です。
観察ポイントごとの説明
(1)芝生の鳥
ツグミ:冬になると芝生や草原の上に何羽もいて、地面をつついています。一羽一羽がお互いに5メートルほど離れていることが多いです。
カワラヒワ:芝生の横の道路の上に数羽の群れでいます。オリーブ色がかった褐色の体で嘴の基部は黒っぽく飛ぶと翼と尾の黄色い帯がよく目立ちます。主に植物の種子を食べます。警戒心が強く、人の姿が見えるとすぐに逃げてしまいますが、飛び立つときに見える黄色でカワラヒワとわかります。
(2)珍しいお客様
シメ:短く太いくちばしで、雄は褐色の体に頭部は赤褐色お帯び、背は暗褐色です。雌は全体的に色がぼけています。普段は見たことがありませんが一度だけ公園に来ていました。
(3)声はすれども姿は見えず
ウグイス:春先に「ホーホケキョ」という声はよく聞こえますが、姿は見たことがありません。下手な鳴き声を聞いたことがありますがなく練習をしていたのだと思います。
ホトトギス:初夏に「特許許可局」という鳴き声が聞こえます。家の周りであまりによく鳴くので、聞き飽きるほどです。ウグイスと同様、姿はなかなか見られません。托卵と行って他の鳥の巣に卵を産みます。
(4)人なつっこい鳥
ジョウビタキ:冬になると日本に渡来します。家の窓からも見られるので家の中からガラス越しに写真を撮ったことがあります。背中に白い斑点があります。雄は腹が橙色できれいで目立ちますが、雌はあまり目立たない色なので見つけにくいです。
(5)一緒に群れで行動
エナガ:丸い体に長い尾のかわいらしい鳥です。枝に逆さにぶら下がったりもします。いつも群れでいます。シジュウカラと混じっていることもあります。
シジュウカラ:年に数回しか見たことがありません。頬が白いのと首から腹にかけてネクタイのような模様があるのが特徴です。この模様は雄の方が太いです。
(6)小さなキツツキ
コゲラ:日本にはアオゲラやアカゲラなどのキツツキがいますが、コゲラは日本のキツツキの中では最小(15㎝)です。遠くから見ると一瞬スズメの様に見えます。動きが速く、すぐに逃げてしまいますが、木の幹に張り付くように留まるので、キツツキだとすぐにわかります。ギーッという鳴き声が山の中から時々聞こえます。
(7)大空に鳴く
ヒバリ:声がかわいいので、顔もかわいいと思ったけれど、図鑑で調べてみると怖い顔をしていました。春に上空でさえずっているのをよく見かけます。巣は草むらの中につくるのでどこにあるのか見えません。雄だけがさえずることがわかりました。
(8)初めて覚えた鳥たち
ホオジロ:春先、木のてっぺんなど見晴らしの良い所でさえずっていて目立つので、簡単に見つけられます。「一筆啓上つかまつり候」と鳴いているそうですが、そんな風には聞こえません。
ヒヨドリ:全長約28㎝で大きく、甲高い声で鳴きます。仙台の祖父の家の庭にもよく来ます。
セキレイ:セキレイにはいろいろな種類がありますが、ここで見られるのはセグロセキレイだと思います。水辺の鳥なのに家の近くにいるのは不思議です。
(9)千鳥足の語源
コチドリ:擬傷行動と行って、外敵から巣を守るために怪我をしているふりをします。僕はこの鳥を見たことがありませんが、家族がこの近辺のある場所で擬傷行動を見たそうです。