応募期間

2024年6月1日 (土)~ 9月30日 (月)

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受賞作品一覧
最優秀賞
第31回 中学生の部

思い出の希望の森公園

菅野 竣介

福島県
福島大学附属中学校
中学校2年生

全体説明

僕のふるさと「伊達市梁川」には、小さい頃からたくさんの思い出が詰まった公園がある。「やながわ希望の森公園」だ。1985年に市民の森として開園した。春は桜や水芭蕉、夏はつつじ、秋は紅葉、冬は雪景色と、式を通した自然の美しさに感動させられる。いくつかの僕おすすめの場所を紹介したい。

「野草・薬草園」と「湿生植物園」だ。野草・薬草園には、市民の健康を願って、山野に自生する約四百種類の薬用植物が植栽されている。湿生植物園には、数々の水生植物が植えられており、その可憐さに魅了された僕はついに趣味が嵩じて人工池の中で栽培し始めた。なかなかうまくいかず、管理者の平山さんにコツを聞きに行ったこともあったっけ。最後にミニSL「さくら1号」はいかが?煙をもくもくたてて、田園地帯を走り抜ける姿、ノスタルジックを感じさせる。震災、原発事故にも負けず、力強く立ち直ったこの公園を、ぜひ多くの方々に知っていただきたい。

観察ポイントごとの説明

1.駐車場周辺

スタート地点から歩くと、直ぐに目に入るのが桜並木である。園内には、春と秋に白い小さな花を咲かす四季桜も至る所にあるという。近くの田んぼから飛んでくるスズメや市の鳥セキレイなどが出迎えてくれる。何とものどかである。

 

2.お林沼のほとり

この沼は、江戸時代の末期松前藩が梁川を治めていた頃の御用池だったらしい。管理事務所の方によると、カモがスイスイ泳いでいたり、日当たりの良い場所で、カメが甲羅干しをしたりする姿がみられるそうだ。池のほとりに設置されている水車小屋からは、「ギィーモー」と牛の鳴くようなのどかな音が聞こえてくる。その音に聞き入っていると、突然僕の目の前を横切るものが……オニヤンマだった。大きいの一言。初秋を感じた。

 

3.湿生植物園①

さらに進むと、見えてくるのは、スイレンとコウホネの池である。スイレンの黄、白、ピンクの花々が咲き乱れる中、コウホネの葉がみっちり密生しているのが特徴である。スイレンも密生しているが、コウホネの葉は、細長い分、立った姿勢で成長することで、より葉が茂りやすくなっている。そのため、小型の可憐な黄色い花が見えにくくなっているのが残念である。

 

4.湿生植物園②

次の池はハスの池である。夏になると、すごい数の花々が私たちを圧倒させる。白、ピンクが花色だ。その美しさをカメラに収めようと、朝早くから熱心な写真ファンが押し寄せる。僕の祖父もその一人。今でも撮った写真を自宅に飾っている。また、ややコウホネ側になるが、盆花ことミソハギも咲いていた。アヤメもある。その先の湿地には、春にミズバショウ、ザゼンソウが咲く。その姿はこの公園の春の風物詩ともなっている。

 

5.つつじの森

管理事務所から営火場までの山の斜面には、ミツバツツジ、アブラツツジ、サラサドウダンを含む四種類二千本のツツジが植栽されている。この時はすでに終わっていたが、ツツジ好きの祖母によると、「サラサドウダンは大木がすごい、鐘形で下向きに咲く花がとても上品だったわ。希望の森公園のツツジは、年数が立っているだけに、花の色・形ともに鮮やかでダイナミックだよ。」とのこと。

 

6.太陽の広場

管理事務所裏には、わんぱく広場につながる松前通りがある。その道に沿って阿武隈川に見立てた流れが形作られており、水の流れるせせらぎの音に心癒される。ここにアメリカフヨウが色鮮やかに咲いていた。僕より背丈があり、二メートルを超えていた。

 

7.わんぱく広場

さらに坂を登っていくと、わんぱく広場が見えてきた。ここには、子どもたちに大人気の巨大滑り台や、大型コンビネーション遊具、そしてセスナ□□□□型機などがあり、いつも歓声が響き渡る場所となっている。この日は、昆虫採集をしている親子に遭った。なんでもバッタ、セミが目的らしい。ふと足元を見ると、ピョンピョン、バッタが飛び交っている。久しぶりに手に取った。さすがトノサマバッタ、貫禄があるなぁ。

 

8.野草・薬草園

わんぱく広場の脇には、市民の手で作り上げられた野草・薬草園がある。市内等の山野に自生する役四百種類の薬用植物などが植えられている。この中には、伊達政宗が朝鮮出兵の際、持ち帰った梅の木から枝を分けた、「臥龍梅」もある。ヒヨドリバナは、解熱や発刊などに効能があるという。キンシバイ、ヒメイズイなどの野草も充実している。しかし、この日は僕の苦手なハチ出現により、なかなか奥まで見学することができず、残念。

 

9.さくらの森

坂をくださると、さくらの森という標識が目に入る。そこには、六種類二千本のサクラが植えられている。春になると、たくさんの人が訪れる場所である。早春には、フクジュソウも咲き誇る。そういえば以前、祖父母と見に出かけ、その時の様子を写真を獲ったことがあった。今でも大切にアルバムに収めている。フクジュソウが大好きな祖母の笑顔が印象的である。

 

10.園路を楽しむ

今までポイントごとにおすすめの動植物を語ってきた。しかし、そればかりではない。例えば、この公園内には、広い範囲でホンドタヌキ、イノシシ、ホンドギツネなどの野生動物が出没するという。また、見たこともないような生き物に偶然出くわすこともある。帰り際に変な幼虫を発見。写真を撮り家で調べてみた。トサカフトメイガの幼虫だった。初めて聞くような名前、自然界の奥深さを改めて実感した。もっともっといそうな気がする。

 

【感想】

日々の忙しさのため、最近はこの公園を訪れることもなくなっていた。この絵地図作成のため、改めて自分の足で歩いてみたことで、この公園のすばらしさを再認識することができた。身近な生き物の観察も楽しく、驚かされてばかりだった。今後も続けていきたい。しかし、震災、原発事故により、めっきり人が少なくなってきたように思う。多くの方々に来ていただけるよう、これからもどんどん発信していきたい。

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