応募期間

2024年6月1日 (土)~ 9月30日 (月)

応募用紙ダウンロード
受賞作品一覧
佳作
第28回 小学生の部

紫川 水辺の散歩道

柳原直匡

福岡県
北九州市港が丘小学校
小学校6年生

全体説明

紫川は北九州市の中心を流れています。そのため製鉄を中心に多くの産業が栄えるのと引きかえに、紫川の水は昭和三十年代後半から四十年代前半にわたって家庭や工場からの排水の流入により大変汚れていて、水は真っ黒ににごっていたそうです。しかし、その後市民のクリーン活動や下水道の整備などにより、今ではトビハゼやシロウオが川を上がるほどに水はきれいになりました。

 ぼくはこの川によく家族で遊びに来ます。よく観ると街の中心を流れているとは思えないほどたくさんの生き物に会えるのがその理由です。中でもヨシが青々としげるトビハゼの住んで居る干潟が一番のおすすめです。

 外来種の問題など新たな気になる点はあるけれど、ぼくはこの川のすばらしさをたくさんの人に伝えたいです。そして、過去の公害の歴史を忘れずに、今の美しい紫川をいつまでも残していきたいです。

観察ポイントごとの説明

(1) ここは小倉城のお堀えす。水中を泳ぐ鯉に混ざって色々な外来種の生き物の姿が目立ちます。一番はミシシッピーアカミミガメで日本中の池や川で飼いきれなくなり捨てられたものが大繁殖しています。次に目立つのが草魚です。黒鯉に良く似ていますが頭の形が丸いのが特徴です。草魚は草を食べるので除草のために明治時代から盛んに放流されてきました。しかし、草を食べ過ぎて生態系をこわす心配から近年は放流されていません。

 

(2) ここは州浜広場です。干潮時には砂浜が現れます。人口的に作られた砂浜ですが、ヤドカリやケフサイソガニなどがちゃんと住みついています。この頃、ここでトビをよく見るようになりました。ビルの屋上で休んだり、群で獲物をねらうように川の上空を旋回したりしています。ぼくはトビに食べ物をあげる人達が増えたのが原因だと思います。投げた餌を空中でキャッチする姿はカッコイイけれど、街でトビが増え過ぎるのではと心配です。

 

(3) ここは「音の橋」近くの干潟です。ヨシが青々としげっていて、アカテガニやベンケイガニなど色々な種類のカニを見つけることができます。また、トビハゼもいます。トビハゼは水中で生活する他のハゼとはちょっとちがいます。皮ふ呼吸のためエラがありません。移動手段も変わっていて、胸ビレを使いはって歩きます。一見、何もいない様に見えるこの干潟ですが、よく見るとたくさんの生き物が元気にくらしています。

 

(4) ここは貴船橋近くの川岸です。春は散歩道に咲く桜がとてもきれいです。

 この辺りの川底はジャリになっていて水がにごらないので春に網でシロウオを捕まえることができます。川底の石の裏に産みつけられたしずく型のすき通った何百個ものシロウオの卵の集まりを見つけたこともあります。

 また、冬のバードウォッチングもおすすめです。たくさんのユリカモメやヒドリガモ達がここで冬を越します。

 

(5) ここは水環境館内の河川観察窓です。地下一階にあり厚いガラスの窓から直接川の中を観察できる、とてもおもしろい場所です。

 ここは海に近いためセイゴやボラ、クサフグなどがよく窓のすぐ向こうに姿を現します。また、川底をはうように上がってきた海水とその上を流れる川の水が二層に見える「塩水くさび」という自然現象も観察できます。

 ここは、川のさまざまな様子を川の横から観ることができる珍しい場所です。

一覧へ戻る