応募期間

2024年6月1日 (土)~ 9月30日 (月)

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佳作
第25回 中学生の部

“野鳥や昆虫達の憩いの場”夏の昆陽池公園

髙田慎一郎

兵庫県
兵庫県相生市那波大浜町25−11
中学校1年生

全体説明

昆陽池は、奈良時代731年(天平3年)僧行基の指導により農業用のため池として造成。1968年(昭和43年)伊丹市が公園化。昭和48年完成。昭和56年にふるさと小径が作られ、市民の憩いの場所となった。

 自宅から150mのところにある、この昆陽池公園は冬には3000羽を越えるカモ、カモメなどの渡り鳥が飛来する、白鳥と野鳥の楽園として知られている。僕もそのイメージが強く、夏の印象は夏休み中の朝のラジオ体操や幼い頃によく遊んだ場所というイメージがある。そこで、僕は夏の昆陽池公園を観察してみることにした。

 夏の昆陽池はやはり冬に比べて鳥の数が少なく静かだったが、公園内は緑が多く、セミや蝶、トンボ、ザリガニなどがいてふりそそぐセミの声でにぎやかだ。また、さまざまな木々の種類の多さにもびっくりした。夏の昆陽池もやはり、年中いる鳥や昆虫たちと緑であふれる公園だった。

観察ポイントごとの説明

1

 昆陽池の中には、日本列島の形をした島があります。その島は、冬には枯れ枝だけとなった木にとまっているカワウの姿が目立つ淋しい状態ですが、夏の島はその枯れ枝を半分以上覆う位、周辺に緑の草が繁っています。木が枯れてしまったのは、カワウのフンによるリンが原因です。年中いてるカワウの数が多いので、影響は深刻だと思われます。

 

2

 昆陽池につながっているこの池には、スイレンが咲いていて、アメンボやザリガニがいます。直射日光が木でさえぎられているので、セミの鳴き声の下で不思議な落ち着いた雰囲気です。イチョウ・アキレイ・エノキ・クロガネモチ・カロリナポプラ・アラカシ・イヌビワ・クスノキ・トウネズミモチ・ケヤキなど、たくさんの木が植えられています。その木々にとまって、ツクツクボウシ・ニイニイゼミ・クマゼミなどが鳴いていました。

 

3

 セミの声に混じって野鳥の鳴き声が聞こえてきましたが、姿を見ることはできませんでした。右側にマサキ・シンジュ・カナメモチ・シラカシ・アオギリ・ウツギ・アラカシ・シナカシ・ケヤキ・センダン・タブノキ・ムクノキ・クヌギ・カクレミノ・トベラ・ネズミモチ・アベマキ・クスノキ・ウバメガシ・ザクロなどの木が、左側には竹林がありました。ヤマブキも遊歩道に並んで植えられていました。

 

4

 川のせせらぎの音が、日頃の疲れを解消し心を落ち着かせてくれました。アベマキ・トベラ・タブノキ・カツラ・アカメカシワ・コナラ・ヤマボウシ・タイサンボウなど知らない木がたくさんあり、町の中とは思えない自然で山の中を歩いているようです。昆虫館の近くで、昆虫館周辺の花壇に植えられている花があるためか蝶を発見。アオスジアゲハ・ゴマダラチョウを見ることができました。

 

5

 公園の案内図ではキジがいてるように書いてありましたが、何度見に行っても出会うことはできませんでした。アベマキ・アキニレ・アラカシ・イスノキ・イヌエンジュ・ウラジロガシ・ウバメガシ・カナメモチ・クヌギ・クロマツ・クロガネモチ・シナマンサク・スダジイ・ケヤキ・トベラ・トウネズミモチなどの木がありました。

 

6

 この場所から5のポイントを見ることができ、数羽のコサギがエサを狙っている様子が観察できます。また夕方になると、ここから西の後方にある六甲山に沈む夕日を見ることができます。絶景です。季節によって、太陽の沈む位置が違い、季節による太陽光度の違いを観察することができます。シオカラトンボ、ウスバキトンボが水辺のスイレンのところを飛んでいました。

 

7

 公園内にある貯水池です。いつも2羽のアヒルと2羽のカモがいて、夫婦なのかそれぞれ仲良く泳いでいます。中学生の僕が見てもうらやましいぐらいです。カメがたくさんいて、のぞくと頭をちょこんと水面から出して、こちらに寄って来ます。甲羅干しをしているカメもいます。コイはとても大きく体長80㎝ぐらいの赤や白、黄金色をしたのがたくさんいます。水面をバシャンバシャンとゆっくり泳ぐ姿は迫力があります。

 

8

 水鳥の観察橋のたもとのところは、アヒル・こぶ白鳥・カルガモ・ヌートリア・コクガンを真近で見ることができます。春(45月)は、こぶ白鳥が卵を体で暖めて育てているところが見られますが、夏はその巣があったところが残っています。ヌートリアは野生化し、公園の樹木の根を食べるので問題になっていますが、かわいいです。

 

9

 水鳥の観察橋から、こぶ白鳥・カイツブリ・カルガモアヒル・ヌートリア・コクガンが泳いでいる姿を観察することができます。コクガンは、ケガをしているのを保護され、公園で預かることになったらしく、一羽しかいません。天然記念物だそうです。カイツブリはもぐってはだいぶん離れた所から姿を見せたりします。

 夏は冬に比べると鳥の数は少ないですが静かに生活している姿が見られます。

 

10

 鳥達のエサ場となっており、鳥達は時間になると集まってきます。アオサギやコサギなどが魚を狙って立っている姿も見られます。昆陽池センターの建物があり、夏はこの冷房のきいた中で昆陽池を観察してみるのもいいです。2階には無料の双眼鏡があり、泳いでいる鳥達や水面下を見るサギたちの姿を上から見ることができました。日本列島の枯木にとまっているカワウの姿もアップで見れました。

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