応募期間

2024年6月1日 (土)~ 9月30日 (月)

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受賞作品一覧
佳作
第27回 中学生の部

目玉電車の通る町

米田晋太朗

兵庫県
淳心学院中学校
中学校1年生

全体説明

 僕の住む町は西脇市の南部、JR加古川線の西脇市駅から徒歩5分の所です。緑豊かな田園地帯ですが、市内では比較的便利な所です。南側には野間川が流れ、東側を流れる加古川に合流していて、コイやナマズもたくさん泳いでいます。しかし盆地なので少し低くなっているせいで、最近は特に集中豪雨の地点になりやすく、平成16年10月の台風23号のせいで加古川の両岸が洪水になり2メートル近くの浸水で大きな被害にあいました。今も橋の工事や護岸工事が両方の川で行われ続けています。今回自分の足で実際歩いてみて、改めて、地形、動植物、道のつながりについて考えることができ、五感を使い、自分の町を見る面白さに気付けました。そして何より自分の家の庭の面白さを再認識しました。僕の家は、米田家は、いったいどのようになっているのか。まだ発見できることはたくさんあるはずです。

観察ポイントごとの説明

(1)

 沢山の植物が植えられています。いて困る虫はジュウニヤホシテントウ、カメムシ、コガネムシなど。それを食べるのは、オオカマキリ、コガネグモ。モンシロチョウやアゲハチョウ、ギンヤンマがいると心がなごみます。少し恐いスズメバチもいます。僕の家の最大の謎は8年前、花だんにいたカスミサンショウウオ。姉の理科の先生も驚いていました。野間川から雨にまぎれて来たのかもしれません。キセルガイの仲間もいます。

 

(2)

 元は水田か畑であったようですが、長い間空地になっているので、雑草におおわれています。春にはヒメジョオンなどが目立っていましたが、今は全面緑で、ヤブガラシ、ヒルガオ、セイタカアワダチソウ、イバラ、ブタクサ、クズ、ヨモギ、猫の敵イノコヅチなどが生えています。近くに柿の木やビワの木が植えてあり、この辺りから、昼はセミ夜はエンマコオロギ、秋になると、スズムシの鳴く声が響いてきます。

 

(3)

 水田にはオモダカ、ウリカワ、イグサの仲間やウキクサ、クサネムなどが生えています。害虫のイチモンジセセリ、イナゴなどもいます。ツチガエルもいました。少し昔にはイナゴは全くいなかったそうなんですが、昔のようにヘリコプターで農薬を散布したり、大量に使用したりもしないので、少しずつイナゴが増えたようです。その近くに野生化したミントが、雑草よりも生き生きと、しっかりしているのもおもしろいです。

 

(4)

 JRの線路沿いには、僕が好きだったジュズダマが生えています。ここで初めて見るエノコログサに出会いました。太さはごく普通のキンエノコロと同じですが、穂の長さが約20センチもある、とても長いものでした。色々と調べてみましたが、よく分かりませんでした。外来植物は線路沿いに広がるとよく書いてありました。そういう物なんでしょうか。ショウリョウバッタもいて、マルバルコウソウが、ネットに絡みついていました。

 

(5)

 初めて歩く通りでした。諏訪神社と書いてある所に大きなメタセコイアが植えてありました。京都大学農学部からもらったらしいです。幹は3~4メートルあって、僕の家に生えてしまった小さなメタセコイアからは想像できないような太さでした。僕の家に生えてしまったメタセコイアをあのような太さになる前に誰かもらってくれないかと母は言っていました。でもそのメタセコイア、観察しやすくていいです。

 

(6)

 加古川は平成16年の災害以来、ずっと工事中です。元は竹やぶとネコヤナギなどがあって大きな岩場もありました。しかし、それらが洪水の原因になったということで伐さいされ、岩場も大きく破壊されました。前には川岸や橋の上にトビケラ、ムカシトンボなどがたくさんいたそうです。猛暑もそれらがいなくなった理由の一つになったそうです。水辺を見てみるとアメンボの大群、川魚の稚魚やカワモロコなごがいました。

 

(7)

 小学4年生の頃、桜並木を植樹した。僕もマメタンほどの肥料を入れたり土かけをしたりしました。久しぶりにその道を通ってみたらしっかり育ち、土だけだった所も雑草が生えていました。近くではアキアカネが小さな羽虫の群れに何度も飛び込んでエサ取りをしていました。それらを狙ってさらにツバメも飛び回っていました。水辺ではコサギやアオサギ、カワウが魚を狙っていました。草の中にはトノサマ、クルマバッタも多かった。

 

(8)

 二つの水田が並んでいますが、片方は稲だけが生え、隣はそれより背の高いヒエがいっぱい生えていました。道の向かい側にもきれいな田んぼと草だらけの田んぼがありました。農家の人々は、稲やヒエの穂がでる前にそれらを見分けて草引きをされるんだそうです。兼業農家などで、その世話ができない人の田んぼは雑草や害虫で大変なことになるそうです。

 

(9)

 こちらも護岸工事中です。東に向かって道路も作っています。川をのぞくと60センチ近くのコイがたくさん泳いでいます。砕いた岩を丈夫な網につめて並べてあり、水辺まで行くと、イシガメや大きなナマズがのんびりと浮かんでいた。ナマズに触ってみたらすぐには気が付かなかったようでした。大きかったです。工事があると、生き物にはいろいろな心配があるが、岩のスキマとネットのおかげで、他の魚にまざり、クロメダカが泳いでいた。

 

(10)

 ここにはバナナに木がうえられています。年々背が高くなっているし、葉もとても大きいです。しかし、小さな実が育ちはじめる頃になると寒くなり、冬場は半分腐ったみたいになってしまって、さすがに実が完成した所まで見たことはありません。ですが、このまま温暖化が進めば、将来は、ここでバナナが食べられるようになるかもしれません。すこしおもしろそうです。

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