受賞作品一覧

おさんぽ龍野

佳作
清水優
兵庫県
淳心学院中学校
中学校1年生
第27回 中学生の部

全体説明

 3年前、お兄ちゃんがこの宿題をしたとき、僕も一緒にして、小学校の夏休の自由研究として提出しました。今回も、3年前と同じ所を歩き、同じ場所を観察します。しかし!今回は、3年前の自然と今年の自然を比かくして調査を進めていくことにしました。3年前は、お兄ちゃんとお父さんと僕、今年は、僕とお父さんで散歩道を観察しました。動植物の名前の横には、3年前と今年と、どちらの時にもいたものには○、3年前にいて、今年はいなかった動植物には✕、今年、初めてみつけたものには、Nという字をかきました。カナヘビを追いかけていた私たち。カナヘビは消え、あたりはまっ暗。そんなとき、私たちの目の前に、虹色の光があらわれる。この森の案内役。ハンミョウ。案内役についてゆく私たち。案内役が急に消えたそのとき私たちが目にしたものは!?私たちのお散歩が…今、始まる。

観察ポイントごとの説明

(1)

 ハンミョウは、人の歩く前を飛ぶので、「みちおしえ」とも呼ばれます。残念ながら、今年は見つけられなかったのですが、3年前、龍野神社の前にある階段で、二匹が重なって飛んでいるのを見ました。昨年までは、家の前や、家の庭でよく見たのですが、今年はまだみていません。絶滅はしていないと思いますが、ハンミョウの美しい体全体をもう一度、しっかりとみたいです。

 

(2)

 ムクロジの種子は、黒色で、羽根つきの羽根の下につけて、おもりにします。実際に実を拾い、皮などをはいでみると、黒い種子があらわれました。ムクロジの周辺には、スギやイチョウやエノキやコジイやケヤキなどの大木が目につきました。ムクロジの木は、3年前とくらべて、なんら変化はありませんでした。ちがうところといえば、今年、初めてムクロジの種子を見た、ということです。

 

(3)

 3年前には、カナヘビが道路を横ぎる姿や、草むらの中を超高速でかけぬけていく姿をよく見ましたが、今年は一匹も見ませんかったし、草むらの中からもガサゴソという音は、きこえてきませんでした。カナヘビは、とても細長い尻尾をもっています。木登りが上手であると、本に書いてありましたが、僕はカナヘビが木に登っているところを見たことがありません。またカナヘビがあらわれた時には、よく観察したいです。

 

(4)

 他の昆虫や動物は減っているのに対し、セミの鳴き声はおとろえを見せない。だけど、せみも減ってきているというから驚きです。つくつくぼうし(ツクツクボーシ)は、名前のとおり、「ツクツクボーシ」となきます。山の中では、ツクツクボーシは、アブラゼミのつぎに、見た回数が多いです。ことしはなぜか、羽にきずを負っているセミをよくみかけました。

 

(5)

 このクサギという名前の由来は、葉をもむとくさいので、“臭木(クサギ)”と名前がついています。けれども、夏に咲く白い花はユリのような良い香りがします。秋には赤い星型のがくの上に青紫色の丸い果実をつけ、よく目立ちます。残念ながら、今年はみなかったのですが、3年前にみたのは覚えています。もう一度みて、臭い方のにおい、いいにおいをかいでみたいとおもいます。

 

(6)

 鹿の糞は、聚遠亭の庭園にあった。このシカのフンは、3年前に観察したときにもあった。しかし、今年と3年前とをくらべると、数は少なくなっていた。聚遠亭にくるシカが少なくなったのか、それともシカ自体が減ったのか… このシカのフンは、聚遠亭の庭園の中でしか見なかった。シカにとっては、聚遠亭は公衆トイレなのだろうか。僕はシカのフンの一部をカメラにおさめた。

 

(7)

 散歩道のスタート地点についたとき、お父さんが、「タマムシがおる!」と言って、宙を舞う物体を指さした。その後、タマムシが飛んでいった所の木をみまわしても、タマムシはいなかった。あきらめようとしたとき、地面に光るものが。近づいてみると、タマムシの羽である。望みはある!と、お父さんと喜んでいたが、その後どれだけさがしても、タマムシを見つけることはできなかった。

 

(8)

聚遠亭のシカのフンを見た後、僕は池のふちで子供たちがあみを池の上にかざしているのをみた。何をしているのかと近づいてみると、そこには、7匹ほどのシオカラトンボの姿が。子供たちは、あみにトンボがとまるのをまっているが、お母さんの方は、あまり興味がなさそうであった。トンボのオスの腹は、塩を吹いたような灰色をしているのでシオカラトンボと呼ばれています。

 

(9)

 センチコガネの死体は、龍野神社の前にある階段でみつけました。他の虫や動物におそわれたのかなと思いましたが、傷などは見あたりません。僕はその死体をひっくり返しました。すると、絵で書いたように、足を全て下の方はのばして、のびていました。その姿に、僕はおもわず笑ってしまいました。となりにいたお父さんが、笑いながら、写真をとれと言ったので、僕はカメラをかまえ、シャッターボタンを押しました。

 

(10)

 僕は、がらのきれいなチョウだと思い、写真をとりましたが、本当は「アゲハモドキガ科」という種類だそうです。なぜ、チョウのようながらなのかというと、ジャコウアゲハというチョウにとても似ているからです。そのジャコウアゲハというチョウは、鳥がなぜかきらっているチョウです。だから、鳥におそわれないよう、ジャコウアゲハに似ている姿をしているのです。